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ある少女と、編入生。

「ウェルド・リースベルトです。宜しくお願いします」


 人好きのするような笑みを浮かべ、教師に紹介されて自己紹介をしている彼は編入生らしい。新入生になってそんなに経っていないこの時期に編入生だなんて珍しい。


 黒髪黒目の彼は元日本人として馴染み深い色をしていて少し懐かしい。教師に言われるままに席に彼が着いたと同時に授業が始まった。



 授業が終わるとクラスの半数以上が彼の近くに近付き話しかけに行っていた。そんな時にも笑顔を浮かべている彼の外面はすごいと思う。


「ランペちゃん、ランペちゃん!ランペちゃんは話しかけに行かないの?」


 ランペちゃんを三回連呼したルクスちゃんは笑顔で話しかけてきた。確かに殆どの人が話に言っている中で私が行かないのは不自然に思われるかもしれない。何だかんだ言って私も横並びが好きな日本人なのだ。


「⋯私も行こうかな」


 その返答にパアッと顔を明るくさせたルクスちゃんは私の手を引き、その編入生の近くに歩み寄った。周りには人が多くて近付く事は出来ないけれどこれで良いのだ。話しかけて目立つのも面倒だし。


「ちぇー⋯ここまでしか近付けないかー」


 残念そうにそう言うルクスちゃんの背中を擦って慰めると、「戻ろうかなぁ⋯」としょぼんとした様子で言ったため、激しくそれに同意した。トボトボと席に戻るルクスちゃんを追い駆けようと振り返る前に一瞬だけ編入生の方に視線を向けた。


 その瞬間、人と人との隙間から彼の顔が見え一瞬だけ目があった。その視線はどこか人を探るようなものだ。


(何事⋯?)


 疑問には思ったものの、それを問いただす事はしなかったし出来なかった。




■■■■


 数時間の授業を終え、昼休憩の時間がやってきた。やっと休憩だ、と羽を伸ばせると思ったのも束の間、ルクスちゃんが正面にやって来た。


「ランペちゃん!お昼一緒に食べよー!」


 いつも一緒に食べているから聞く必要あったか、と思いながらも了承の言葉を伝えようとした瞬間ルクスちゃんの横から編入生が現れた。




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