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そのひゃくいち
病院からの連絡を受けた彼女の家族は、すぐさま彼女の元へ駆け付けられるようにと準備を始めた。しかし、途中で彼女の兄はその手を止めてしまった。一体何があったのだろうか。
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ふと、視界が闇に包まれた。何事かと、俺は思わず顔をあげ辺りを見回した。しかしそこには何もない。闇が広がるばかりだ。
―――否。
うっすらとした白い光が、白い光を纏ったナニカが前から進んで来るのが視えた。ぼんやりとした形が徐々にしっかりとした輪郭を保ち始め、ソレは妹の姿になった。
『お兄ちゃん・・・?どうしてお兄ちゃんが此処に居るの?』
妹はまるで幼い頃に戻ったかのような口調でそう言い首を傾げる。
『あれ?私はなんでこんなところに居るの・・・?』
そして、妹はその表情を困惑に歪めた。
『私は・・・』
再び口を開いた妹。しかしその口から言葉が出てくるよりも早く、妹の後ろから伸びてきた手が妹の口を塞いだ。闇から姿を現したソイツは、俺達家族から妹を奪うヤツなのだとそう俺の直感は告げていた。




