そのじゅうに
ガチャリーーー
鍵を開け、玄関の扉を開く。
「ただいま」
小さく響くその声に応える者はいない。(いや、まぁ、彼女独り暮らしなんだからいたら逆に困るんだけどね。でも、そのうち執事君が「おかえりなさいませ、お嬢様」とか言ってきそうで怖いわ~。By 作者)
鍵とチェーンロック、その二つをしっかりとかけると彼女はそのま蹲った。
「怖かった・・・」
そう呟いた彼女の肩は震えていた。少しの間そのまま蹲るも、彼女はしっかりと顔を上げ、靴を脱ぐと部屋の中へと入っていった。
遅い時間のため、飲み物だけ口にしそのまま浴室へと向かう。しばらくすると、水の跳ねる音が響き始めた。
浴室から出てきた彼女は、丈の長いシャツ1枚と言うラフな格好。濡れた髪をタオルで拭きながら、ソファーに腰掛けた。わしゃわしゃと少し乱暴に髪を拭く。その後ゆっくりと丁寧にドライヤーを使って髪を乾かすと、ポスンとソファーに背を預けた。うつらうつらとし始めるも彼女はスマホの電源を入れ二次元の執事を呼び出す。
「あのねぇ、執事君。今日はいろんなことがあったんだよぅ。怖い思いもしたけど、あったかい思いもしたんだぁ・・・助けてくれた男の人がね、知らない人なのになんだか懐かしいような、ほっとするような人だったんだぁ・・・」
コトッ―――
彼女の手からスマホが滑り落ちた。彼女はそのまますやすやと眠りの国へと旅立ったのだった。




