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星の女王 ~ソラの物語~  作者: 夏乃市
赤と青の星
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『赤と青の星』 対峙 2

「ちょっと待った──!」

 カン高い女の声がして、大きな地響きと共にソラと男たちの間に何かが降ってきた。

 それは巨大な鉄板だった。垂直に落ちてきた鉄板は大理石の遺跡を砕き、呆然とする男たちめがけてゆっくりと倒れるかかる。

 ソラがその隙を見逃すはずもなく、祭壇を飛び降りると上空を見上げながら走った。

「ディーア!」

「社長──! お迎えにあがりました──!」

 高速移動ヘリコプターが上空から降りてきた。上空五メートル程でロープが放り出され、それを使って、若い男女が降りてくる。ベルカルチャ惑星開発会社のスティーとディーアだった。

「ふたりとも、ご苦労様」

「あちゃー、遺跡壊しちゃいましたかねぇ」とディーア。

「後で直せばいい。それよりも、連中に気を付けて」

 言っている間に、スティーが銃撃戦を開始していた。

「ちィ。できれば遺跡を傷つけるなって、副社長に言われてるのになあ」とスティーがぼやく。

「命が最優先よ。デニスはどこ?」

「お上です」とディーアがヘリコプターを指さす。

「そう。携帯端末を貸して」

「はい」

 ソラはディーアの端末を受け取ると、デニスを呼び出す。

「デニス!」

「やあ、ソラ。久しぶりだね」

「どこまで分かっているの?」

「多分、すべて分かっていると思うけど」

「すぐに手はずは整えられる?」

「こっちは大丈夫だけれど、ルゲナ翁たちがどうかな」

「説得して。チャンスは今しかないと」

「分かった。すぐに調査を開始する。人類以外の知的生命体が作ったなんて証明はできないけれど、宇宙大航海時代以前の遺跡で、どこかから持ってきたものでもないって結果が出さえすればいいわけだ」

「オッケー。あとは、新しい会社をひとつ作るわよ」

「……ああ、それもやるのか。ここは君の星じゃないんだよ?」

「でも、とりあえず銀狐の奴はつかまえてここは潰すから。働いているひとたちのアフターケアにはそれくらいは必要でしょ」

「了解」

 ソラが通話を終えたのを見計らって、スティーが声をあげた。

「連中逃げていきました。どうしますか?」

「勿論、追うわ。でも、このルートはだめか」

 ソラはエレベーターが一機だけの地下を思い出す。

「車!」

「ほいさぁ、用意できてますぅ」

 ヘリコプターに積んできたらしい車の運転席にディーアが収まっている。ソラは素早く車に乗り込むと叫んだ。

「いくわよ!」

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