表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢のクルーズ珍道中  作者: 股旅の於由巳


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/28

21 久能山東照宮とディナーのタブー(10日目)

この日の清水入港は11時。朝はのんびりと思っていましたが、午後1時からシェアエクスカーションなので集合時間から逆算すると11時前に昼食をとらなければなりません。

6時25分頃起きて位置をテレビで確認すると御前崎の近くでした。7時頃に朝食をとりました。

パンに卵とチーズが載ったものがあったのでいただきました。マフィンも食べました。家に帰ったら朝からマフィンなんて食べられませんから。




この日はH社のツアーデスクへ行く最後の日でした。実は毎日H社の出す独自の船内新聞を取りに行っていたのです。行くとスタンプ用紙にスタンプを押してくれてそれが10回目となりました。記念品にオリジナルのエコバッグをいただきました。

新聞は寄港地の情報、ドレスコードや下船の際の注意事項等細かいことが書いてあり非常に役に立ちました。最後の号は下船のことだけでなく、船内会計の明細(紙で出ない)をアプリで確認すること等が記述されていました。会計の明細が紙で必要な場合はゲストサービスデスクで受け取ることや下船日は混むので今日中に見ることを勧めていました。




アバターのウミガメと少し遊んだ後、9時過ぎにデッキ7に行きました。富士山を見るためです。ふもとは雲で隠れていましたが山頂部分は見えていました。皆同じことを考えるようで、富士山をカメラにおさめていました。

やがて船は清水港へ。遠くに観覧車が見えます。有名な缶詰メーカーや油脂会社の名前の入った倉庫なども見えてきました。この油脂会社の名をこの後、意外な場所で見ることになります。

11時前にデッキ14のホライゾンコートでクロワッサンとメロンの軽い昼食をとりました。

部屋に戻るとターミナルが良く見えました。




さあ、ショアエクスカーションです。12時半にプリンセスシアターに集合です。入国手続きもするのでチケットとパスポートだけでなく税関申告書も必要です。

シアターの入り口でチケットとメダリオンをチェックされ同じツアーの人たちがいる場所に向かいます。全員そろったところで一緒に船を下りました。

入国審査のためにターミナルへ入るのを待っていると救急車が船に横づけになっているのが見えました。急病人でしょうか。高齢の方も多いし、天気がよくなって気温も上がっていますから体調を崩されたのでしょうか。詳細はわかりませんが、こういうこともあるのですね。

入国審査を終えパスポートに帰国のスタンプが押されツアーのバスに乗り込みました。

バスのドライバーは女性でした。近くの市のバス会社からの応援のようです。

若いガイドさんの説明を受けながらバスは一路日本平へ。清水エスパルスゆかりの場所です。

私が不勉強だったのですが、日本平には夢テラスという木造建築で有名な建築家設計の建物があるとか。久能山東照宮にお参りした後、夢テラスに行けそうです。

バスを降りた後ロープウェイに乗って久能山に行きます。ここでも私は知らなかったのですが、久能山は日本平より低い場所にあります。東照宮という徳川家康公を祀っている場所が高いところではないというのは意外でした。

というわけでロープウェイへ。高い場所のせいなのか風が強く、ロープウェイ大丈夫なのかと思いつつ並びます。ゴンドラは江戸時代の駕籠を模したもの。黒い殿様用の駕籠をデザインしたゴンドラに乗り込みました。

全員が乗ったところでゴトンと音がしてロープウェイは下り始めました。

あれっと思うほど風の影響はありませんでした。でも怖いので下を見ないようにしていました。途中でお姫様の駕籠をイメージした赤いゴンドラが上ってくるのとすれ違いました。

時間にして5分ほどでしょうか、ロープウェイは久能山に到着しました。

これから200段余りの階段が待っています。朝の曇った空はすっかり青空です。暑くなってきました。

ガイドさんは説明を交えながら上へと導いてくれました。途中休憩を差し挟みながらだったので長い階段を上ることができました。

奉納された酒樽が積まれてある場所に来ました。その中に酒樽に交じって銀色の一斗缶が積まれていました。なんと食用油の入った缶とのこと。港で名まえを見た会社からの奉納です。家康公が鯛の天ぷらを食べて死んだという俗説からのようです。

他にもガンプラが奉納されていました。さすがプラモデルの聖地静岡です。

拝殿から本殿、そして神廟へ上がりました。きらびやかだったこれまでの建物と違い静謐な雰囲気に満ちていました。暑かったのが嘘のように爽やかな風が吹き抜けていきました。

振り返るとこれまで上ってきた石段が見えました。昔も大勢の人がここを上ってきたのでしょう。ロープウェイのない時代は山の麓から1,159段の階段を上って。上り切った時、この風を感じたのかもしれません。

ちなみに大河ドラマで最近家康公を演じた俳優さんは三回お参りにきたとか。

何はともあれ神廟に手を合わせました。

江戸時代が260年以上平和だったおかげで時代小説が書けます。

東照大権現様、本当にありがとうございます。

なんとも自分勝手な祈りですが、実際そうですよね。

もし江戸時代がなくて戦国時代のままだったら、殺伐とした時代のまま黒船を迎えていたんですから。果たして日本は近代化できたんでしょうか。欧米列強がそれぞれ別の大名と手を組んで大混乱となったのではと想像し恐ろしくなります。




さてロープウェイ乗り場まで下り水分補給して一休み。

今度はお姫様の駕籠風のゴンドラで日本平に上がります。今度も下を見ないように。上を見ると扇風機が回っていました。なんとマキタの扇風機でした。マキタの充電池で動いているようです。実際に動いているマキタの扇風機を見たのは初めてです。

無事に日本平に到着しました。売店でお土産を買いました。しらすと桜えびの缶詰です。しらすも桜えびも駿河湾で獲れたものです。静岡は缶詰工場が多いとか。静岡らしい土産だと思います。




さて夢テラスへ上がってみました。確かに素晴らしい眺望でした。広がる平野やキラキラ光る海を見ていると豊かな幸に恵まれている土地に感じられました。

でもこの建物を作るのにかかった費用を聞いてびっくり、16億円以上って……。そんなに静岡のヒノキやスギって高いの?それとも設計にかかったの? 施工? 

世の中にはまだまだ知らないこと、不思議なことがたくさんあります。だから旅は面白い?




帰りのバスに乗ると、なんだか少し疲れを感じました。旅の終わりが近いせいでしょうか。

後ろの席では咳き込んでいる方がいました。ずいぶんひどい咳でした。風邪でしょうか。それともコロナ?

船に戻った後、とりあえず用心のため持ってきていた葛根湯の顆粒を飲みました。これが効くかはわかりませんが、夫の知り合いは感染しても症状が出なかったそうです(症状が出ないほうが周囲の迷惑になりそう)。

夕食へ行くために部屋を出ると、すでにスーツケースを出している方がいっぱいいます。夜10時までに出せば大丈夫という話でしたので食事をすませてから出そうと思いダイニングに急ぎました。

この日相席になった方の中に関西方面から来たご夫妻がいました。奥さんが時々咳をしていました。なんだかこの頃咳をしている人が多いような。

それはともかく今夜が最後のディナーです。ひとつここはディナーらしいメニューをと思いメインはステーキを頼みました。食べやすくておいしいステーキでした。

その途中、突如厨房の方々がレストランに列をなしてやってきました。D・P名物最終日のベイクドアラスカパレードです。

私たち客はナプキンをくるくる回します。

ノリノリの厨房の面々の楽し気な様子に笑みもこぼれます。

というわけでデザートはベイクドアラスカに。おいしくいただきました。

が、が、が、このディナーの最後で私はとんでもないことを相席の方から尋ねられました。まさか、旅の最後にそんなことを聞かれるとは思ってもいませんでした。

最初、関西出身の御夫婦の御主人から私の在所の観光地の話をきかれたので話をしました。よそでは知られていない名産品の話などもしておりました。

それだけならばよかったのですが、このご主人、在所のタブーともいうべき質問をしたのです。恐らくお酒で酔っていたからでしょう。

ある偉人の行動の原因について尋ねられたのです。それは簡単に答えられる話ではありません。神格化されていて地元に神社もあるのです。その方について夕食の席で軽々にこうだと言えません。私の答え次第でご主人の県民に対するイメージを作ってしまうかもしれませんから。

なんとか曖昧に色々な説がありますねとか言ってごまかしました。偉人の信者なら、そんなことはないと強く否定できるかもしれませんが、それが県民の総意ではありません。研究者の間でも説が分かれていますから。

それにしてもどうしてこんな席で県民代表のような気持ちにならなきゃいけないのか……。コーヒーの味がひときわ苦く感じられました。

食事の席で政治の話はタブーという意味がよくわかりました。




部屋に戻り急いでスーツケースを廊下に出してシアターへ。お別れバラエティショーです。これまでのショーの出演者たちが出演するのでシアターは満員に近い状態でした。

なかなか席が見つけられないでいると、外国の方(欧米系?)がここが空いてますよと言うように手招きしてくれました。

もう感激しました。センキューと言ってその席に座らせてもらいました。おかげで最後のショーを楽しく見ることができました。

思えばエレベーターでもデッキの番号を押してくれたり、ぶつかりそうになったらソーリーと言い合ったり、船に乗らなければなかったような体験をしました。

こういうちょっとしたふれあいがあるから、また船に乗りたいと思うのかもしれません。

その夜グランドプラザではお別れダンスパーティが行われました。見ているだけで楽しいパーティでした。




この後、明日提出しなければならない税関申告書がないと気付いてクルー・コール・チャットで連絡して持ってきてもらうとか、ちょっとしたトラブルはありましたが、最後の夜は穏やかに眠れました。



この日の歩数10,450歩(スマホによる計測)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ