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夢のクルーズ珍道中  作者: 股旅の於由巳
15/27

15 五稜郭と新聞とエルヴィス(4日目)

航海も4日目です。

この航海の乗客は2,904名です。

定員2,706名ですから3人、4人で乗った方々もいるようです。

(ソファーベッドやプルマンベッドで対応できます)

国籍別の内訳は以下の通りです。


日本     1,201名

アメリカ     615名

オーストラリア  231名

台湾       118名

カナダ       76名

メキシコ      62名

ニュージーランド  59名

その他      542名


全部で40か国の人々が乗船していました。

日本人が一番多いというのはなんとなくわかりました。あちこちで見ましたから。

さてこの日の早朝、ピザ・パーティの世界記録に挑戦という企画があり無事成功しました。プリンセスクルーズの複数の客船で同時に開催され合計6万枚以上のピザが提供されたそうです。

午前4時45分からだったので参加しませんでした。寝てる時間ですし朝っぱらからピザというのはどうも……。

でも夕食で相席になった方は参加したそうです。

こういう感じで皆思い思いにイベントに参加したりしなかったり。それがクルーズの旅のよいところだと思います。しなければならないのは避難訓練と出入国の手続きくらいです。




函館は港と駅が近くバスや電車での観光に便利です。

少し時間に余裕があったのでインターナショナルダイニングで朝食をとりました。ビュッフェ形式のホライゾンコート以外で朝食がとれるのがこのダイニングです。ホライゾンコートは人が多くなんだか落ち着かないという人にはここがいいかもしれません。

またも相席です。やはり日本全国から来た善男善女です。人生の先輩方は朝から食欲旺盛です。納豆大好きな婦人はひたすらかき混ぜて召し上がっていました。




9時過ぎに船を出て駅に向かいました。歩いて10分ほどで着きました。ぶらぶらしながら駅のコンビニに行き五稜郭タワーのチケットを購入しました。コンビニだと100円安いのです。

予定では五稜郭に行き元町に行って時間があれば函館山にと思っていました。

五稜郭への直行バスを待つ間、他のバス乗り場にラッピングバスが停車しました。見た目は子ども、頭脳は大人の探偵のアニメに登場するキャラクターです。今日は土曜日。恐らく映画の聖地巡礼で函館に来ている人も多いのでしょう。

これは予定通りにはいかないなと思いました。

案の定五稜郭タワーはごった返していました。エレベータ―待ちをしたのは何年ぶりでしょうか。

展望台に上がって五稜郭を眺めました。本当に星型です。これを作った人達の技術は凄いものだと思います。

一周して函館の街並みも眺めました。約24万人が住むという町は広々としています。お土産に五稜郭の歴史の書かれたブックレットを買いました。

タワーを下りた後、五稜郭に行こうかと思いましたがやめました。無性に蕎麦が食べたくなったのです。近くの蕎麦屋をスマホで探し向かいました。

そこは地元の人も利用するような普通の蕎麦屋でした。中には私のような観光客もいました。入りやすい雰囲気の店で天ぷらざるそばを注文しました。

蕎麦を待つ間、近くに置いてあった地元の新聞を見てみました。一面の記事は地元の記事です。

めくっているうちにお悔やみのページがありました。その情報量に驚きました。

私の地元の新聞のお悔やみ欄は役所への届け出日、亡くなった方の氏名、満年齢、住所しか掲載されていません。通夜葬儀の参列者が多いようなお金のある方は新聞の下段にお悔やみ広告を出して通夜葬儀の時間・場所、喪主等の氏名を明らかにします。

ところが、その新聞には氏名、満年齢、住所だけでなく死去日、通夜・葬儀告別式の時間・場所、喪主の氏名まで書かれていました。死亡広告のようにお金がかからないのでいいかもしれませんが、個人情報がいささか多いように感じます。不届き者に悪用されないか心配です。

中には「葬儀終了」と書かれたものもありました。これなら不届き者の心配はないでしょう。

ところ変われば品変わるとはよく言ったものです。

さて天ぷらざるそばは十分に私の食欲を満たしてくれました。船の食事もおいしいけれど、やはり普通の蕎麦はいい。

バスで函館駅に戻った私はなんだか急に疲れてきました。この後元町くらいには行ける気力はありましたが、足に余裕がない感じでした。今日動き回ると明日動けなくなりそうな気がします。キオスクで地元の新聞を買った後、船に戻りました。

暑かったのでデッキ14のアイスクリームバーで抹茶アイスを食べたり洗濯したり新聞を読んだりまったりして過ごしました。

新聞は北海道ならではの記事がたっぷりありました。「日ハム2軍道内移転検討」の見出しが一面他(トップでない)に出ていたのには驚きました。連載小説のタイトルは「札幌誕生」。新聞はもしかするとこの旅行最高の土産かもしれません。今の北海道が凝縮されているのですから。

休んだおかげで夕食までには気力が戻ってきました。




夕食は最初の日に比べて遅れずに料理が出てくるようになっていました。

日本の家庭料理と書かれていた「牛のたたき」には少し驚きました。カツオのたたきはよく食べますが、牛のたたきは……。物は試しで食べてみましたがなかなか美味しかったです。

リゾットは米の芯が少し残っている感じでした。米の芯がわずかに残っているくらいがベストだと後で知り、やっぱりシェフが外国人だと違うのだなと思いました。

食事を早めに終え部屋に戻ると明日の船内新聞と「日本出国審査のお知らせ」という紙が部屋に届けられていました。

明日小樽の船外ターミナルで午後1時に開始されるとのことでした。小樽の次の寄港地は済州島ですから小樽で出国審査をするわけです。外に出ない人も観光する人も審査をします。

私の場合明日小樽観光をして船に帰る際に出国審査になります。




その夜のショーは「エルヴィス・ワンナイト・ウィズ・ユー」。エルヴィスとはエルヴィス・プレスリーのこと。プレスリーのそっくりさんコンテストで世界5位になった人のショーです。

どんなショーなんだろうと思ったら、そっくりのコスチュームでプレスリーの曲を歌うというもの。際物かなと思ったら歌がうまくてびっくり。いい声でした。

聴衆も乗りに乗ってました。前の席に座っていたおじさんなんか踊ってました(このおじさんをこの後幾度も見かけました)。最後に歌いながらスカーフを客に渡していました。貰った人は大喜びです。




函館は結局五稜郭に行っただけでしたが、勿体ないとは思いませんでした。

休んだおかげで疲れがとれて翌日は楽に動けました。

一人旅のこういうところがいいんです。



この日歩いたのは11,243歩(スマホ計測)




次は小樽。


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