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ドラゴンプラネット  作者: 級長
第一部
24/123

総集編 竜の惑星とプロトタイプ

 これは、ドラゴンプラネット第1話から第12話の1クールをまとめ、登場人物が独自の目線で解説したものである。サブタイトルは以下の通り。

 1.ログイン!

 2.チュートリアル

 3.切り裂き魔

 4.楠木渚

 5.禍根

 6.騎士団の氷霧

 7.滅びの流星

 8.学園のアイドル

 9.荒野のスナイパー

 10.試作品対原点

 11.ロンリープロトタイプ

 12.体育祭、夏恋と冬香

 解説を勤めるのは俺、直江遊人だ。本編ではいろいろなことを忘れかけてる設定だが、今はそれを忘れてくれ。まったく、面倒な設定を作りよってナンセンスめ!

 俺はある日、クラスメイトの上杉夏恋に誘われ、ドラゴンプラネットオンラインにログインした。しかし、ランダム生成というアバターは女の子。このゲームは性別反転不能のはずだぞ?

 このゲームの基礎となるシステム、全感覚投入システムは俺の恩人、楠木渚が開発した。この墨炎というアバター、俺の証言を元に渚が描いた、俺の架空の友達に似ているな。もしかしたら、渚と関わりがあるかもしれない。

 このゲームにログインする際、プレイヤーの脳波をパスワード代わりにしてるから、渚が脳波で俺を判別してこのアバターを与えた可能性もあるということだ。

 それはさておき、しばらくゲームを楽しんでいた俺なんだが、クラスメイトの藤井佐奈が切り裂き魔に襲われてしまった。切り裂き魔ってのは、三年前にも九州で発生したものらしい。手口も同じで、同一犯の可能性がある。いまんとこ両方で死者が出てないのが救いか。

 奇妙なのは、佐奈が犯人の顔を覚えてないということだ。佐奈は絶対記憶の持ち主だそうだ。

 そんな佐奈が長篠高校のような辺鄙へんぴな私立にいる理由は、身体が弱いからエレベーターや冷暖房が完備されているとありがたいからだそうだ。

 まあ、もしかしたら顔を隠していて見えなかった可能性もある……んだが、姉ちゃんが言うには、他の被害者は「犯人は顔を隠してない」らしい。また、「犯人は女性かもしれない」とも聞いた。

 そして、姉ちゃんは俺の近くに犯人はいると言ってた。

 俺の近くにいる九州出身の女性は二人。上杉夏恋と、立花凜歌だ。前者が犯人だとすると佐奈は犯人の顔を見て、夏恋を庇うために嘘をついた可能性も考えられる。まあ、犯人探しは姉ちゃんの仕事だ。これ以上は考えないようにしよう。

 で、それで佐奈のお見舞いに行くことになった俺と夏恋、涼子、煉那。驚くことに、佐奈が入院してる病室は俺がかつて入院していた場所と同じ。ベットも同じだった。

 俺はある日、病室に運び込まれた。入院する以前の記憶はないし、入院中の記憶もプロトタイプと戦ってからは曖昧になりつつある。

 しばらく渚と暮らしていたのは確かだ。それで、あの事件が起きた。渚が死んだ、あの事件だ。

 しかし、今になって思うのだが、なんで看護師長はAB型の血液が足りない時に、O型の血液を代わりに使わなかったんだ? O型の血液は、ポンベイ型を除く他の血液型にも輸血できたはずだが……?

 どうやら一般的に行われてないことらしい都市伝説のようで、そもそもRHが違うとできないらしいな。その話はほかっておこう。

 まあ、渚の血が俺に流れているのは事実だし、それでいいさ。

 ついでに言えばこの事件で盛られた毒のせいで、俺の寿命は14歳までとなってしまった。けど、俺は復讐を果たすまで死ねない。もう15歳だし、いつ死んでもおかしくない。

 そんで、過去のことを話し終えた俺のもとに姉ちゃんが来た。そういえば、あの時会った真田って記者のこと、姉ちゃんは好きなのかな?

 リアルのことばかり話してても仕方ないな。ゲームの話をしよう。墨炎の私服を買おうとして入った服屋で、氷霧と出会った。ナイトをデュエルで倒し、俺は氷霧のパートナーになった。

 ナイトの言葉から察するに、チート使用者はこの時から蔓延っていたんだろうな。

 その後、クエストに出かけた俺達なんだが、メテオドラゴンに乱入されて危機一髪。リベレイション=ハーツの力で乗り切りはしたが、リベレイション=ハーツは段々弱まってきてる。

 回数制限のある技じゃないらしいが、たしか心を読み取って攻撃力にしてるとか。ってことは、俺の心が弱くなってるのか? 憎しみの心を力にしてるのが俺のリベレイション=ハーツだとするなら、俺は今憎しみが弱まってるのか?

 そしてメテオドラゴンを倒した俺達のもとに、挑戦状が届いた。氷霧の後輩、藍蘭が指揮する学園騎士からだった。

 藍蘭の挑戦は退けたが、その後にあいつが現れた。白い少女、プロトタイプ。

 なんとか氷霧に助けてもらったが、あいつの目はヤバかった。憎しみに何か違和感を感じるようになったのはここからだ。誰かを憎しみ続けて生きるために、本当に渚が俺を助けたのかって。

 その後、学校に緋色が来た。なんでも、プロトタイプは俺の憎しみからできていて、俺は徐々に憎しみを失っているらしい。でも、俺は憎しみなんて失っても問題ないと思う。

 しかし問題は、憎しみを作る記憶、渚の記憶を持ってかれることだ。あれは大事なものだ。一応取り戻さないとな。

 俺はその後、いろいろ悩みながら堤防を歩いていた。その時出会ったのが、エディだ。道案内した後にお礼のキスまでされて、悩みが吹っ飛んだ。彼女はまるで太陽だ。俺の道を照らしてくれる。

 DPOにログインした俺は、ギアテイクメカニクルでクインと出会う。そして、なし崩し的にクエストを手伝うことになった。何故か俺がいないと受注もできないクエストで、クエストに行ってみるとプロトタイプがいた。システムは氷霧を通じて俺とクインが出会うことを想定してたのだろうか?

 とにかく、このプロトタイプとの想定外の出会いで俺がゲーマーらしくクエストクリアに全力を尽くすことが決定した。

 レジーヌのクエストはクリアするとレアアイテムをたまに手に入れられるらしいが、そのレアアイテムは出現率がやたら低くて、クイン以外は諦めたらしい。

 なんとかプロトタイプに勝利した俺とクインだが、俺がプロトタイプに連れ去られてしまった。

 すぐ氷霧が助けに来てくれた。プロトタイプを追い詰めたが、フロッグドラゴンが現れて戦いは中断させられた。

 みんなのトラウマと(別の意味で)恐れられるフロッグドラゴンは、プロトタイプにあるトラウマを植え付けていた。プロトタイプはこいつに仲間を奪われたのだ。

 俺達は協力してフロッグドラゴンを討伐、プロトタイプも俺を許し(?)一件落着。これで俺に用意されたイベントは終了した。

 しかし、現実世界にはまだイベントがあった。体育祭だ。

 その前日、夏恋の妹、上杉冬香がいきなり訪れた。サイバーガールズの赤野、彩菜もついてきた。赤野は絶対スカーレットだと思うんだよね。

 体育祭当日はデュエルしたりで楽しかったな。彩菜が不穏なこと言ってたけど、エディの証言とあわせると意味することはわかる。多分来るんだろうな、エディ。

 果たして、エディは本当に来るのだろうか。そして俺の人生最後になるであろう夏は始まった。

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