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行進準備
真っ暗な闇。
その中を俺は一人で歩いていた。
すると小さな人魂の様なものが周りに現れ、俺の足元を照らす。
それは真っ赤な光を帯びていて不規則に揺れ動いた後、一列に並び始めた。
やがて人魂達は俺の目の前に一本の道を作った。
不思議に思いながらも俺は一歩前に踏み出す。
『タスケテ…。』
『ユルサナイ…。』
『オソロシイ…。 』
人魂達から聴こえる憎悪と悲しみの入り混じった声。
俺はそれを無視し、前に進む。
根拠なんてない。
…でも、この先に何かがある気がする。
そんな事を考えてながら歩いていると一筋の光が俺を照らした。
突き刺すようなその光に思わず目を瞑る。
ーーーーその瞬間。
俺の身体は光に包まれた。