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ドラゴンプラネット  作者: 級長
第二部
79/123

番外 ロンドンオリンピックへ(完結編)

 暑い夏はこれで終了。でもドラゴンプラネットは残暑の如く続く!

 東京都 銀座路上


 「パレードだな!」

 遊人はメダリスト達のパレードを見て言った。人混みが苦手でコミックマーケットさえ行けない彼だが、今回ばかりはある人物に無理矢理連れてかれたのだ。

 「まったく……」

 その人物とはリディアだった。人混みに二人は完全に埋もれていた。なんとか遊人のインフィニティ能力で人混みの動きを予測しているからいいものの、身動きが取れない。

 「なんで俺を誘ったのさ」

 「いいじゃん」

 遊人とリディアはメダリストを乗せた車が目の前を通り過ぎたため、さっさと人混みを離脱する。リディアは遊人の手を、逸れないように握っていた。

 「何してんだ?」

 「見ればわかるでしょ?」

 遊人はそれを見て困惑する。どうしてもリディアを見るとエディを思い出してしまうのだ。リディアはエディの母親、ラディリスのクローン。似ているのは必然だろう。

 エディが母親似というのもあるが、目元以外は本当にそっくりだ。遊人にはリディアの手を振りほどくことが出来なかった。

 「で、なんで今日はそんなファッションに気合いが滲んでるんだ?」

 遊人はリディアのファッションを見て言った。インフィニティ能力で見抜いてしまったのだ。

 今日のリディアは夏らしく麦藁帽子にオレンジのタイトなTシャツ、デニムのホットパンツにサンダルとそこそこ露出の高い服装。遊人は、リディアは露出をそこそこ程度に抑えた時が本気だと本能が伝えていたからリディアが本気マジだ。

 「いつまでも引きずるほどいい女を越えたら、私も自信付くのよ」

 「エディを越えるいい女はいねぇよ」

 冷たく言い放つ遊人だが、リディアは早速行動に入る。遊人の腕に抱き着き、胸を押し付ける。

 「……リディアさん?」

 「何?」

 「当たってます」

 「あててんのよ」

 遊人は冷や汗をダラダラ流し、そのまま銀座の町を歩く。いつも通り制服を着ている遊人とオシャレをしているリディアは奇妙なカップルに見えた。

 「良く見るとリディアって、エディと違うよな」

 「私はエディの母親、ラディリスのクローンだからね。顔立ちは似てるけど違うかも」

 遊人はインフィニティ故、リディアとエディの違いがハッキリわかっていた。例えば目元や、仕草の一つ一つなど、さらにはこんなところまで。

 「いや、胸の感触も違う」

 「マジ……?」

 遊人の発言にリディアは少し慌てる。今リディアは、エディと微妙に違うということだ。

 不気味の谷現象という言葉がある。ロボットやCGが人間の動きと同じや全く違ったりすると何とも思わないが、少しだけ違うと不気味に感じるという現象だ。怪談でも階段が一段だけ多いなど普段と微妙に違うと不気味な理由もそれである。

 「くっ……!」

 エディの元カレ、遊人からしてみれば、元カノのエディと少しだけ違うリディアは不気味なのだ。つまり、エディ主催の『遊人の恋人の座争奪戦』でリディアは不利。

 「負けはしないわ……!」

 不利だと知りつつ、リディアは負けられない戦いに引き込まれて行くのだった。


 その様子を遠くで眺める人影があった。遊人の弟、松永順に車椅子に乗ったハルートだ。

 「ふふっ、愚かな愚民共め。オリンピックはこれからが本番なのだよ!」

 順が高笑いしてると、ハルートは無言で『愚かな』と『愚民』での意味の重複を指摘する。順は理系なので仕方ないね。

 「今日からパラリンピック開幕だ! 視聴率しか気にしないナンセンスなマスゴミ共はどうせ放送しないだろうし、ネットで見るぜ!」

 そう、今日からパラリンピックの開幕だ。順は開会式の中継を見る為に、ハルートの車椅子を押して家に帰るのだった。

 〇朱色の妹を探せ! これがヒントだ!


 ・氷霧の能力で電磁波を感じた人間が二人いるが、別に朱色みたいな電磁波で現実世界に存在しているデータ体でなくても、電磁波を出すアイテムが土産屋にあったね。片方はそれを持ってるはずだ。

 ・紅憐とfが朱色の妹と対峙した時、エネミーに付いていた花の色がヒントになりそうだ。でも、まさかそのままというわけはないよね?

 ・実は第二部の最初の方、何か不自然なことが起きていたはずなんだ。26話だったかな?

 ・最近『あいつ』の姿を見ないよな。忙しいのかな?

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