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ある少女、終わり。

 何とか一番重要な事は話し終える事が出来た。しかしお嬢様の一件や魔族侵攻について何とかするとは言ったもののどうすれば良いんだろうか。


 解決すると啖呵を切ってしまったのだから何か行動を起こすのは決定事項なのだが作戦など少しも考えていない。また屋敷に就職する、という手もあるのだが今回は絶対にならない。


 理由は簡単、立場が弱すぎるのだ。確かにお嬢様に近い立場ではあるものの、私がお嬢様の行動を変えていく事は出来ないだろう。更に学園生活に干渉が出来ない。そして使用人になる、ということはイニアル家に従属するということなのだ。


 つまりイニアル家であるお嬢様の命令に逆らうことは出来ないのである。そうなると行動が制限される。それは魔族侵攻の阻止の方にも支障をきたす事になるだろう。


 という訳で屋敷に就職は無い。しかしこうなると手段が他に殆ど無くなるのだ。少なくてもお嬢様の近くで干渉出来る程度の立場でなければいけない。


(うーん⋯どうしたもんか)


「今度は何に迷ってる?」


 どうやら声に出ていたらしい。ラテルが首を傾けながらこちらを見ている。「声に出てた?」と聞いたら「うん。普通に喋ってた。」と返してきた。取り敢えず考えていた内容をラテルに伝えてみた。


 すると何だ、そんな事で悩んでいたのか。という顔をしてこちらを見てきた。


「何だ。そんな事で悩んでたんだね。」


「本当に当たった⋯!」


 ラテルの考えてる事が殆どあっていた事にかなり驚いた。まぁ何年も姉やってるわけだし当然の結果か、と少し誇らしく思った。その時ラテルに「え?」と怪訝な顔をされたので「何でも無いよ。続けて」と何喰わぬ顔で返した。


「⋯まぁ本題に戻るけど、僕らも学園に入学すれば良いんだよ。」


「学園って貴族しか入れなくない?⋯あ!特待制度の事?」


「そういう事!」


 確かに特待制度でなら平民でも学園に入れる。実際に学園に入っていたのが元の物語のヒロインだ。彼女は確か特別な魔法が使えるとかそういう理由で入学していたような気がする。


「でも、ラテルは魔法の面で行けるかもだけど私は行けないんじゃ⋯?」


 そう言うとラテルはにっこり、という効果音がなりそうな笑顔を作って言葉を続けた。


「学力面で入れば良いんだよ。これなら努力で何とかなるでしょ?」


「⋯む、無理無理、無理!!」


 ラテルは何を言っているのだろうか。私は物事で一番勉強が嫌いなのだ。これは前世からずっとだ。まぁ家庭科はそこそこ出来たのだがそれも料理や生活の面だけであって経済面は出来ない。


 成績だって良くなかったし、前の周のときだって勉強だけは避けてきた。


「私に勉強なんて無理だよぉ⋯ラテルだって知ってるでしょ!?私の頭悪い事⋯」


「こういう時は感情豊かだねぇ⋯大丈夫だよ。」


「じゃ、じゃあ⋯!」


「時間はたっぷりあるんだから!」


 あ、死んだ。


 





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