ある家の、嬉しい言葉。
「⋯おっ、皇太子が来たって!?、それってセフィル・アルセリア皇太子殿下の事!?」
「皇太子ってそんな名前だったんだ。忘れてた。」
「何言ってるのよこの子!?普通忘れる!?」
仕方ないじゃないか、興味が無いんだから覚えれるわけがない。私はどうでも良いことは覚えないし考えない主義だ。とはいえ母の形相が凄い。父は驚いてるのだろうか。私と同じで表情筋が動かないタイプだからわかりにくい、いや、少し目を見開いている。ちゃんと驚いているようだ。
「姉ちゃん、皇太子殿下って何なの?」
「国の偉い人じゃない?多分。」
弟だって皇太子の名前わからなかったじゃないか。存在自体知らないらしいし。子供と比べるなって?私だってまだ未成年、まだ子供なのだよ。
「⋯どうして皇太子殿下が屋敷に来たの?シーカレドお嬢様は皇家と交流なんて殆どなかったわよね?」
「学園で友人になったらしいよ、確か。」
我が母ながら切り替えが早い、流石である。
「⋯友人とは一日で出来るものなのか⋯」
固まっていた父がいきなり喋りだした。父は普段は殆ど喋らないから友人を作るのが難しいらしい。⋯私も話しかけるのは苦手だから友人を作るのは得意じゃない。とはいえ父程喋らないキャラじゃないから話せる人はいる。
「友達なんて話しかければすぐ出来るじゃない。そうよねぇ、ラテル。」
「ん?うん!!」
先程の父の質問に母が答えた。この二人はコミュ障の敵である。(私の偏見。)父が落ち込んでいるじゃないか。
「でも、あの我儘お嬢様にご友人ねぇ、本当に変わったのねぇ〜。成長すると性格も変わるものなのかしら?」
お嬢様が変わったのは絶対に前世の記憶を思い出したからだろう。他はありえない。⋯母は今までの行動を変わったから許すのだか。⋯母は当事者では無いのだから許すもなにもないのか?
「⋯お嬢様の様子が変わったとはいえ嫌になったら辞めてもいいのよ?今までのこともあるしねぇ⋯」
「⋯好きにしなさい。」
⋯母は私の事を考えてくれていたらしい。⋯父には言葉足らずでは?と思ったがその一言が嬉しくもかんじる。
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