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ある家の、弟とマドレーヌ。

 改めて私の家族について、我が家は父、母、私、弟の四人家族だ。この世界では平民も姓を持って良いためイニアルという姓を持っている。父と母は性格が真反対で父が私に少し性格が似ていて寡黙な性格だ。母は弟に似ていて笑顔を見ていると周りに花が散っているような気がしてくる。


 容姿は弟も私も両親の見た目が混ざった感じだ。そのため弟と私が一緒にいると「似てますね。」と言われる。だが確実に違うのは目つきだ。弟はよく笑う。だから目も輝いている。漫画やアニメでハイライトが大きいキャラがいるじゃないですか。あんな感じ。対して私は暗い。いわゆるジト目。

 

 まあ他は本当に似てるから目だけ隠せば「これが弟の将来の姿です。」と言えるだろう。


 

 ところでいきなり話が変わるが1つ思い出したことがある。私は今お菓子を持っている。皇太子が来た時のあまりで配られた物だ。その中身は4つのマドレーヌだ。皇太子へのお菓子だからものすごい高級菓子だ。ここで今の私達の構図を説明しよう。弟が突進した勢いで抱きついてきたお陰で私は今斜め45度の状態だ。後ろに。今すぐ転びそうなのを気合で耐えている。


 そしてマドレーヌがどうなっているかって?カバンに入れていた。ポケットに入れるか迷ったのだが入らなかった。そのカバンは今、床に落ちている。体当たりの勢いで落としたのだろう。普段ジトッとしている目をかっぴらいた。


「おっ、弟よ!!ちょっと離れてぇ!」


 普段ボケっとしている私の形相に驚いたのだろう。直ぐに離れてくれた。急いでカバンの中を見る。落としただけだから大丈夫、だと信じたい。


 そう思いながら開けたカバンの中には、綺麗な形のままのマドレーヌが入っていた。安心して晏如の息を吐いていると弟がこちらを気まずそうに除いてきた。


「ね、姉ちゃん?どうした⋯ってそのお菓子⋯」


 先程の表情から一変、カバンの中のそれに目に奪われている。当然だ、高級菓子だぞ!!⋯自信満々に思っているが作ったのはシェフだしお嬢様ようのあまりのお菓子だ。


「今日もお嬢様のお茶菓子が余ったから貰ってきたの。軟らかいお菓子だから心配だったけど杞憂だったね。大声だしてごめん。」


 頭を撫でながらそう伝えると「気にしないで!!」という返事が返ってきた。⋯目線はマドレーヌに向かったまま。


「それよりこのお菓子ってなんて名前なの?」


 私の謝罪よりお菓子の方が欲しいらしい。名前はマドレーヌだと伝えると、へー⋯という何とも言えない返事が返ってきた。


「⋯それ食べるのは夕飯の後だからね。」


 そう伝えるとたくさんの文句が返ってきた。⋯育て方間違えた?


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