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月光の聖女幻想記~追放聖女セレーナと未来の勇者たち~  作者: 鮎咲亜沙


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#014 セレーナ達の奴隷救出作戦!

 私たちはシェリルさんの案内で森の中の岩場へと向かった。

 ⋯⋯すると?


「居ますね、ゴブリンが」


 なんか子供の背丈くらいのゴブリンがいっぱい居たのだった。


「どうしますカイル?」


「うーん? これがただのゴブリン退治だったら、あの洞窟の入り口で待って出てきたゴブリンを1匹ずつ仕留めればいいんだけど⋯⋯」


「それだと時間がかかるね」


 今回は救出作戦だからあまり時間はかけたくない。


「おいお前、奴隷の子って女か?」

「ああそうだ」


 女の奴隷か⋯⋯。

 その場合ゴブリンの巣穴でひどい目に会わされている可能性もある。


「とりあえず⋯⋯あの周囲のゴブリンまとめて始末しますね」


 そう私の怒りのこもった攻撃魔法がさく裂した!


「ギギッ!? ギャーッ!」


 あっという間に血だるまになって吹き飛ぶゴブリンたちだった。


「ふー、やるねえセレーナは」


「行くよカイル!」

「おい待てよ! 先に行くなセレーナ!」


 私達はこうして洞窟に突入するのだった。


「お⋯⋯俺は行かねえからな!」


 あの奴隷商人を置いて。




 洞窟に入るとカイルが先頭になった。


「ほれカイル」

「ありがとシェリルさん」


 カイルはシェリルさんが渡した松明を受け取る。

 準備がいい人だな、さすがギルドハンター!


 そしてゴブリンがカイルに襲い掛かる!


「やられるか⋯⋯よ!」


 左手の松明で牽制し右手の剣でゴブリンをやっつけるカイルだった。


「やるねえカイル」

「このくらいわけないさ!」


 そう返事をして先を急ぐカイルだった。


 洞窟の通路を曲がると⋯⋯まっすぐな道になる。

 その奥から数匹のゴブリンが襲い掛かる!


「カイルまかせて! エアロカッター!」


 私の風魔法がゴブリンを襲う!

 すぐに粉みじんになるゴブリンだった。


「⋯⋯よし!」

「セレーナって回復職(ヒーラー)だって聞いてたんだけど?」


 なぜか引いているシェリルさんだった。


「シェリルさんは怪我するような戦い方したいんですか?」

「あーうん。 いいね、その戦い方は」


 その通りだ。

 攻撃魔法で怪我人を減らせば魔力のコスパもいいのだ。

 ⋯⋯じゃないと私1人で担当する怪我人が増えまくるという、過去の経験から学んだ先手必勝な私の基本戦術である!


「行くぞセレーナ!」

「わかったカイル!」


「おい待ちな! あわてるな!」


 そう私達についてくるシェリルさんだった。


 そして何度かゴブリンに遭遇しカイルの剣や私の魔法で殲滅する。

 そして怪我人は無し! 最高の戦果である。


「⋯⋯私、出番が無いんだけど?」


 なぜかつまらなさそうなシェリルさんだった。


「じゃあ次出たらシェリルさんが倒しますか?」

「いや⋯⋯まあその状況次第で」


 まあハッキリ言って油断さえなければ私とカイルだけでも、ここのゴブリンくらい相手にならないザコだった。

 しかし熱くなる私や前衛のカイルの代わりに冷静に戦局を俯瞰して見てくれているシェリルさんの存在がありがたかったのは事実である。


「急ごう!」


 そう言うカイルが曲がり角を曲がったその時だった!

 突然! ゴブリンが飛んできた!?


「グギャ!?」


 べちゃ⋯⋯と壁に激突して死んだゴブリンだった。

 ⋯⋯なに今の?


「あれを見ろ!」


 その原因はあの子なのだろう。


「グルルル⋯⋯キシャー!」


 奇声を上げてゴブリンに襲い掛かる少女が居た!


 私と同じ銀色の髪の毛。

 そして人間じゃない狼の耳の女の子!


「あの子が奴隷の子!?」

「みたいだね!」

「あのケモ耳は銀狼族じゃないか!」


 そうシェリルさんはギルドハンターらしい見識である。

 しかしそれよりも!


 その少女は戦っていた⋯⋯たった1人で。


「どうやらあの子の拘束をゴブリンが解いたら反撃された⋯⋯って、ところみたいだな」


 そうシェリルさんが分析する。


 その奴隷の少女は銀狼族である。

 銀狼族ってのは人間よりもはるかに強い肉体を持った種族らしい。

 それを証明するように素手でゴブリンを殴り投げ飛ばし⋯⋯そして噛みつく女の子だった。


「危ない!」


 そう叫んで女の子の背後を襲い掛かろうとしたゴブリンを斬るカイル。


「ヒール!」


 私の治癒魔法がおそらくゴブリンによって乱暴に手足の拘束を解いた時に怪我したであろう少女の傷を癒す。


「ほえ?」


 それまでの荒々しい少女とはうって変わったキョトンとした少女だった。

 ⋯⋯そのときの耳がぴょこんっとなった仕草があまりにも可愛すぎるっ!


「きゃわいい!」

「セレーナ危ない!」


 よそ見した私の背後から襲い掛かるゴブリン!?


 しまった⋯⋯油断した! ケモ耳が! ケモ耳が私の判断を狂わせたんだ!?

 ⋯⋯しかし!


「あじゃっ!」


 そう叫んだ可愛いケモ耳少女が私を助けてくれた!


 自然と私とゴブリンの間に立って牽制する少女⋯⋯。

 きっと本能的に敵と味方を判断したのだろう。


「そう! 私達はあなたの味方だよ!」


 そして私は風魔法で残ったゴブリンで全滅させるのだった。


「だからさ⋯⋯私の出番⋯⋯」


 まったく見せ場の無いまま終わったシェリルさんであった⋯⋯。




「もう大丈夫よ」


 そう私はその銀狼族の少女に近づく。


「おい大丈夫かセレーナ?」

「気が立っている銀狼族にうかつに近づくな!」


 そう2人が言うが私は聞かなかった。


 そしてゆっくりと歩いて私に近づくケモ耳少女⋯⋯。

 なんか少しフラフラと歩いている?


 でも尻尾が必死にバランスを取ろうと動いている⋯⋯きゃわ!


「あっ」

「あぶないっ」


 ふらつき倒れそうだった少女を私は抱きしめた。

 小さくて柔らかい⋯⋯そして暖かい少女だった。


 抱きしめた時、その少女の体にビクンと緊張が走ったのを感じた。

 もしかすると噛まれるかも? そう思ったがまあ噛まれたくらいいくらでも治せるしべつにいいや。


 でも⋯⋯噛んだりしなかった、この子は。


「⋯⋯ペロ」

「ほえっ!?」


 舐められた!? 私のほっぺをこの子が舐めたあああああ!?


「⋯⋯うへへぇ」


 あっという間に警戒を解き思いっきり少女を抱きしめる私だった。


「なんか大丈夫そう⋯⋯だな?」

「銀狼族の⋯⋯しかもこんな子供がすぐに懐くなんて珍しい。 ⋯⋯⋯⋯いいなあ」


 なんか2人が言ってるけど、どうでもいいや。

 そんな時だった。


「⋯⋯ママ? この味はママの味だ!」

「ママ~!?」


 そう少女に言われて混乱する。


「セレーナ!?」

「まさか本当に!?」


 なんか疑い混乱する2人を見て私は⋯⋯。


「はい、私の子供です!」


 そうドヤ顔で思いっきり宣言してしまう私だった。

 だって私と同じ銀髪だし⋯⋯実質これは私の娘に間違いない!


「いや⋯⋯ありえないだろ」

「だよなあ⋯⋯」


 ちっ⋯⋯勘がいい奴らめ。


「じゃあ生き別れの妹でもいいです!」


 そうなんとか言いくるめようと足掻く私だった。


「まあ話は後で。 いったん外に出よう」

「そーだな」


 こうして私達は洞窟から外に出るのだった。

 その間ずっと私はこの子と手を繋いで歩いていたのだった。




 そして外に出ると⋯⋯。


「お⋯⋯おお! 無事だったのか!」


 そう私達⋯⋯いや銀狼族の少女に近づく奴隷商人だった。

 そして私の影に隠れるケモ耳少女⋯⋯。


 この子の手が、私の手を強く握る⋯⋯。


「近づかないでください。 この子は私が拾ったんです」

「はあ? ふざけんな! 俺の商品だぞ、返せ!」


 誰が返すもんか! この子はもう私のだ!


「この子は奴隷の子じゃありません! あの奴隷らしき少女はもう私達が駆けつけた時にはゴブリンに食べられてて⋯⋯よよよ」


「嘘ついてんじゃねえぞ! 見りゃわかるわ! ソレが俺の奴隷だって!」


 ⋯⋯っち、騙されなかったか、ならしかたない。


「⋯⋯じゃあ貴方はさっきゴブリンに殺された⋯⋯という事にしましょう。 そうしましょう」


 これはナイス考えである。


「てめえ! 俺を殺す気だとお!? じょ、冗談だろっ!?」


 私は本気だよ? なんで逃げるかなあ?

 そして助けを求めるような奴隷商人にカイルは。


「俺にセレーナを止められるとでも?」

「⋯⋯こ、殺される!?」


「あ⋯⋯逃げた」

「まあしょせん根性のない奴隷商人さ、あいつは」


 そうシェリルさんが言った。


 まあどうでもいいやあんな男は。

 それよりも⋯⋯。


「大丈夫だった? あなた名前は?」


 そう私が聞くと。


「名前⋯⋯ない。 ママがつけて」


「私がつけていいの?」

「うん⋯⋯ママがいい」


「当然のようにセレーナがママとして話が進んでいくなあ⋯⋯。 ほら嬢ちゃん! シェリルママですよー」


 そうオトナの包容力 (物理) で、ケモ耳幼女を篭絡しようとする汚い大人のシェリルさんだった。


 やかましいシェリルさん黙れ! この子が私をママだというのなら私がママなんだよ!

 なぜそれがわからない?


 それに⋯⋯私にはわかる。

 髪の色が同じ銀色だとかそんな事じゃない。

 もっと根源的なレベルでこの子が私の娘だと私の本能が言っているのだ。

 だから私がママでいいじゃない!


「私がセレーナだから⋯⋯」


 私の名前は月の精霊からとって名付けたものだろう⋯⋯だから。


「ルナ。 あなたの名前はルナよ」

「ルナ? それが私の名前?」


「そうよルナ」

「ママ~!」


 そして私の胸に飛び込んでくるルナだった。

 こうして私セレーナは⋯⋯ルナちゃんのママになりました!

お読みいただき、ありがとうございます。

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