ある家の、とある一幕。
知っての通り私の家は飲食店だ。そのため1階に店があり、家に入るには階段を登らなければいけないのだがこの階段は螺旋階段なのだ。何が言いたいかというとこの階段、段差の隙間から地面が見えてとても怖い。しかもこの階段、木製なのだ。毎日壊れないかヒヤヒヤしている。
そうして怖がりながら登ったが階段が壊れることはなかった。(少しミシミシとなっていたが)そして今はドアの目の前。我が家のドアは木製だが少しおしゃれに作られておりドア飾りもつけている。建物自体はレンガで出来ているため平民の家にしては豪華に見えるだろう。(階段以外)
私は本日とても疲れている。否、いつもだ。一刻も早く夕飯が食べたい。そして風呂に入って布団にダイブしたい。そんな気持ちを込めながらドアを勢いよく開けた。そして大声で
「ただいま!!」
と叫んだ。この世界にはチャイムがないため防犯の為に、大声でただいまと叫び自分だということを伝えるのだ。これをやっているのはおそらく我が家だけだろう。なぜなら私が発案者だからだ。普段あまり喋らない私でもこれだけは大声を出している。
数秒もせずに1つのドタバタという足音が聞こえてきた。多分、いや絶対に弟だろう。家でここまで速い反応速度を出せるのは弟だけだからだ。
「姉ちゃんお帰りー!!!」
ほら当たったー。弟の大声お帰りの後に飛んできたのは強力なタックル。ただ単に跳びついてきただけなのだろうが今ゲームの表示が出てきたら、効果抜群!!1000ダメージ!!という感じになっていただろう。死ぬほど痛い。
ここで我が弟について、名前はラテル。両親はどうしてもラから始まる名前が良いらしい。私とは正反対な性格で太陽みたいな明るさだ。運動神経も良い。冒険系や少年漫画だったら主人公になりそうだ。そんな弟だが私に懐いてくれている。自分が弟の立場だったら私みたいな人間に懐かないと思うのだが、不思議だ。
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