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ある少女の、試行錯誤。

 呼びかけに応え、ルクスちゃんが出ていったほうに向けていた視線を今度はラテルの方へと向け直した。ラテルは少し俯き、目を伏せていた。


「⋯伝えるか少し迷ってたんだけどさ、⋯あのルクスって人の噂、前の時に聞いた事があったんだよ。」


「え⋯?」


 前の時、というのはきっと一周目の事なのだろう。それよりも何故ラテルがルクスちゃんの噂、というものを聞いたのだろうか。⋯そもそも噂とは?ルクスちゃんは学園に通ってる普通の少女のはずだ。


「⋯あの人は、訪れるかもしれない未来での反貴族勢力の裏組織長。⋯昔、記事で見た写真よりは幼い姿をしていたけど、その事実だけは確かだよ。」


 ⋯私の頭の中には二つの疑問がある。一つは反貴族勢力とは?という事。もう一つは全体的にどういう事ですか?という事。つまり、言っている事を理解しきれていない。


「⋯ルクスちゃんって15歳だったはずだよね?その、反貴族勢力?っていう組織の長にしては幼すぎない⋯?」


 ラテルの言う事を信じないわけでは無いが、単純に疑問があったし、まさか新しく出来たお友達がそんなすごい存在と言われたら正直驚く。


「あぁ、僕が見た時はあの人確か、18?だったはずだよ。時間を戻すちょっと前の事だったから多分あってると思う。」


 18歳?⋯となると三年後っていう事だろうか。


「⋯そういえば私が死んだ後ラテルが何年ぐらい生きてたのか聞いてなかった。」


「そうだっけ?きっかり三年だよ。」


 私はよく肝心なことを忘れるし思いつかない⋯場合によっては困るから直さないとだ。


「それで話を戻すんだけどさ、僕あの頃は一応反貴族勢力と敵対してたんだよね。直接的に対峙した事は無かったけど話には聞いてたし。⋯だから正直まだ信用しきれないというか、⋯姉ちゃんの友達っていうのは分かったるんだけど、」


 言いづらそうにラテルは言った。確かに私が同じ立場だったら同じ様に感じるだろうから仕方がない事だろう。とはいえ私の本心としてはもう少しだけ仲良くして欲しい。


「⋯うん、わかった。ルクスちゃんの事は一端気にしないで。⋯でもラテルのペースで良いから疑い、というか信用出来るって思えてきたらもう少し態度は変えてね。ルクスちゃんにも悪いし。」


「うん、わかってる。」


 ⋯とはいえ反貴族勢力というのは何なのだろうか。名前の通り貴族に対しての反乱か何かの組織なのだろうか。でも、どうしてそこにルクスちゃんが⋯?





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