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ある屋敷の、大騒ぎ

 結局学園での会話はその後何事も無く終わりただの世間話へと戻ったが疑問は拭いきれない。あの時お嬢様が言った言葉は『困っている人がいたら平民であろうと助けるのは当然』という言葉だ。平民の私から聞くとその言葉は胡散臭い、と感じてしまう。


 

 貴族という者は昔から平民を見下している。見下していないお優しい貴族もいるのだがそれでもどこか下に見ている。まあ身分は貴族が上で平民が下、当然のことだ。これは前世の本などからの知識、というのもあるが私が平民として生きてきた経験からの考えだ。⋯話が変わってしまったが、そんな貴族の人間が『平民にも平等に』といっていたら何か裏があるのではとまず疑う。



 お嬢様の場合は前世の記憶を思い出したから貴族も平民も関係ないと考えているのだろうとあの動作が無ければ思っていただろう。だが嘘をついているということは貴族と平民が平等という考えからでは無いと取れる。それなら何故平民であるヒロインを助けたのだろうか。



 ヒロインと関わりたかったから、皇太子に取り入りたかったから、善良な人間に見られたいから、まあ予想できる理由はいくつかあるがただの悪役令嬢転生逆ハーものにしては主人公の性格が悪くないかと思う。 

 前世の私が本を読んでいたときのお嬢様の性格は悪く言うと頭の中お花畑の能天気だ。そんな魂胆があったとは考えられない。


(いくら考えても全くわかんないなあ⋯)


そう考えていると奥様の大声が聞こえてきた。


「皇太子殿下がお帰りになられるそうよ!使用人は皆入口前に並びなさい!!」


 今日の奥様はいつもの三倍は声量が上がっている。ものすごい形相と必死さが伝わってくる。使用人も緊張しまくっている。流石の私も緊張しているのだ。冷や汗ダラダラだ。



お嬢様と皇太子が馬車の前へとやってきた時には全員が石のように全く動かずに並んでいた。そうして皇太子がお嬢様に話しかけた。


「それじゃあペカタム嬢、今日は急に連れてきて貰い悪かったね。」


「いえ、問題ありませんわ。とても有意義な時間でしたので。」


その後皇太子は軽く奥様に挨拶を交わして屋敷を後にした。馬車が見えなくなった頃に奥様が急に倒れ、屋敷中が大騒ぎになりました。






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