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ドラゴンプラネット  作者: 級長
第二部
57/123

プロローグ2 異変の惑星

 DPO ギアテイクメカニクル ルビーボルケーノ


 ここはギアテイクメカニクルにある火山。ギアテイクメカニクルのステージ名は基本、鉱物+環境で命名される。スティールサバンナ、アイアンツンドラなどがその代表例だ。

 「なんだよこいつら!」

 冒険漫画の主人公みたいなツンツンヘアーをしたプレイヤー、ギンがエネミーを見て叫んだ。エネミーは赤い狼、エンライガ。弱いエネミーのはずだが、様子がおかしかった。

 溶岩の流れる火山内部で、ギンとメイのペアは普通にクエストをしていた。だが、いきなり身体に花を生やしたエネミーに襲撃されたのだ。メイは一撃で倒され、戦闘不能になった。

 「やたら強いな!」

 本来なら軽く倒せるはずのエネミーに苦戦するギン。なんのイベントだ、と思考を巡らせる。惑星警衛士のデータベースにもなかった現象だ。

 「【リベレイション=ハーツ】!」

 ギンはリベレイション=ハーツを発動。剣から放たれた黒い斬撃がエンライガに迫る。直撃を喰らったエンライガだが、倒れない。HPもたいして減っていない。

 「マジ?」

 リベレイション=ハーツは墨炎やラディリスなど、極端な例が取りたざされて、最強の技と呼ばれることがある。だが、それは誤りだ。

 リベレイション=ハーツの強さは、プレイヤーの心に左右される。純粋かつ強い感情でなければ、圧倒的な力とはならない。一般人では、ギンの様な技が手一杯だ。

 「マズっ!」

 エンライガがギンに飛び掛かろうとする。だが、炎の玉が飛んできて、エンライガを焼いた。生えていた花が焼け落ちた。

 「あ、その手があったか」

 エンライガは炎に強いエネミー。炎で攻撃しようなんて発想がギンにはなかったのだ。

 次いで、何かが飛んできてエンライガを攻撃する。エンライガは普通に倒された。花が生えていた時の様な、やたら硬い耐久力も無くなっていた。

 「なんだ?」

 ギンは目を見張った。エンライガを倒したのは、空から飛んできたプレイヤーなのだ。

 黒い鎧を身につけた黒髪の少女が、槍でエンライガを倒した。赤い翼を畳んでいるところを見るに、飛行スキルで飛んできたのだろう。

 だが、ギンはそこで首を傾げる。飛行スキルはラディリスというプレイヤーの持つもの一つだったはずだ。そのラディリスは、先日の『円卓の騎士団事件』以来、誰も姿を見ていないという。

 衛星兵器での戦いで突如姿を消したらしい。一説には、死亡したとも言われている。

 「誰だお前は!」

 ギンは少女に言う。少女はギンの方を振り返った。仮面をしていて素顔はわからないが、紅い瞳が印象的だった。

 少女は何も言わず、翼を展開して飛び去った。

 この日以来、花が生えたエネミーと黒い鎧の少女についての噂が流れ始めた。

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