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ドラゴンプラネット  作者: 級長
第二部
84/123

番外 敬老の日、初孫大作戦

 プレイヤーデータ

 アバターネーム:ティア

 プレイヤー:凍空真夏

 アバターサイズ:ライトミドル

 使用武器(本気モード):大剣『ヴァージンバーミリオン』

 スキル:『大剣術』『高速移動』『ステップ』『索敵』

 所属騎士団:無し

 直江家本宅


 遊人と真夏は直江家の本宅前にいた。直江家本宅は平屋で、門までついた立派な家だ。最近ではバリアフリーやリフォームが進み、歴史のある家ながら古臭さは感じない。愛花の両親は昔かたぎな面もあるらしいが、別に新しいものを否定する気もサラサラないらしい。

 《バトラーの両親はどんな人ですか?》

 「俺からすればおじいちゃんおばあちゃんだけどな。戸籍上は二人の養子だけど……」

 真夏の質問に、遊人は朗々と答えた。あの破壊的刑事、直江愛花の両親はどんな人か真夏も気になっていた。

 「まあ会ってみればわかるだろ」

 遊人の言葉に、真夏は黙ってついていく。遊人はまず門を開け、家の中へ入った。

 《おじゃまします》

 喋れなくても礼儀は忘れないのが凍空真夏。ホワイトボードに挨拶の言葉を書く。

 「やあやあよく来たね遊馬さん」

 「ばあちゃん、俺は遊馬じゃないよ」

 「……!」

 遊人が入ってきた音に反応して、遊人と愛花の祖母である直江愛子が出てきた。見たところ、普通のおばあちゃんだ。だが、真夏が驚いたのはそこじゃない。

 昔から似ているという理由で愛子は遊人を遊馬と呼んでおり、遊人自身が遊馬のクローンであることを知った最近では彼も一概に否定しにくくなっている。だが、そこでもない。

 あの遊人が、感情皆無で有名な遊人が、柔らかい笑顔を浮かべていたのだ。真夏が驚いたのはここ。

 「おや、この子は?」

 「凍空真夏だ」

 遊人の豹変に驚きながらも、真夏は愛子に向かってお辞儀をする。真夏の頭は遊人が見せた謎笑顔で混乱していた。

 「おやおや、礼儀正しい子だね。立ち話も何だから上がりなさい」

 愛子は二人を居間に通した。真夏は畳の居間に難無く座る。最近では正座の出来ない日本人が増えているが、真夏の父親である凍空寒気は彼女にちゃんと正座くらい出来るように教育していた。

 座布団の扱い方すら完璧なので、愛子も驚いた。

 「んじゃ、本題に入るよ。敬老の日ってことで、プレゼント」

 遊人は真夏の肩を持って本題に入る。口調からも遊人独特の刺々しさが抜け、真夏は混乱する一方だ。

 『あいつ相当のおばあちゃん子だから』

 (そういうレベルじゃねぇぞ!)

 愛花が事前にそんなことを言っていたが、真夏はそんな次元ではないと心の中で絶叫する。

 「プレゼント?」

 「はい、孫の『直江真夏』、ってことで」

 (エエエエェエェェェ?)

 そしていつの間にか自分がプレゼントになっているという現実に真夏は顔に出すことなく驚く。

 「おや、この子があの真夏ちゃんかい?」

 「ああ、俺が後継者争いの時に親族を片っ端から滅ぼしたせいで身寄りがなくてね。姉ちゃんが預かりたいって」

 (私を抜きにそこまで話が……。ああ、でも身寄りがないのは確かだし、バトラーも気付いたら愛花さんの弟にされてたし……)

 だんだんと真夏のツッコミが追いつかなくなる。日本全国津々浦々探しても、凍空財閥の令嬢である彼女をここまで振り回した一家は直江家以外にないだろう。

 (恐るべし、直江……!)

 真夏は承諾無しに直江家へ加入させられた。これから自分がどうなるのか、真夏にはわからなかった。とりあえず、悪い方向には転がらないだろうと彼女は感じた。

 プレイヤーデータ

 アバターネーム:墨炎

 プレイヤー:直江遊人

 アバターサイズ:フェザー

 使用武器:双剣『シロクロツインズ』

 スキル:『双剣術』『片手剣術』『ステップ』『索敵』

 所属騎士団:無し

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