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第一章:孤独になった姫


小学校の卒業式の日、家族で外食をして、その帰りのことだった。


横の車線を逆方向に走っていた車が、猛スピードでこっちに向かってきた。


あ、ぶつかる。

と思ったのと同時に悲鳴とブレーキの音が響いた。


時間がゆっくり進んでいるような感覚に陥って…


「どんっ」

という大きな音がした。


気がつくと、ひび割れたフロントガラスからへこんだ車が見えた。


車の運転席にいた父と助手席に座っていた母が頭から血を流してぐったりしていた。


お母さん、お父さん!

助けなきゃ…


前の席に行こうした。しかし 足がひどく痛んで動かせなかった。


見ると、自分の右足にガラスが刺さり、真っ赤に染まっていた。


目眩がして、サイレンの音と人々のざわめきが聞こえる中、意識はだんだん薄れていった。


完全に意識がなくなる直前、

寒気がした。

怪我のせいではない。


確かに誰かに睨まれてるような感じがした。


「殺意」とはこのようなことを言うのだろうかと思った。


そこで意識が完全に途切れた。



目を覚ますと、そこは病院で、両親の姿はどこにもなかった。


私は、

独りになってしまった。


飲酒運転の車が両親の車にぶつかったのだと言う。


事故だ、とニュースで報道された。


でも、私だけが知っていた。これは、事故ではない。殺人だ。


誰かが、両親を殺そうと思ってぶつかってきたんだ。


私が、絶対に犯人を見つける。

少女は、復讐を決心した。


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