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転生したら最悪の領主で破滅寸前の領地を押し付けられたので内政チートで立て直します  作者: レモンティー


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第二十七話:鉄と泥――圧殺

霧の朝。

視界は悪い。

音が消える。

――戦場としては最悪。

だが。

「だからいい」

レアルはそう言った。


・開戦

北方軍、進軍。

重装騎士。

鉄の塊。

正面から砕くための軍。

老将軍・ヴァルクが吐き捨てる。

「真正面しか知らねぇ連中だ」

若き戦術家・エリオが冷静に言う。

「防御は高いですが――機動力が低い」

ミディア。

「なら、“近づかせない”のが最適です」

レアル。

「ああ」

一拍。

「削れ」


・第一段階:足止め

戦場は平原ではない。

泥濘。

湿地。

沈む足。

鈍る速度。

「進め!」

だが進まない。

「……地面が重い?」

北方騎士が違和感を覚える。

それもそのはず。

前日。

水門が“偶然”開かれていた。

老将軍・ヴァルクが笑う。

「足を殺したか」

レアル。

「速度=命だからな」

老将軍・ヴァルク

「もう半分死んでるな」


・第二段階:弓の雨

「今だ」

合図。

――ヒュン

最初の一矢。

「……?」

次の瞬間。

ヒュン、ヒュン、ヒュン!!

空が鳴る。

「弓だ!!」

霧の中。

見えない位置から。

一方的に降る矢。

▶ 高所配置の長弓兵

▶ 霧を利用した視界外射撃

▶ 退路にも矢

若き戦術家・エリオが息を呑む。

「……位置が読めない攻撃ですね」

ミディアが補足する。

「射撃点を分散させています」

若き戦術家・エリオ

「これだと反撃不能ですね」


・消耗

カン、カン、ガン!!

鎧に弾かれる音。

だが。

「ぐあっ!!」

関節。

首。

隙間。

重装騎士は“無敵ではない”。

「盾を上げろ!!」

だが。

盾を上げれば進めない。

進めば当たる。

レアル。

「選ばせるな」

矢が止まらない。


・心理崩壊

「どこからだ!?」

「見えない!!」

「隊列が崩れる……!」

恐怖は“見えない攻撃”で増幅する。

老将軍・ヴァルクが低く言う。

「いい削り方だ」


・第三段階:分断

「今だ」

小隊が動く。

▶ 側面から短弓

▶ 背後から攪乱

▶ 退路に射撃

若き戦術家・エリオ。

「完全に……包囲ではなく“分断”できています」


・第四段階:錯覚

霧。

足音。

角笛。

「囲まれている!!」

違う。

“そう思わせているだけだ”

ミディア。

「敵指揮、混乱」


・第五段階:止め

「中央を抜け」

領軍の精鋭が動く。

今回は突撃ではない。

「射て」

至近距離。

集中射撃。

鎧の隙間に。

顔に。

喉に。

「が……ッ」

老将軍・ヴァルク。

「……徹底してるな」


・崩壊

もう隊列はない。

▶ 指揮崩壊

▶ 士気崩壊

▶ 判断停止

「退け!!」

だが。

退路にも――矢。


・終局

戦場は、もはや戦場ではない。

一方的な処理。

老将軍・ヴァルク。

「追うか?」

レアルは首を振る。

「必要ない」

「もう、戦いは終わっている」


・結果

【北方軍】壊滅

【敵損耗】大(遠距離消耗が主)

【自軍損害】極小

【戦況】完全優勢


【レベルアップ】

Lv.8 → Lv.9

武力:84 → 85

知力:72 → 73


・戦後評価

若き戦術家・エリオ。

「……理論を超えています」

ミディア。

「“戦わせない戦い”です」

老将軍・ヴァルクが笑う。

「騎士殺しだな」

レアルは静かに言う。

「効率だ」


・ラスト

霧が晴れる。

残るのは。

倒れた騎士と――

無数の矢。

「次だ」


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