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その執事人外につき  作者: 文月 譲葉
番外編

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クリスマス小話・後編

2015年12月25日活動報告掲載分。全3話(完)。

 今日は12月25日。クリスマス当日だ。まぁ、世間では昨日、クリスマスイブがメインイベントになりつつあるようだが・・・

 さて、今日の彼女は一体どう過ごしているのだろうか?幼い子供であれば、目覚めて真っ先に枕元に置かれているであろう「サンタさんからのプレゼント」を開けるのではないだろうか?彼女の場合はこうだった。


 いつものように鳴り響くアラーム。寝惚けた彼女は時計を壁に叩きつけ音を止める。しばらくして、スマホから小さなアラーム音が響き始めた。徐々に大きくなるその音に、彼女は眠ったまま眉をしかめる。しばらくの間布団の中に潜り込んでみたりと足掻くも、結局彼女は不機嫌な顔のまま布団から這い出してきた。まるでゾンビである。


「うぐぅ・・・」


 何事かを呻きながらも必死に目を開ける。まだアラームの鳴り止まないスマホを手に取り機能をストップさせると、執事君を呼び出した。


「・・・今日も、ありがとね・・・仕事、行かなきゃだね」


 彼女はそう呟くと嫌々通勤の支度をし部屋を後にした・・・



 そして夕方。珍しく彼女の帰宅は早く18時であった。


「ただいまぁ・・・」


 玄関に、彼女の小さな声が響く。部屋へ入ると、彼女は鞄からスマホを取り出しテーブルの上に置く。そして、荷物は部屋の隅に置く。彼女は荷物を置くと浴室へと向かった。夕飯の前にお風呂に入るようだ。

 彼女が浴室へと姿を消すと、部屋に再び「サンタさん」あ現れ、同時にスマホが強い光を放つ。


「また来たのですか?暇人ですかアナタは(クソジジイ)


 冷たい光を宿した瞳で彼は不審者サンタさんを睨みながら言った。


 こら!やめなさい!サンタさんをクソジジイ呼ばわりするんじゃありません!!(←作者の叫びは勿論届かない。届いたとしても聞き入れてもらえない・・・)


「昨夜約束(注:サンタさんの一方的なプレゼントです)したからのぉ」


 ふぉっふぉっふぉっ、と笑いながら、彼に告げる。


「うん?あまりにも反抗的じゃとプレゼントはやらぬぞ~?わしは良い子にしかプレゼントをやらんからのぅ」


「別に要りませんのでとっとと帰ってくださいますか?」


 人の好い笑顔をお互いに浮かべたまま2人の間に火花が散る。2人のバトルが今はじま・・・らなかった。素晴らしくドスの利いた天の声、基、目を座らせた作者の発言が彼らの脳内に響き、やり取りをぶった切ったのである。


  ―――おいさっさとしろよ。こっちはてめぇらのやり取り悠長に書いてる暇はねぇんだよくそ忙しいんだよてめぇらいっぺん潰すぞ?―――


「「・・・。」」


 彼らは額に冷や汗を浮かべ顔を見合わせた。「サンタさん」が咳払いをひとつした。


「・・・ごほん。お主もあの子と過ごしたいじゃろう?」


 「サンタさん」はそう言うと彼の額に触れた。


「今夜はクリスマスじゃ。年に一度しかない今日を楽しむが良い。0時には解けてしまうからの。時間を忘れるなよ」


 そう言い残すと「サンタさん」は煙のように消えてしまった。後に残されたのはクエスチョンマークを頭に浮かべた彼。そしてまだ浴室に居る彼女である。彼は自分に向けられた言葉を頭の中で反芻し、言葉の意味を理解すると行動を開始した。具体的に言うと、夕飯を作り始めたのである。

 彼女が浴室から出てくるまでの間に、なんとハンバーグとサラダを作り上げてしまった。ネットで調べられるのだから完璧だとのことです。うちの子凄いな・・・


 やがて浴室から彼女が出てくる。彼女が目にしたのは、テーブルに並べられた湯気を立てる2人分の食事。そして、夢で見た「彼」だった。


「お疲れさまでした、お嬢様。食事の用意はできております」


 「彼」は彼女に向かってニコニコとしながら食事に誘う。そして、彼女の脳が処理しきれないのを良い事にそのまま席にエスコートし、自分はちゃっかり彼女の向かいに座る。


「さぁ、料理が冷めてしまう前にいただきましょう?」


 「彼」に促されるままに彼女は食事を始める。彼の作ったハンバーグには昨夜の残りのシチューが添えられ、小さめの器にカットされたパンとサラダが乗っている。


「!美味しい・・・」


 顔を綻ばせて、彼女は料理を頬張る。彼はそんな彼女の顔を嬉しそうに眺め、幸せそうなオーラを辺りに振り撒いていた。背後に華が飛んでいるように見える。・・・華やか過ぎて直視できないよ、息子なのに・・・



 2人は穏やかに食事を続け、食後には彼女の作ったガトーショコラ。


「とても美味しいです!」


 「彼」は彼女に告げる。彼女は嬉しそうにはにかんで「彼」に礼を告げる。


「ありがとう!人に・・・あなたにそう言ってもらえてとても嬉しい」


 2人きりの時間が、穏やかに過ぎる。窓の外には大きな満月が輝き、カーテンの隙間からその姿を覗かせている。そして、唐突に彼女は言った。


「あの・・・えと、今更なのですが、あなたはだぁれ?」


 おい。待て。今更過ぎないかい?え?ねぇ、流石に君の危機管理能力の低さは異常だと思うんだ。あれ?順応性が高いのかな・・・?混乱してきちゃった・・・

 作者ですら戸惑う発言を今更かましてきた彼女に、彼は笑顔のままで答える。


「私は貴女の、貴方だけの執事でございます、お嬢様。貴女は昨夜願ったでしょう?私と食事をしたいと。今日はクリスマスですよ?現実には起こりえない事が起こる日でもあるのです」


 彼女はその説明をイマイチ理解できなかったようである。瞳の中にクエスチョンマークが飛び交っている。ついでに眠たそうにも見える。


「・・・?『クリスマスの魔法』ってこと?サンタさん、お願いを叶えてくれたの?だから今日は珍しく残業無くて、『執事君』とご飯が食べられたし、おしゃべりもできたの・・・?」


 素敵な時間が過ごせたなぁ、なんて、彼女は欠伸を噛み殺しながら呟く。眠い目を擦りながら、何時の間にやら隣に移動してきていた「彼」をとろんとした目で見上げ、ふにゃりと笑った。


「幸せ、だねぇ・・・」


 そして、彼の肩に頭を預けそのまま眠ってしまったのであった・・・


 彼はすっかり眠ってしまった彼女を抱きかかえると、寝室へと向かう。彼女を布団に包むと額に口づけを落とした。


「Merry Christmas, my angel... my love...」


 小さく呟くと、彼はその姿を消した。



 それはクリスマスの魔法。クリスマスの奇跡。年に一度の『サンタさんからのプレゼント』が貰える日。2人は穏やかなクリスマスを過ごしたのであった。



******


終わり。途中で力尽きそうになったよ・・・

これでクリスマス小話は終了です!

読む人居るのかな?需要あんのかな?なんて思ったりもしたけど、1人でも読んでくれる人が居るなら満足です!

さて。ここで一言。

忙しい私への当てつけか?リア充爆発しろ!!爆ぜちまえっ!こっちは忙しすぎてそんな時間も作れねぇんだよっ!!!(作者渾身の叫び)


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