番外 アニメキャラの追悼って?
日本では時折、アニメキャラの死を悼み葬式が行われる。代表的なものが、『あしたのジョー』の力石だ。
現在はネット上で度々、小規模であるが追悼イベントが催される。
注)ネタバレあり。ガンダムAGEを録画してる人は全部見るまでこの番外を読まないように
プレイヤーマンション 式場
「今日は、集まっていただきありがとうございます」
プレイヤーのマイルームがあるプレイヤーマンション、そこには式場がある。プレイヤーがゲーム内の通貨を払って借りることが出来る。
そこで大勢のプレイヤーが集まってイベントをしていた。どうやら葬式のようだ。しかし、遺影にはアニメキャラの画像が入れられている。
「今回は、ユリン・ルシェルの……」
「ガンダムのヒロイン?」
喪主を勤めていた墨炎にカレンのツッコミが入る。珍しくカレンがツッコミに回った。
説明しよう! ユリン・ルシェルとは、機動戦士ガンダムAGEのヒロインである!
「なんだよ、知らなかったのか?」
「別のアニメだと思った……! ガンダムは人が死にすぎなの!」
「イデオンとか他の富野作品見てみろ。全滅エンドなんて当たり前だ。今回は監督が富野じゃないからか、さほど死んでないだろ?」
墨炎は一旦、カレンとの漫才に区切りを付けた。今はユリン追悼を優先させる。ユリンも強いられていたのだ。
「今回は、ゲストとして……」
「フリット君は来ないよね。フロントワールドじゃあるまいし」
墨炎がゲストの名前を呼ぶ。カレンはガンダムAGE主人公のフリットが来ると思ったが、この小説は級長の書いた某無理のある二次創作ではない。詳しく知りたい方はこの小説の作者である級長をユーザー検索していただくとよいかと。
メタ発言はこのくらいにして、ゲストの姿を描写しよう。ゲストが姿を現したのだ。
紺色の浴衣に、白髪。白髪は左目を隠している。右にはガンダムのお面を横がけしている。銀色の瞳が、キョロキョロと来客を向く。女性アバターだ。
「攻略グループ『惑星警衛士』サブリーダー、氷霧さんです!」
「ガンダムAGE関係ない! しかもそのお面、Mk−Ⅱだし!」
氷霧が付けてるお面はガンダムMk−Ⅱ。しかもティターンズ仕様の紺色。浴衣とあわせて完全にティターンズを意識している。
「来た」
「では、挨拶を」
「こんにちは」
「故人との思い出を」
「特にない」
「おい!」
カレンが一連の、氷霧と墨炎のやり取りに突っ込む。せっかく呼んだゲストが、故人との思い出も語らないとはこれいかに。
「なんで呼んだの! 氷霧も本編登場前に!」
「いや、俺だけじゃ葬式の進め方わからないし。それに氷霧は装備違うからビジュアル的にオッケーってことで」
墨炎、遊人としては葬式に一回も出たことがないので進行がわからないのだ。それを補うため、氷霧やカレンを呼んだのだ。
「では、進めるぞ」
墨炎はそのまま進めた。とりあえず、お供えをしようと思い立った墨炎はある重大な事実に気がつく。
「好物がわからん」
「え?」
「いや、ユリンってさ、そういう描写皆無なんだよ……。あ、ならなんか緑のもんでもいれとけ」
墨炎はフリットをイメージしたのか、ブロッコリーをお供えした。フリット=ブロッコリーみたいな感覚がみんなに植え付けられるのではとカレンは内心ヒヤヒヤした。
そこにドーン、と式場の後ろにある扉から人が現れた。赤みがかった茶髪をポニーテールにした、タバコを加えた女性アバターだ。黒いライダースーツに身を包んでいる。
「クイン」
氷霧がアバターの名前を呟く。知り合いのようだ。氷霧とクインは本編登場前に、私服ビジュアルで登場していただいた。
そんなクインはお供えされたブロッコリーを見て言った。
「新しいガンダムの主人公はブロッコリーだったのか?」
「早速かい!」
カレンが恐れていた事態が最速で訪れた。
次回予告
クラスメイトに墨炎の服装を指摘された俺、遊人はプレイヤーマンションの服屋に足を踏み入れた。
そこで大規模攻略グループのサブリーダーに出会った。彼女の名前は氷霧。奴のパートナーになるには、ナイトって側近を倒すことが条件らしいな。
その程度、俺が越えられぬとでも?
次回、ドラゴンプラネット。『騎士団の氷霧』。その心、解き放て!