窓掃除
高校の放課後の教室は、いつも騒がしい。
「有川さーん!…今日ちょっと掃除お願いしてもいい?文化祭実行委員の集まりがあってさあ!!一応代打は頼んであるけど、もし来なかったら、ほんとごめん!」
「うん、大丈夫だよ。」
「ありがと!よろしくね!!」
今、委員会頑張ってねって言えば良かったかも。
私、有川秋葉は高校3年になるがお世辞にもコミュ力があるLJKではない。
いつもクラスメイトに話しかけられては、こうやって脳内反省会を開くほどの地味さだ。
そんな私にとって学校で1番の至福の時は放課後の掃除の時間だ。
「…だって、窓掃除の時は佐々木くんを合法的に眺めるんだもんね。」
佐々木くんは、3年間同じクラスのクラスメイトで、私の片想い相手。
とは言っても高校3年今現在、一度も話したことはない。
それもそのはず、私と彼は仲良しでもないし、なぜか席が近くになったこともなく接点がないから。
佐々木くんはサッカー部のキャプテンで言わずもがなイケメン、そして全員に優しい。
私が彼を好きになった理由は、彼のその一面を見たからではないのだけれど。
とにかく完璧な佐々木くんと私が話すなんて世界線は全くあり得ないのだ。
だからこそ、窓掃除で部活をしている佐々木くんを合法的に見ることができる環境には感謝している。
ありがとう、窓掃除。
ありがとう、窓側にグラウンドがある校舎。
「あれ?今日は佐々木くん、いないな。用事かな?」
「有川さん、お疲れ様。」
「お、お疲れ様です。」
なんで佐々木くんがここにいるの?!
え、代打って佐々木くんだったの?!!!
え!まじか!!無理!!!
高坂さん(文化祭実行委員の女子)ナイスだけど心臓に悪いよ。
とりあえずこの状況苦しすぎるから、手伝ってもらうの断って早く終わろう。
「有川さん、俺何したらいい?いつも部活行ってるから教室掃除あんまりやったことなくて。」
「私がやっておくから、佐々木くんは部活行って大丈夫だよ。」
「悪いよ。」
「ううん、もう窓拭きで終わるから本当に大丈夫だよ。」
「そうなの?じゃあそれだけ一緒にやっちゃお。」
「あ、うん。」
何なのこの神イベント。
私の高校生活で1番のキラキラ時間過ごしてるよ。
「ここって、グラウンドよく見えるんだな。」
「そうだね。」
「いつも有川さんサッカー部見てるでしょ?」
「え?」
「終わったー。じゃ、俺は部活行くわ。」
「あ、うん。お疲れ様。」
「また有川さん部活見ててね。」
「…」
私が見てたの、バレてたのか…
恥ずかしすぎて穴に入りたいです。
初めての小説投稿で、手探りの部分が多いですが頑張ります。
有川秋葉ちゃんのことをぜひ応援してあげてください!




