『星の涙』 #7
──というわけで、ふたたび戻って参りました! ご紹介します。歌姫シエラ・ストーム!
──こんにちは。さっき、惑星ポルキアが無事だっていう連絡をいただきました。たくさんのひとが呼びかけに応じてくれたそうです。どうもありがとうございました。
──ほんと、さっきはどうなるかと思いました。あの……ねえ、恐いひとが押しかけてきたときとか。
──うーん、まあ、そこはなんとか切り抜けました。えへへへ。
──シエラさん、ちょっと痩せました?
──ええ。あの──、そうですね、会期も終わったしいいかな。例の事故があったとき、たまたまそこにいたひとに助けられたんです。でも、ちょっと閉じ込められちゃって、助け出されるのにずいぶんとかかっちゃいました。
──あらぁ、そうだったんですか?
──なんだか、うまいこと見つけにくい場所に逃げ込んじゃって……うまいってことはないですけどね。でもね、そのひとが一生懸命励ましてくれたから、なんとか生還できました。
──それって、もしかして惑星ベルカルチャのひとですか? ほら、ポルキアの件はベルカルチャの情報局が関わっていたじゃないですか?
──さあ。でも、やさしいひとでした。
──好きになっちゃいましたか? 極限状態では、お互い惹かれるっていうじゃないですか?
──わたしは……そうですね、極限状態だったから。でも、あのひとはそうじゃなかったです。冷静でした。だから、振られちゃった。
──あらまあ。
──でも、失恋はわたしの歌の原点です。だから、今回の体験をもとにして新しい歌をつくりました。それを、今日は歌わせて頂きたいと思うんですけど。
──初公開?
──もちろん。
──わあ、それは楽しみですね。よろしくお願いします。