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夢のクルーズ珍道中  作者: 股旅の於由巳
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02 ボタン一つでクルーズ予約(2023年秋)

動画投稿サイトを見てクルーズ旅行を考えた。

でも夫が問題だ。

果たして夫を連れ出すことはできるのか。

さて夫ですが、意外にもクルーズに乗り気になってくれました。

この数年私を旅行に連れて行けなかったことを残念がっていたようです。




よかった……。

私がリビングのテレビでよく動画サイトを見ていたせいもあるかもしれません。

動画の中には非常に滑舌のよい方が話しているのもあり、耳の悪い夫にはわかりやすかったようです。 

ちなみにクルーズで検索するといろいろな動画が表示されます。

実際にクルーズに行った人、クルーズ船のクルー、クルーズ専門の旅行会社のスタッフ等それぞれの視点から作成された動画の多くはよく出来ていました。

特にクルーズ船を渡り歩いてきたクルーの動画は実に多くの知恵を授けてくれました。

具体的なことは後で書きますが、陸の生活を送っていたら想像もつかないことばかりでした。

そういう動画を参考に私はどの船で行くか、考えました。

以前から旅行先を考えるのは私の役目でした。独り身の頃から一人旅で列車や飛行機、ホテルの予約は慣れていましたから。そういえば新婚旅行の計画・手配もしましたっけ。




さてクルーズ探しの前に旅行会社を探さなければなりません。

旅行業界大手のJ社か、以前旅行の手配を頼んだH社か、はたまたクルーズ専門の会社か。

そこで各社のクルーズツアーを比較してみました。

するとある事実に気付きました。

クルーズの料金にさほど差がないのです。

早めに予約すると割引がありますが、その額も同じです。

ただ会社によってオンボード・クレジット(船内だけでしか使えないお小遣い)があったり、希望の船室が予約できたり、出発する港近くの都市までの往復航空券や新幹線のチケットの手配をしてもらえたりと、それぞれに特徴がありました。

結局選んだのはH社。

専属スタッフが乗船しサポートしてくれることなどが決め手でした。

それとアプリをダウンロードするともらえるポイントを旅費の値引きに利用できることも。




旅行会社が決まったらクルーズ探しです。

条件はいくつかありました。

私達が住んでいる地方に近い港に寄港しないこと。

知っている場所にわざわざ寄港するのはお金の無駄のような気がしたのです。

それから連休や夏休み中など人の多い時期は避けること。

繁忙期だと出発する港までの交通費がかかるからです。

クルーズ船には日本船籍の船と日本発着の外国船籍の船の二種類があります。

最初は日本船籍の船がいいかなと思いました。

日本語が通じますからね。

でも料金が高いのです。

外国船籍の船のほうが日数の割に安いのです。

一番安価な内側客室だと10泊で15万円代とかありましたから。

しかも台湾か韓国に寄港します。

外国に行けるというのは魅力です。

ただしクルーの多くは外国人です。

旅行会社も海外旅行の括りに入れています。

さてどうしたものか。

結局海外船籍の船を選びました。

せっかく行くなら海外だと。




次に船の選択です。

クルーズ船にはラグジュアリー・プレミアム・カジュアルの三つのクラスがあります。

ラグジュアリー船は中・小型の船で乗客は500人以下、サービス、船の内装・設備は最高級、価格も相応、平均年齢は一番高いようです。

プレミアム船はラグジュアリー船とカジュアル船の中間の大きさで乗客は500~2500人ほど。サービス・設備もラグジュアリーとカジュアルの中間です。

カジュアル船は乗客2500人以上、10万トン以上の大型客船です。船内のアトラクションはテーマパークのようで若者やファミリー層の乗客が多いのが特徴です。

まずラグジュアリー船は外しました。価格が高いのもさることながらディナーでのタキシードの着用率が高いとブログ等にあったからです。庶民にとってタキシードは無縁です。それに女性にも相応の恰好が求められます。無理です。それに船が小さいので揺れそうです。

残るのはプレミアムとカジュアルです。

実は日本発着の外国船籍の船はそう多くありません(2023年当時)。

代表はプレミアムのダイヤモンド・プリンセス、カジュアルのMSCベリッシマです。

この二つから選ぶことになります。

動画投稿サイトにはそれぞれに、あるいは両方に乗船した方々の動画がたくさんありました。

それを見ながら考えました。

船の雰囲気、乗客の年齢、寄港地、それから動画投稿者の年齢や家族構成も参考にしました。

ベリッシマは大手テレビ通販会社主催のクルーズで有名です。

また翌年にはH社のツアーもあります。

ボーリング場やウォ―タースライダーのあるプール等遊ぶ場所が充実しています。

船内にモッツァレラチーズの工場があって出来立てのチーズが食べられます。

家族連れが多い感じです。

ただ動画を見ると、夜遅くを除くといつも混雑しているように見えました。

D・P(以下ダイヤモンド・プリンセス)はベリッシマより全体に落ち着いた感じでした。

乗客の平均年齢がやや高いようです。

早期割引があるせいか、プレミアムの割に価格が手ごろな感じがしました。

またオンボード・クレジットが100ドル付くのも魅力でした。

コロナの件で不安要素もありましたが、サイトを見ると空気清浄機能が強化されているようです。また非接触型のメダリオンという端末でドアの開錠や飲食物のオーダーができるのも面白そうです。

日本発着の航海では日本語のわかるスタッフが100人ほどいるというのも決め手になりました。

というわけで、D・Pを選択しました。




次はどのツアーにするかです。

冬~春・秋は海が荒れやすいので避けた方がよさそうです。

台風に関してはいつ来るかわからないので考えないことにしました。

実際乗船中に台風が接近した場合の動画があり、危険のない海域を航行したり、予定の港を抜かして次の港に向かったりしていました。

それなりに経験を積んできた船長が選択するわけですから、危険な目に遭うことはないでしょう。

地政学的リスクを考えていたらどこにも行けないし、まずどこにも住めないのでこれも考慮しませんでした。

結局、住んでいる地域以外に寄港しないツアーを選んだら2024年7月の夏休み前のツアーが最適でした。




提案に夫は頷きました。

船室は最安の内側ではなく窓のある海側がいいとも。

海側の視界が遮られる部屋は安いからそっちがいいのではと言うと価格に大きな差がないなら絶対に海が見える方がいいと。

それではと海側の部屋にすることにしました。

私も窓があったほうが気分的に楽だなとは思っていました。

船酔い予防になるかもしれません。

こうして私は10月下旬の夜、H社のサイトで予約ボタンをポチっとしました。

パスポート情報以外の住所氏名等の個人情報、支払いのためのクレジットカード情報を入力しました。

予約と同時に予約金として旅費の20%を支払わなければならないのです。

ドキドキします。

二人分の旅費の20%なので×万円。

こんな大金をカードで支払うなんて久しぶりです。

支払いは承認され申込は完了しました。

30分とかかりませんでした。




でも、これで終わりではありません。

この後、山ほどやらなければならないことがあったのです。




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