あるお店の、娘より。
ここでこの屋敷、〝シーカレド邸〟での職場環境を説明しよう。この屋敷では通勤タイプと住み込みタイプで別れている。侍女や侍従、コック(料理人)など主人の側にいたりするものや、遅くまで活動するものは主に住み込みタイプだ。
掃除や洗濯をするいわゆる下っ端や中間の立場の者が通勤が多い。そのため地方から出稼ぎに来た者達はかなり生活が厳しいそうだ。改善してほしい。
とはいえ通勤タイプの人間は住み込みタイプの人間とは違い眠っているときに叩き起こされる、という心配は無い。出勤時間は早いがまあ楽っちゃ楽だ。
給金はそこそこ。使用人の数が多い為だ。うちの場合は両親も私も働きに出ている為生活には困っていない。ラノベでよくある家の借金のせいで絶対にやめられない、という状況では無いのだ。
話は変わるがうちは父、母、私、弟の4人家族だ。弟はまだ幼いため働いてはいないが両親と私は働いている。私が働くと言った時も両親には「お金のことは気にしなくても良いから働かなくても良い」と言われたがいつ何が起こるかわからないということで私は就職した。私と同年代でも理由は様々だが働いている者は多い。
ここで両親の仕事について説明しよう。両親は二人で飲食店を開いている。何でも祖父のだいから続いているらしい。近所じゃかなり有名な店。私が店の手伝いをするという形の働き方もあったのだがそれはできなかった。
理由は私は接客などがあまり得意ではないからだ。自分で言うのもなんだが私はあまり愛想が良い方ではない。
父が料理を作り、母が接客をする。という形なのだが私が接客をすると逆に母の足を引っ張ってしまいそうだ。
このような理由から私は両親の手伝いではなく働きに出たのだ。正直に言うと親元から離れて働いてみたいというのも合ったのだが。
店は主に両親が回していてたまにアルバイトの人が来るぐらい。店と家は繋がっているため弟が家に1人、という状況にはならないのだ。なんなら弟は両親の手伝いをしている。幼いながらに働き者だ。
将来的には弟が店を継ぐのかもしれないが、弟の人生は彼自身のものだ。強要はいけない。
弟に将来のなりたいものが決まったら私はそれを応援したい。否、するつもりだ。
まあこんな感じに(言い方は悪いが)うちはそこらの平民より少し裕福なのだ。
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