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その執事人外につき  作者: 文月 譲葉
本編

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106/116

そのひゃくろく

***


 お嬢様の小さな手が、私の手に重ねられた。私はお嬢様を引き寄せ、潰してしまわぬ様にそっと抱きしめた。


 ―――お嬢様に、今の私の表情かおを見られる訳にはいきませんからね―――



彼女の視界から外れた彼の表情かおが、

口唇くちびるが、

獰猛な弧を描く。


『貴女に齎されるモノ凡て、私の手によるものでなければ・・・貴女に訪れる死は私の手によるものでなくては・・・我慢がなりません。貴女を護るのも、貴女を害すのも、私だけで良いのですよ・・・』


***


 声に出す事無く紡がれたその言葉は、彼の歪んだ愛情を正しく示していた。


******

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