ある転生者の、あれ?
あの日、私が死んだ刑が執行された日。魔族側の巫女も死んだらしい。詳しく説明するとあのお嬢様が魔族側の巫女だったらしい。正直私も最初に聞いた時「はい?」って思った。
魔族というのは異世界系のジャンルでよく出てくるあの魔族だ。この世界でだけのオリジナル設定は特になく、人間よりも強く、魔法を操る。それぐらいの特徴だ。1つあるとすれば自分よりも秀でた存在を好むという性質くらい。
そんな魔族が人間何かを巫女なんて存在にするわけがないのだ。何に置いても人間よりも圧倒的に秀でた存在であるのが魔族なのだ。だが弟の話しによれば本当にお嬢様が巫女だったらしい。しかし今私が聞きたいは別にある。
「⋯巫女って何?」
私が真剣にそう尋ねると弟が盛大にずっこけた。
「⋯姉ちゃん巫女の存在知らないの!?」
「え⋯うん。だってあんまり興味ないし⋯」
「興味無いって⋯姉ちゃん計算とか文字に関しては問題ないのに何で常識的な事知らないこと多いの⋯」
仕方ないじゃないか、勉強はあまり好かんのだ。前世の知識のお陰で学力は中の上ぐらいはあるから一周目の時は勉強面で困ることはなかったのだ。そもそも頭を使う様な職でもなかったし。
「まあ、とにかく⋯巫女っていうのは渡り人ってことだよ。」
「⋯渡り人?」
⋯渡り人、という言葉を聞いてわかった気がする。多分だけどお嬢様がそれに当てはまることといえば、
「⋯異世界からの渡り人。」
ラテルの言葉と私の思考が重なった。⋯お嬢様が渡ってた事は転生の事以外は何も無かったのだから簡単なことだ。
「⋯巫女には身体の何処かに赤黒い印があるんだ。あの女の手の甲にそれがあったんだ。」
「へぇー⋯でも何でお嬢様が巫女だって魔族が知ったの?あの時魔族なんていなかったよね?」
「それがわかんないんだよ。もしかしたらあの場に魔族がいたのかもしれないし、国にスパイがいたのかもしれない。将又別の何かかもしれない。結局真相が暴かれる前に僕が時間戻しちゃったし。」
てへっ、と悪気がなさそうに笑う弟。ラテルが時間を戻した原因は元を辿れば私なのもあるし、時間を戻した行動が完全に悪と判断する事も出来ないから何と返せばよいのだ⋯というか言動があざと可愛い。
まあこれまでの話しをまとめると魔族は巫女を殺されたから暴動を起こしたということか。
⋯ここまで話を聞いていて思った事がある。私も転生者だけど印なんかないよ?




