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ドラゴンプラネット  作者: 級長
第二部
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潜伏五日目

 サイバーガールズ総選挙事件 タイムライン

 7月25日 リディア、宵越弐刈の秘書に。応援団到着。縁、死亡(最初の犠牲者)

 26日 藍蘭達が朱色の妹が作った球根を一つ消滅させる。三好雅が泉屋宮に成り済まし、囮になるも失敗。椛、泉屋、死亡。

 27日 紅憐とfが一時、朱色の妹を追い詰める。藍蘭、刺される。夏目、自殺。

 28日 スカーレットとレジーヌの強化プランがクインの下で実行される。スカーレット、藍蘭と決別。

 29日 バトラー、正体を明かす。リディアが捕まり、桃川、青柳、茶木、黒田、金鉢、緑屋、死亡。黄原彩菜が自らを朱色の妹と名乗る。

 凍空プリンスホテル リディアと弐刈の部屋


 現場の事を刑事の愛花に任せた私達は、一旦部屋に戻った。直江遊人が宵越テレビの敷地を出ることを提案したのだ。なんでも朱色の妹は宵越テレビの敷地内ならどこにいてもおかしくないらしい。警戒には警戒を重ね、部屋で話をすることにした。

 今部屋にいるのは私、弐刈、直江遊人、そして藍蘭と呼ばれている中学生。

 「リディアさんって秘書なのに社長と同じ部屋に泊まってるの?」

 「夜の業務もバッチリ管理か、ナンセンスだなおい」

 藍蘭と直江遊人が茶化している通り、確かに社長が秘書と同じ部屋に泊まるのは変だ。

 「え? 普通じゃないの?」

 弐刈は馬鹿だからそれに気付かない。こいつに任せて大丈夫か、不安になってきた。

 「それはそうとして……直江遊人は死んだって佐原から聞いたけど?」

 「ああ、生き返ったんだ」

 とにかく私が気になったのは直江遊人の安否だ。なんでこいつが生きてるのか、不明だ。まさかワンターレンによる蘇生ということもあるまい。

 「安心しろ。教会で金払って復活したわけじゃない。あれは仮死状態だったんだ。一度天国には行ったけど、『話がある』ってエディのとこ連れてかれて、無理矢理叩き落とされた」

 「詳細が気になる……」

 直江遊人は死んでなかったというわけか。どうも私が調べた情報によると、こいつは自分が新田遊馬のクローンであることを知らなかったらしい。初めからクローンとして育てられた私とはだいぶ違う。

 直江遊人は私をじっ、と見ていた。何か気になることがあるのだろうか。

 「似て……る? いや、目元とか違うんだよな、不気味の谷だ」

 どうやら私が誰かと似てるらしい。不気味の谷っていうのは、ロボットやCGの動きが人間と同じか全く違うと何も感じないが、少しだけ人間の動きと違うと不気味に感じる現象のことだ。

 「でも身体つきは完璧エディなんだよな……」

 「昔の彼女に似てるの?」

 「いや、お前のオリジナルの娘だし」

 エディというのは私のオリジナル、ラディリスの娘らしい。存在は聞いたことしかないから、詳しくは知らないんだけど。

 「とにかく、作戦を確認しましょう。まず、相手はサーバーであることがポイントになる」

 「あ、あと電磁波発生装置もね」

 とりあえず話を戻そう。藍蘭の言う通り、電磁波発生装置もサーバーの他にあるのか。

 「電磁波発生装置はおそらく、敷地内に大量にある。まずはサーバーを抑える」

 作戦は直江遊人が完全に仕切っていた。こいつはあの、熱地学院大学を潰した男。やはりそういう事専門なのか。

 「リディアと社長がサーバーを抑えてくれ。俺と藍蘭で電磁波発生装置を叩く」

 直江遊人はだいたいの作戦を説明した。多人数だから同時に攻めれるのか。いや、ここにいる私達だけではなく、この男は多数の仲間がいる。泉屋に入れ代わる三好雅、先日私が話した藤井佐奈、前に見かけた上杉夏恋。これだけでも十分だ。

 「作戦は決まったな。明日から始めよう」

 こうして朱色の妹を追い詰める作戦は決定した。私は一時、凶行を止めることに私の生きる意味を見出だすことにしてみた。

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