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ドラゴンプラネット  作者: 級長
第三部
97/123

番外 ポッキーの日

 ギアテイクメカニクル ポッキーフォレスト


 今日はポッキーの日特別編。番外と言えば級長が死ぬのがお約束だが……。

 「級長が死んだ!」

 「この人で無しー!」

 今回は早かった。太いポッキーみたいな木に頭を激突させて倒れていた。やじ馬も集まり始めた。

 「何があったの……?」

 その様子を見ていたのは第三部主人公、真田理架。ポッキーの木が乱立する森林で事件は起きた。

 「ああ、コイツがまた変態をやらかしたのさ」

 理架の隣に立って事情を説明するのはナハト。級長を殺した張本人である。

 「あれを見ろ」

 ナハトはある方向に指を指す。そこには巨大なポッキーの箱をいくつも重ねて座る少女の姿があった。だが、その少女の服装に問題ありだった。

 なんせ、凶悪犯が着る拘束衣を着せられ、黒い布の帯で目隠しをされていたのだ。口にはポッキーをくわえていた。

 「うわぁ……」

 理架はナハトが級長を殴り飛ばした理由を理解して引いた。だが、少女が抵抗しないのも不自然に思えた。

 「この子は……NPC?」

 「だろうな」

 「ああ、インフィニティはこういうことをプレイヤーにやらせた場合の影響を調査している」

 級長は復活して、少女の目隠しを外そうとする理架とナハトに説明した。少女は恥ずかしそうに身をよじり、顔を赤らめている。

 「調査?」

 「ああ、このDPOが全感覚投入ゲームのテストヘッドなのは知ってるよな?」

 ナハトが首を傾げる。DPOは魔法や銃器など様々なものが存在する。全感覚投入ゲームでそれぞれをプレイヤーが使用したらどうなるか、それを実験する目的もDPOにある。

 「よくある18禁ゲームを全感覚投入でやったらどうなるか、俺達スタッフが試してるのさ」

 級長はこれでもインフェルノスタッフ。ゲームの実験に付き合うのも仕事である。

 「ま、こんだけグラフィックがアニメチックだと、現実でしてるとは違う感覚になるな」

 級長はナハトに説明しながら、NPCの少女を見た。理架が目隠しを外そうとするが、激しく抵抗して外せない。

 「つまり、全感覚投入ゲームで犯罪が促進されるということは、DPOではありえないという結果が得られた」

 「なるほど……」

 級長の調査の結果を聞いたナハトは少し安心した。体が現実と同じ感覚故に、グラフィックにおける現実との差異に敏感になるのだとか。

 「結局は、ゲームに影響されて犯罪起こす様な奴はドラマ見ても新聞読んでも犯罪起こすのさ」

 級長は調査の結果をそう閉じた。だが、ナハトは理架が拘束を解こうとしても抵抗する少女のNPCを見てると、その発言の説得力が薄れて感じた。

 「で、こいつは?」

 「俺以外いじれない様にプログラムした実験用NPCだ。思考プログラムは一般NPCに劣るが、反応は一般NPCと同じ」

 ナハトはNPCについての説明を受けた。DPOのNPCはまるで人間みたいな動きをする者もいれば、決まった動きしかしない者もいたりとばらつきがある。

 「さて、ではあれをしますか」

 級長がポッキーの箱を取り出すと、ナハトは級長が使用としたことを予測して動きだす。

 「【リベレイション・ハーツ】!」

 「ぎゃああ!」

 「級長が死んだ!」

 「この人で無しー!」

 ナハトは級長に向けてライダーキック。そして本日二度目のやじ馬の叫びがポッキーの森に響いた。

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