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そのにじゅうに~彼女は・・・~
まだ夜も更けぬ時間のことだった。普段なら昼頃まで起きない彼女が珍しく目を覚ましたのは。まだ覚醒しきっていない視界に、淡い人影が映った。薄く揺らいで、空気に溶けるようにして消えゆく、人影が。
行かないで
独りにしないで
お願い
傍に居て
特に理由はない。でも、その人と一緒に居たくて、傍に居て欲しくて。声にならない言葉が、吐息と共に吐き出された。僅かに歪んだ彼女の顔は、今にも泣きそうで。そのまま再び眠りの世界に旅立つも、気付かぬうちにこぼれた一粒の涙が枕に吸い込まれていった。




