ある少女の、怒り。
まとめると、お嬢様諸とも断罪されたあの日の翌日にはその平民の聖女候補カラナ・エルファールと婚約を結んでいたらしい。
そもそも我々が断罪されたのはお嬢様が毒を盛ったからだったのだ。毒を飲んで危篤状態になっていた筈の皇太子が何故、婚約なんてものを出来たのか、それはつまり危篤では無かったという事だ。
となるとお嬢様が毒を盛ったのかどうかも怪しくなってくる。本当にお嬢様が毒を盛っていたとしたら皇太子は一日で毒をくらった状態から回復したという事だ。皇太子には毒耐性がありました、なんて設定が合ったら不可能では無いがそんなチート設定は無かった筈だ。
「⋯つまり、私の命はそんな恋愛騒動か陰謀か何かのせいで消されたってこと?」
「⋯うん、そうなる。」
今まで生きてきた中で一番腹がたったし、呆れた。腹が立ったのは皇太子やその聖女、お嬢様に。呆れたのはこの世界だ。昔から貴族の平民に対する差別や偏見が強い所があるのは知っていたし、身にしみていた。
けれど、こうも命を塵のように使われるのは許せないし、恐ろしい。思えばお嬢様付きの侍女、貴族の人達はあの断罪の時にいなかった。私もそれどころではなく気付いていなかったけれど、ラテルが調べた情報ではあの時に殺されたのはお嬢様やその家族、そして平民の使用人だけだったらしい。
金や身分、そんなもので命の価値すら決められてしまうこの世界に、呆れて失望して、絶望した。
「⋯ラテル。」
「⋯何?」
硬い表情でこちらを見つめるラテルは確実にここにあって、生きている存在だ。この子が誰かに殺されたり、平民だからと同じ様に殺されてしまったら、有り得るかもしれない未来だけど、絶対に考えたくない未来だ。
「私は、平穏に、皆でもう少しだけ安心出来る世界になって欲しい。そのために、今度はあんな理不尽な断罪を無くしたい。⋯だから、手伝ってもらえる?」
今まで何度も助けてくれたラテルは、きっとこの後の返答だって断るものでは無いのだろう。けれど今は殆ど私の私情で動いている様なものだ。だからきちんと聞いておきたいと思った。
「⋯もちろん。それに姉ちゃんがやらなくても僕だけでやるつもりだったから。これはね、手伝いって形ではあるけど、僕の意思でもあるんだ。だから、僕の方からも頼みたかった。」
にっこりと微笑み、頼りがいのある表情をしたラテルは本当に強い人だと思う、だからこそ私もしっかり強くなりたい。そう思い、「うん。」と小さく返した。
諸事情あり、投稿出来てませんでした。
すみませんでした!




