本当の姿 2話
公園
ベンチに座る亜優歌
雄大が走ってくる
雄大 はい。
優大が濡れたタオルを差し出す
雄大 ほら、早くしろ。顔、傷残ったらどうすんだよ。
亜優歌 別に。
雄大は亜優歌の顔にタオルを当てる
亜優歌 余計な事してんじゃねぇよ。
雄大 亜優歌・・・ちゃんの顔に傷が残ったらイヤだもん。
亜優歌 キモい事言ってんじゃねぇよ。・・・何で?助けたわけ?あんなしょぼいやつらなら
あたしだけで充分だから。
雄大 ケンカが強かろうと助けるよ。傷つくの見たくないから。
亜優歌 自分だってケガしてんじゃん。
雄大 俺は大丈夫なの!大切な人守るには体をはるのが普通でしょ?
亜優歌 バカじゃねぇの?
雄大 バカでもいいし。
沈黙の二人
亜優歌 なぁ、何であいつらあんな事言ったか聞かねぇの?
雄大 あんな事?・・・なんだっけ?
亜優歌 ・・・
雄大 信じたいじゃん。好きなやつの事くらい。過去がどうであろうと他のやつらがなんて
言おうと、俺は今見てるのだけ信じたい。意味わかる?
亜優歌 ・・・わかんねぇ。
雄大 だよな。まぁ、俺もそう思いたいだけかもしんないけど。
亜優歌 ・・・ありがとう。
雄大 えっ・・・?
亜優歌 いちお助けてもらったしさ。
雄大 お、おう。
亜優歌 じゃあ、あたし帰るわ。
亜優歌は立ち上がる
雄大も立ち上がる
雄大 送っていくよ。
亜優歌 別にいいよ。
優大 だって、ほら、また絡まれたらさ・・・
亜優歌 だから!
雄大 うそ。・・・俺が一緒にいたいから。・・・
亜優歌 ・・・わかったよ。
二人で道を歩く
雄大 でさぁ・・・あっ、俺の話つまんなかった?
亜優歌 別に。
雄大 亜優歌・・・ちゃんの事も何か話してよ。
亜優歌 亜優歌。
雄大 えっ?
亜優歌 ちゃん、とかマジキモいからやめて。亜優歌。
雄大 亜優歌?えっ?いいの?
亜優歌 いいよ。別に。
雄大 何か嬉しい。
亜優歌 どこが?
雄大 なんとなく?
亜優歌 幸せな人だね。そんなんで嬉しいなんて。
雄大 亜優歌は嬉しい時はないの?楽しいとかさ。
亜優歌 ない。そういう事考えない。毎日テキトーに生きて何も考えない。
雄大 つまんなくない?そんなの
亜優歌 別に。楽。めんどくさい事に悩まなくていいから。あたしみたいなやつ、あんたとは
違いすぎるよ。本気であたしに気があるなら、傷つかないうちにやめた方がいいよ。
雄大 どういう意味?
亜優歌 あたしん家ここだから。
マンションの前でとまる
亜優歌 じゃあ。
亜優歌は去る
雄大 ・・・