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そのにじゅうろく
誰も居ない部屋の中、ただただ無機質に響く針の音。
カーテンの隙間から射し込む朝日に、窓の外から聞こえてくる小鳥の鳴き声。
部屋の主だけがそこには居ない。
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一体彼女は何処へ姿を消したのか。少し時間を遡ってみよう。
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それはまだ太陽も登っていない時間の出来事だった。スマホから流れる、ごく小さなアラーム音。普段の彼女なら決して目覚めない程小さな音であるにも関わらず、彼女はゆっくりと布団から身を起こす。
そう。起きたのだ。寝汚い、と言っても過言ではない彼女が。
「・・・眠い・・・」
不機嫌さの滲む声で彼女が呟く。しかしそのまま二度寝に入ることなく彼女は起き出す。
「やっぱり一睡もしないのは拙かったかな・・・?」
そんなことを呟きながらも、手早く着替え事前に用意していた荷物を掴む。そのままフラフラとした覚束無い足取りで玄関を潜り、まだ暗い世界へと踏み出していった。




