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ある屋敷の、働き者。

「い、いやでも最近のお嬢様はちょっと様子変わってきてるし買収は違うんじゃ?」


「えー、絶対買収ですよ!今までの事もきっと猫被り始めただけです!」


 そう言って買収説しか信じようとしない後輩ちゃん。ここで後輩ちゃんの誤解?を解かなければ大変な事になる。彼女は交友関係が広い。そのためあっという間に噂が広がるのだ。そうすると折角前世の記憶を取り戻して心を入れ替えたお嬢様の評判がまた右肩下がりだ。


「で、でも学園でも、えーと、あの平民の方を助けたみたいな話もあるじゃない?実際に善行をしていることもあるし⋯」


「だから!それも猫被りなんですよー!きっと皇太子様が近くにいると気づいて良い人のフリをしたんです!もう許せません!」


 こうなった後輩ちゃんはもう止められない。人の話など一言も聞こえていないのだ。


「そもそもその賄賂を受け取る侍女の先輩方も先輩方ですよ!!」


 侍女さん達にまで被害が生き始めてしまった⋯本当にどうすれば良いのだ。お嬢様の善行を話してもどうにもならないし、そもそもあのお嬢様まだそこまで善行をしていない。お嬢様が良い人になったという根拠が無いのだ。


 ⋯そもそも何で私はお嬢様の方を庇護しているんだろうか?あの人がどうなろうと特に関係がないではないか。というか今の評判だって悪いままだ。今更この子がお嬢様の悪口を言ったところでそんなに影響は無いだろう。


「⋯ということで!やっぱりお嬢様は改心していなかったんですよ!わかりましたね先輩!」


「あー⋯うん⋯」


 正直ここで否定して話が長引くのも面倒だ。誰かに話しが聞かれたら、特にシーカレド家の方々や側近、侍女など位の高い人にだと後輩ちゃんが罰を受けかねない。取り敢えず話を終わらせるのが得策だろう。


「でも他の人にはこういう話しないほうが良いよ。」


「えー⋯何でですか⋯」


「そりゃシーカレド家の方々や上司の人達に聞かれたら大変だからだよ。最悪は解雇になるんじゃない。」


「ひぇっ、解雇は絶対駄目ですぅ⋯」


                                                           

 確かこの子は家が貧乏らしい。私とは違って辞めることは家計的に不可能だそうだ。


「わかりました。話すのは辞めておきます。⋯でも他の子達も良く悪口を話しているんですよ。止めたほうが良さそうですね。」


「うん、危ないからねぇ。」


 正直に言うとお嬢様の事は嫌いだけど今回は悪い噂が広がることは無いだろう。これだけ働いたんだ、給料上げてほしい。




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