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ある少女の、授業

 それぞれ教室に戻れと指示を出されていたため、ラテルに別れを告げ教室へと戻った。そうして大きな扉を開けて中に入ると登校時のときとは違い、殆どの生徒が数人で集まって談笑をしていた。


 時間も経ち、交友関係も築かれてきたのだろう。その人々の隙間を抜けながら何とか自分の席まで戻ると隣の席にルクスちゃんが座っていた。先程の眠そうな姿とはうってかわり、ソワソワとした様子だ。


「ルクスちゃん、どうかしたの?ソワソワしてるけど」


 席に座りかけながら声を掛けると私の存在に気付き、こちらにパッと顔を向け、申し訳なさそうな表情を向けてきた。


「ごめん!ランペちゃん!!私寝ぼけてて、置いてっちゃった⋯本当にごめんね」


「ううん、良いんだ。ラテルと帰ってきたから。」


 そう伝えるとルクスちゃんはホッとした表情で胸を撫で下ろした。その後、少し談笑をしていると大きな扉がゆっくりと開いたのを視界の端に捉えた。その事をルクスちゃんに伝え、姿勢を整えていると他の人々も席に戻り始めた。


「⋯皆さん席に着きましたね。それじゃあ話を進めますよ。」


 教卓に持っていた物を置き、先生は話を進めた。話の内容はこの学園についてとこれからの日程など、特に特別な事も無く終わった。今日は午前授業らしく授業が一時間あるらしい。入学当日から授業があるというのは随分と忙しいと思った。


 とはいえ決まり事だから変える事も出来ないので普通に授業を受けた。とはいえ授業の内容はそんなに難しいものでは無いため気を張る必要は無い。


 ただ一つ思ったことは授業スピードが速いことだ。予想ではもう少しじっくりと時間を掛けて勉強していくものなのかと思っていたのだけれど、着々と進む授業内容には少し驚いた。


 確かにこのハイスピードでは、振り落とされる人間も出てくるかもしれないなぁ。なんて事を考えながら授業を受けていると案外直ぐに授業は終わった。とはいえ教え方はわかりやすく、効率も良い事からここの教育レベルが高い事は確かだ。


「んー⋯!疲れたー!」


 そう言いながら伸びをして項垂れた様子の少女はルクスちゃんだった。その姿に苦笑を漏らしながらも私は参考書を鞄にしまっていた。


「アハハッ⋯お疲れ様。」


 そう伝えるとルクスちゃんはまた「本当に疲れたー!!」と机に突っ伏してしまった。その様子にもう一度苦笑を溢した。


 






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