#018 セレーナVS闇ギルドVSムーンライト仮面!?
「⋯⋯余計な時間を使ってしまいました」
まさかの勘違いで闇ギルドとは違うケモ耳ハウスに行ってしまった私ですが⋯⋯。
うん⋯⋯まあいい店でした。
やはりケモ耳は守護らねば⋯⋯。
そう改めて決意することができただけでも良かったのだろう。
「あの奴隷商人さん⋯⋯闇ギルドじゃなくてケモ耳ハウスの方のスカウトマンだったんですね⋯⋯」
どおりでシェリルさんと知り合いだったはずだ。
今度会った時はまあ優しくしてあげよう。
そんな事を考えながら私はあらためて闇ギルドのある港地区へと向かうのだった。
そして時間はもうすっかり真夜中である。
⋯⋯これもケモ耳が! ケモ耳が私を引き留めるからしかたないんだ!
それに夜中の方が襲撃も簡単だし悪いことではない。
「でもまあ⋯⋯いちおう確認はしないと」
確かめずにぶっ潰した後で実は善良な闇ギルド?でした、とかだと困るからね⋯⋯主に私が。
「よし⋯⋯行くか」
そう私は風の魔法を使って音を消してその建物に忍び込んだのでした。
⋯⋯そこで見たものは!?
鎖でつながれて⋯⋯鞭でうたれた跡のある獣人族の奴隷たちでした。
みんな死んだ目をしてるか寝ているかです。
「ひどい⋯⋯こんなの許せない」
でももうちょっとだけ確認してからだ⋯⋯。
そう私はいかにも偉い人が住んでそうな最上階を目指すのだった。
するとまだ室内から明かりが漏れている部屋があった。
「ここかな?」
そこではスキンヘッドにアイパッチのいかにもゴロツキのおっさんが部下らしき人達と話し合っていた。
「親分! 本日の帝国から入荷した奴隷ですが──」
「ふふふ。 帝国さまさまだぜ! こうやって儲かってしかたないのはよ! まあ上納金がちょいと高いけどな⋯⋯がははははっ!」
⋯⋯なるほど、帝国と裏で繋がっているというのは本当でしたか。
知らなかった⋯⋯。
こうやって帝国はあんなにも可愛いケモ耳たちをこうして奴隷にして売りさばいていたなんて!
⋯⋯許せん!
「そこまでです!」
「そこまでです!」
私はドアから殴り込みをかけた!
⋯⋯って、あれ!? もう1人いる!
なんと私と同時に金髪のエルフが窓を突きやぶって部屋に侵入してきたのだった!?
「なんだあ!? てめえらっ!?」
そうハゲも驚いている。
まあ私もなんだけど⋯⋯。
「セ、セレーナ!? 何でここに!?」
「私の名を知っている⋯⋯? あなたは一体?」
その金髪エルフは覆面をしているので顔がわかりません。
ですが、その特徴であるとんがった耳はエルフ族の何よりの証拠です!
⋯⋯すっかり人の特徴を耳から見るようになったなあ私。
「わ⋯⋯私は。 ⋯⋯⋯⋯そう!
月は何でも知っている⋯⋯。
闇夜にうごめく悪を照らす正義の味方!
人呼んで! ムーンライト仮面!
⋯⋯さあ、オシオキの時間ですわ♡」
か⋯⋯かかかっ⋯⋯⋯⋯カッコいい!
なんですかこの変態レオタードの覆面エルフのお姉さんは!
なんかすごいえちえちなのに決めポーズがいちいちカッコいい⋯⋯。
「ムーンライト仮面⋯⋯正体はいったい?」
「⋯⋯秘密ですわ」
たしかに! 正義の味方の正体はヒミツというのはお約束!
「私は⋯⋯私は! ⋯⋯⋯⋯セレーナです」
なんかカッコいい名乗りを上げたかったが思いつかなかった⋯⋯くそう!
今度までになんか考えとかないと!
「闇ギルドの首領ハーゲス! あなたの悪事もここまでですわ!」
「じゃあムーンライト仮面もこの闇ギルドをぶっ壊しに?」
「セレーナも⋯⋯ですか?」
そう私とムーンライト仮面は見つめ合う。
「て⋯⋯てめえら! いつまで好き勝手にしてやがるんだ!」
そうハーゲスが怒鳴るが。
「いままで好き勝手に獣人族を食い物にしてきたのはあなた達でしょう! それももう終わりですがね!」
「おお! 目的が一緒ですムーンライト仮面! 私も手伝います!」
「⋯⋯ほどほどにお願いしますね、セレーナさん」
「おっしゃあ! ほどほどに壊滅させちゃいますよ!」
気合一発! 私の放った圧縮空気弾の魔法が壁を突き破りハーゲスを中庭に突き落とした。
「やったね!」
「⋯⋯あいかわらずですね、セレーナは」
そうムーンライト仮面が言います。
「お! お頭~!?」
そうハゲの部下が駆け寄ると⋯⋯あ! まだ生きてますねえハゲ。
やはり悪人はしぶとい⋯⋯。
するとそのハゲと部下Aに次々と獣人たちが襲い掛かった!?
「あれは! さっき監禁されていたケモ耳たち!」
「どうやら終わったようですわね」
そうムーンライト仮面が指さす先には⋯⋯。
なんかいっぱいムーンライト仮面が居た!?
「あれは一体⋯⋯?」
「私の仲間ですわ。 この獣人族の奴隷解放レジスタンス『月明かりの戦乙女』のメンバーです!」
「⋯⋯ワルキューレ? かっこいい」
よく見ると覆面で顔を隠した彼らですが⋯⋯その見えるケモ耳だったりエルフ耳だったりと亜人族で構成されたメンバーだとわかる。
つまりこの人達は同族の奴隷を開放する同士なのでしょう。
「⋯⋯あの! ムーンライト仮面さん!」
「ぎくぅ!」
なぜかコソコソと出て行こうとしていたムーンライト仮面を私は呼び止めました。
「どこへ行くのですか?」
「⋯⋯次の戦場へ。 まだ私達の助けを待っている同士は大勢いるのだから」
覆面で顔は見えませんが⋯⋯その瞳には燃える闘志と漲る決意を感じました。
「そうですか⋯⋯それではご武運を」
「ええ⋯⋯じゃあそういうことで! とおっ!」
そう華麗に去っていくムーンライト仮面を見送った私でした。
⋯⋯あれ?
「なにか落ちている? ⋯⋯これは!」
そこに落ちていたのはなんとムーンライト仮面のマスクだったのです!
「あの人の予備⋯⋯でしょうか? ⋯⋯⋯⋯はっ! そういうことか!」
私は悟りました!
「私も同士だと⋯⋯そういう事なのですね、ムーンライト仮面!」
そうです!
あれだけ沢山のムーンライト仮面が居たんです!
こうやって見どころのありそうな人を勧誘してたに決まっています!
「⋯⋯装着! ムーンライト仮面!」
私はそのマスクを付けた!
するとその時、下の方で逃げ出そうとしているハゲが見えました。
「くくく。 悪の残り火⋯⋯すべてここで根絶やしにしてくれる! とおっ!」
私も窓から飛び降りて⋯⋯地面に着地しました。
さすがに風魔法で落下速度は調節しましたが⋯⋯。
「逃がしませんよ。 ケモ耳の敵⋯⋯ここで消えろ!」
「なんだと! この頭のおかしいバカのせいでこの俺様がこんなところで終わってたまるかっ!」
⋯⋯ぷちっ!
「セレーナ改めムーンライト仮面2号⋯⋯参上! 必殺のモーニングスター・ストライ~ク!」
私は護身用に持ち歩いているモーニングスターでハゲを成敗しました!
「終わった⋯⋯のかな?」
その時でした!
建物のあちこちから火の手が上がり⋯⋯燃えていきます。
どうやらムーンライト仮面戦隊の皆さんが火をつけたのでしょう⋯⋯悪を完璧に焼き尽くすために。
「さて⋯⋯帰りますか、私も」
そろそろ街の自警団が来るでしょうし⋯⋯見つかる前にオサラバです!
「それにしても⋯⋯あのムーンライト仮面は誰なんでしょうね?」
人知れず正体を隠して戦う正義の味方なのは間違いありません。
きっとこれからも悪を滅ぼして弱きを守るのでしょう。
負けるなムーンライト仮面!
戦え! ムーンライト仮面!
悪が滅びるその日まで!
「これでこの街でのルナちゃんの安全は大丈夫でしょう。 ⋯⋯いつかこのご恩はお返ししますね、ムーンライト仮面」
こうして私はルナちゃんとカイルの待つ宿に戻るのでした。
⋯⋯そして。
「ただいまー」
「どこに行ってたんだセレーナ! 心配したじゃないか!」
「ごめんなさいカイル⋯⋯」
この夜遅くまで起きて待っていてくれたカイルに思いっきり叱られる私でした⋯⋯反省。
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