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ある並木道の、感傷に浸る。

 夜の真っ暗な暗闇に散りばめられた星々、淡く輝く繊月が浮かんでいた。星や月は、世界が変わっても見えるらしい。夜は特に前の世界のことを思い出されるから複雑な気持ちだ。嬉しいような悲しいような、元の世界に帰りたくなったり。


 それでも元の世界には帰れない。(もう死んでいるし)というのもこの世界にも大切が、大事な思い出が出来てしまったのだ。家族や職場の同僚、地元になった今の街並み、育ててもらった恩。他にもたくさんある。それになんだか思うのだ、あちらの世界の発展したビルやたくさんの人々も好きだったけど、こちらの世界では星が、月が景色がよく見える。


 こんな些細なことでも良いから大切な思い出を、この世界で生きる意味を作っていきたいのだ、と。


 



⋯私がこんなふうに感傷に浸るのはいつだって帰宅の時間だけだ。他の時間はそんな時間が無いくらい忙しい。つまり今は帰宅中だ。私の職場である屋敷から家までの距離はいくらかある。家は屋敷の隣の町にあるのだ。その途中の整備されていない並木道は街の光もなく、月明かりだけが道を照らしてくれる。天気が悪い日はランタンを持って歩く。


 まあそんな場所だから夜空がよく見える。知る人ぞ知る絶景の地だと思う。とはいえ獣には気をつけなければ。足場も悪いし。



 走行していると地元の町が見えてきた。

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