そのじゅうはち
お待たせしました
夏休みのおかげで沢山読めて幸せ♪
今回からまた3日に1話のペースで投稿します。
とある金曜日のこと。俗に言う「花金」です。(花金って死語だっけ?)嵐の前の静けさ、とでも言えば良いのだろうか?珍しく明日、土曜日は休みなのです!
少々社畜気味な彼女は心の中では狂喜乱舞しているのだが、反して表情は無表情を通り越して能面になっていた。表情が動かないのは単にこの一週間が残業続きだったからだと思いたい。
まぁ、案の定本日も残業だった訳ですが、仕事の終わった彼女は嬉しそうに目を細め大きく伸びを一つ。そうしてそのまま席を立つと荷物を纏め帰路についた。
アパートのドアを開け、彼女はスルリと部屋の中に入る。
ガチャッ
鍵を掛ける音が閑散とした空間に響いた。
彼女は部屋へ上がると足元に鞄を放り出しながら浴室に向かう。しばらくすると、水音が響き出した。
そして、鞄から洩れる光。
「お嬢様・・・」
そう呟く人影。そう。黒い燕尾服を着こなした彼、だ。彼はまず放り出されたままの鞄を集め一に纏め、次に玄関に向かい脱いだままになっている彼女の靴を揃えた。それが終わる頃、浴室から響く水音は徐々に小さくなり、やがて止まった。彼の姿は、彼女が浴室から出て来る前にふわりと揺らぎ、そして最初から誰も居なかったかのように掻き消えたのだった。




