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ドラゴンプラネット  作者: 級長
第二部
82/123

コラボ企画 藍蘭VS倉木闇人

 現在、小説家になろうで連載中の『学園軍記スクールブラッド』から、倉木闇人が参戦だ!

 藍蘭は変身を使う闇人やみひとにどう立ち向かう?

 DPO ネクロフィアダークネス 桜花学院校舎


 煉瓦造りの古い町並みが広がるフィールドがネクロフィアダークネスに設立された。この町は校舎なのだ。桜花学院とは、敷地内に一つの町を再現した全寮制の学校である。かつては日本各地から名家の令嬢が集まったのだ。

 だが、現在はその華やかな面影は見られない。町は荒れ、エネミー達が闊歩する始末だ。

 「ここにイベントボスがいるのね」

 「誰かな?」

 そこを二人の少女が歩いていた。二人とも制服を着ているが、装いが異なる。この二人は言わずと知れた藍蘭、スカーレットのコンビだ。二人はここで行われる人気イベント攻略に来たのだ。

 藍蘭は夏服のブラウスに短いプリーツスカート、手には日本の鎧に見られる形の小手、スカートの裾からはスパッツが覗いており、活発な印象だ。

 スカーレットは夏服のセーラー服。それに赤い装甲を持つ小手、いや機械の義手に近い装備と、脚にもブーツの形をした機械の義足に近い赤い装甲が取り付けられている。機械、といっても非常に近代的でギアが露出してるということはない。

 「ていうか、それどうやって装着してんの? 義手?」

 「義手。取り付けた」

 藍蘭はやはりその義手や義足みたいなものが気になっていた。スカーレット曰く、マジで義手や義足らしい。工作スキルは恐ろしい。

 「親からもらった身体に、無駄にメス入れたらダメじゃないの」

 「これはアバター」

 藍蘭の言うことももっともだが、スカーレットはアバター。どうしても全感覚投入システムがリアルで、現実の様に見えてしまうのだ。

 「で、ボスが目の前にいるわけだが……」

 藍蘭が改めて前を向くと、噴水が中央にある広場に出た。その噴水の縁に腰掛け、音楽を聞く人影がいた。

 「あいつが倉木闇人」

 スカーレットは緊張気味にその人影、倉木闇人を見た。学ランを着ているが、長い黒髪が綺麗で顔立ちも女っぽいので二人は一瞬、男かどうかわからなくなった。

 「男? 名前聞くと男だけど」

 「切島切彦の例があるから、名前が男でも本人が男とは限らない」

 藍蘭は闇人の姿を見て首を傾げる。スカーレットは名前を次げば女でも男の名前になるという例を冷静に上げる。

 「とにかく本人に確認だ。【リベレイション=ハーツ】!」

 藍蘭は右手に三本の刀を指の間に挟んで巨大な爪の様に持ち、絶爪を作る。そして、迷うことなく闇人に向かう。

 「おや、誰?」

 ボンヤリと顔を上げた闇人は、電気を纏って突進してくる藍蘭を見た。声まで高く、闇人が男かどうかますます怪しくなった。

 「【大雀蜂】!」

 藍蘭の突き技を闇人は空高く飛んで回避する。噴水は粉々になった。あれを喰らったらいくら闇人でも一たまりもない。

 「逃がさない!」

 空に飛んだ闇人をスカーレットが追い詰める。スカーレットはボードに乗って空中の闇人へ突進する。

 「やるね」

 闇人はボンヤリしながら称賛を送る。だが、彼はスカーレットのボードが生み出す推進力を片手で抑えた。闇人の筋力は驚異的だ。二人は地上に下りた。

 「お前は何者だ?」

 「ボクは倉木闇人。ただの中学生だよ」

 スカーレットの問いに闇人はボンヤリと答えた。そして、彼は学ランを腕まくりしていた。

 「そしてここからは、化け物の倉木闇人だよ」

 腕まくりをして見えた腕は非常に細く、ボードの推進力を抑えたものとは思えなかった。

 そして、その腕は一瞬で獣の腕に変化した。人間の腕より一回り大きく、爪も長い。

 「って……あれは何?」

 藍蘭はそんな変身より、噴水広場に現れたエネミーに注目していた。巨大なキャンドルが歩いて来たのだ。

 「ソルジャーキャンドル!」

 「ソルジャーってレベルじゃねぇぞ!」

 闇人がそのエネミーの名前を叫び、藍蘭はそのネーミングに驚いた。ソルジャーキャンドルの身長は藍蘭の二倍、太さは人が三人手を繋いで輪を作った程度である。

 「ここは休戦だな。こいつを倒す」

 ボンヤリが消えた声で闇人が藍蘭とスカーレットに呼び掛ける。二人はソルジャーキャンドルを眺め、作戦を決めた。炎を使うエネミーはたいてい水に弱い。

 「「【大海波】!」」

 藍蘭とスカーレットは同時に技を放つ。水平に振られた刀から海水の波が発生し、地面を走った。ソルジャーキャンドルはその波に飲まれた。かなり弱ったらしい。本来この技は相手の体勢を崩すためのものだが、海水に弱いエネミーにはダメージになる。

 「今だ!」

 闇人は体勢を崩したソルジャーキャンドルに向かって走る。そして、両手の爪でソルジャーキャンドルを切り裂いた。

 「逃げるよ!」

 ダメージを受けて逃げるソルジャーキャンドルをスカーレットが止めようとボードに乗る。だが、ソルジャーキャンドルは蝋を溶かして道を滑っていた。めちゃくちゃ速い。一本道を走っているせいで、速さに拍車がかかる。

 「逃がさん!」

 「え?」

 闇人は藍蘭を掴み、思い切りピッチャーの様に振りかぶった。

 「超無限度投人銃ボールボーガン!」

 「ええぇぇええエエェェェェえっ!」

 藍蘭は闇人に投げられ、ソルジャーキャンドルを越える高速で飛んだ。冷静さを取り戻した藍蘭は絶爪を構えて技を発動する。

 「【リベレイション=ハーツ】、【大雀蜂】!」

 藍蘭は雷のダーツとなってソルジャーキャンドルを貫いた。スカーレットもボードで追いつき、攻撃を加える。

 「【リベレイション=ハーツ】!」

 スカーレットのリベレイション=ハーツが発動した。彼女の手足に装着された義手と義足の装甲が開き、周りから鉄屑を集める。おそらく磁石になっているのだろう。

 そして、それはスカーレットの背中に集まり、巨大な真紅のショルダーキャノンになった。スカーレットは肩越しに伸びる左右のキャノンを構え、ボードに乗りながら狙いを定める。

 「行け! 【カラミティウスキャノン】!」

 二門のキャノンから赤い光線がほとばしる。光線の直撃を受けたソルジャーキャンドルは爆発に巻き込まれて粉々になった。

 「討伐完了」

 両腕の変身を解いた闇人が降り立ったスカーレットと藍蘭に走り寄る。その手には何か小包らしきものを持っていた。

 「これ、景品」

 「なんだろう、これ」

 藍蘭とスカーレットはそれを受け取る。受け取った瞬間、青白いウインドウが現れる。

 『「桜花学院予備学科制服」を手に入れました。着ますか?』

 そのウインドウを見た二人は迷わず『YES』を選択する。二人の身体は光に包まれ、一瞬で着替えが完了した。

 桜花学院予備学科制服は軍服のジャケットに似た上着と短いプリーツスカートで構成されていた。そのため藍蘭のスパッツと小手やスカーレットの義手義足はそのままで着替えられていた。

 「いいねこれ!」

 「このイベントが人気のわけだ……」

 藍蘭は純粋に喜び、スカーレットはイベントが人気の秘密を知った。男性プレイヤーがこれを貰って嬉しいかは不明だが、手に入れた服は仲間にしたNPCに着せられるので人次第では嬉しいだろう。

 「そうだ。闇人も着る? 絶対似合うよ」

 「いや、いい」

 藍蘭は闇人をじっくり見て誘う。闇人は断ったが、素材はいいので似合うに違いない。

 「藍蘭の言う通り、似合うよ」

 「くっ!」 スカーレットまで藍蘭に賛同し始めたため、逃げるべく踵を返す。闇人はボンヤリしながらかなり焦っていた。

 「どりゃあーっ!」

 「ぎゃああ!」

 すぐに藍蘭が闇人を確保する。さらに闇人に災いが降り懸かった。朱色がやったのか、NPC用の着せ替えメニューが現れた。スカーレットはそれを操作して闇人を着せ替える。

 「なっ、なななっ!」

 闇人はいつの間にか自分も桜花学院予備学科の制服を着せられていることに驚いた。やはり身体のラインが細くで女性的なので似合う。ていうか、学ランを取り払ったせいで男に見える要素が消えた。

 「スカート……短い」

 闇人は顔を赤くしてスカートを押さえる。タイツに包まれた闇人の脚は美脚以外の何物でもない。

 「闇人かわいいよ闇人」

 「うぅ……」

 藍蘭に使い捨てカメラで写真を撮られてますます赤くなる闇人。スカーレットは闇人が哀れになってきたが、恥じらってる姿もよかったので放置を決め込んだ。

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