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夢のクルーズ珍道中  作者: 股旅の於由巳
13/27

13 クルーズ四つの誓い(1日目~2日目)

船に乗る前に決めておいたことをここに記しておきます。

旅のしおりにも書きました。

・新型コロナ及びその他の感染症に感染しない。

・食べ過ぎない(体重増加は1キロまで)。

・水分摂取に留意する。

・衝動買いをしない。


当たり前過ぎることですが、なかなか難しいことでした。特に「食べ過ぎない」というところは。

何しろ、クルーズ船の料金にはビュッフェ、有料レストラン以外の五つのダイニングレストラン、デッキ14のプールの周囲にあるアイスクリームバー、ハンバーガー・ピザの店などの食事の代金も含まれているのです。

普通食べ放題には時間制限があります。焼肉食べ放題100分以内とか。ところがクルーズ船のビュッフェは早朝5時半から夜10時まで営業しています(途中30分クローズ)。ルームサービスやオーシャン・ナウ(アプリで注文すると自分の居場所にどこでも運んでくれるサービス・有料)もありますから、もしやろうと思ったら起きている間ずっと船内で食べることができるのです。いわば10泊11日間の時間制限バイキングみたいなものなのです(書いてて怖くなってきました)。

ちなみに飲むほうもプリンセスプラスやプリンセスプレミアムといった有料プランに入っていれば価格や量の制限はありますが、満足するまで飲めるはずです。バーやラウンジは夜遅くまでやっていますから。

でも船に乗って不健康になるのは面白くありません。

というわけで、私は暴飲暴食は慎もうと誓って船に乗り込んだのです。




さて、大盛り上がりの出港パーティの後はダイニングでの夕食です。

おっとその前にスマホを機内モードに。海の上では衛星通信を利用した高額な通信料の船舶ローミングに自動的に接続してしまうことがあるとか。

機内モードにしても船内のWifiは使えるので、アプリは利用できます。




本日のドレスコードはスマートカジュアル。レストランや観劇に行く際の服装ということです。女性はワンピース、ブラウスとスカートまたはパンツ。男性はスラックスと襟付きのシャツ(ネクタイ不要)。

シャワーを浴びて少しおしゃれな服に着替えてレストランへ向かいます。船室とレストランが同じデッキなので便利でした。

予約では相席にしていなかったのですが、相席を勧められました。断れないのが日本人です。相席となりました。

案内されたのは丸テーブル。どんな方と同席するのか不安でしたが日本各地から来た紳士淑女でした。そして一番驚いたのは、前のクルーズから連続して乗っているという老淑女。ずっと乗り続けている方もおいでとか。用事がある時だけ船を降りて、それが済めばまた乗船するんだそうです。

確かに船内の気温はエアコンで調整されていて家にいるより快適です。電気水道代もただです。食事の支度も部屋の掃除も自分でしなくていいし。お金と時間に余裕がある方ならではでしょう。

まずは前菜、スープ、メインの料理のメニューが渡されます。実はこのメニューの料理、いくつでもオーダーできます。メインは頼まず前菜二種類だけにしてもいいのです。あるいは全部とか。

ベジタリアン向けのメニューには印がついていました。

ただ写真がないので名まえを見ただけではどんなものかわからないものも。実際私もよくわからずグリークサラダとマヒマヒという魚の料理をオーダーしました。幸いにも量にも味にも満足できました。料理を待つ間にパンがきます。籠の中から好きなパンを選びます。やはり外国船、パンはおいしいです。

和食もあって相席の方はタコの酢の物を注文していました。

料理のくるのは遅かったですが、その間相席になった皆様と話が弾みました。

メインの料理を食べ終わるとデザートのメニューがきます。ノンシュガーのレモンクリームパイとコーヒーをオーダーしました。コーヒーと紅茶は無料です。

食べ過ぎないようにと思いましたが、デザートの前には無力でした。




食事の後はシアターでのショータイムです。毎晩二回様々な趣向のショーが行われるのです。勿論これも無料。

デッキ5とデッキ6の前方にあるシアターに急ぎます。シアターは700席以上あります。ちょっとした町の文化会館くらいの規模があります。この日はジャグリングのショーでした。観客をステージに上げて手伝わせたり、面白いショーでした。

ショーの後、なんとなく酒に酔ったような気分で船室に戻りました。そういえば最近演奏会や演劇などを見に行っていません。やっぱりそういう刺激は生活には大事なものなんだなと感じました。帰ったら二人で何か見に行こう。

ふだんは寝付きの悪い私ですが、その夜もぐっすりと眠れました。

この日歩いたのは11,080歩(スマホによる計測)です。





さて、二日目は釧路に向かっての終日航海日、そしてフォーマルナイト。船内新聞を見るとイベントが盛りだくさんです。

ちょっと目を引いたのが LGBTQ+の集まりです。ベジタリアンに配慮したメニューがあったりクルーズ船は多様性を尊重しているということでしょう。

また退役軍人と軍人の集まりというのもあります。

プリンセスクルーズのサイトにアメリカ軍とカナダ軍の現役・退役軍人の特典(日本では対象外)の記述があるのを先日たまたま見つけました。船内で使えるオンボードクレジットが軍人にはあるのです(ただしカジノには使えません)。

やはりクルーズ船は外国なのだと思いました。




閑話休題。

ぐっすり眠れたおかげか、6時前に目が覚めました。ホライゾンコートで朝食をとりました。和食もありましたが、あえてパンを。スモークサーモンがおいしくてこの後毎朝食べていました。

船室のテレビではNHKBSやBBC、ABCなどを見ることができます。BSではないNHKは見られません。BSで「虎に翼」を見てからランドリーに行ってアイロンがけをしました。

その後ツアーデスクに行って旅行会社の作成した船内新聞をもらいました。明日の釧路のグルメ・お土産情報が掲載されていました。

港湾税が船内会計に返金されているということも書かれていたのですが、よく見ていなかったので後で会計の計算が合わないと慌てることに。よく確認しないといけませんね。

9時半からは初めてクルーズに参加する人達向けの旅行会社の説明会、10時15分からは同じく船の説明会。前者は主にアプリの説明、後者はクイズや抽選がありました。




11時過ぎにデッキ14でハンバーガーを食べました。さすが外国のものは違います。これが無料なんて信じられません

実は3時からアフタヌーンティ―があるのです。そのためにお昼は食べずにおこうと思ってとりあえずハンバーガーで空腹を満たしたのです。

アフタヌーンティ―は終日航海日に実施されるものです。船内新聞で時間と場所を確認し3時に間に合うように船室を出ました。

が、甘くみていました。会場のインターナショナルダイニング(デッキ6)は階段上ってまっすぐ後方に向かっても行けない場所にあったのです。

なんといったんデッキ7まで上がって後方に進み階段でデッキ6に降りなければたどり着けない場所だったのです。

やっとのことで着いたのはいいのですが、人の多いこと。相席になったのはなんとなく上品な皆様。紅茶を頼み、スタッフがテーブルに運んでくるお菓子を一つずつ取るという形式でした。最初はスコーン。アフタヌーンティ―の定番です。

ところが人が多いせいか、なかなか次のお菓子がきません。結局こぶりのサンドイッチとミニケーキを食べただけでした。

今思えば相席の方たちが私より年上でそんなに食べないと思われたからかもしれません。

でも、これでは足らない。

インターナショナルダイニングを出た私はデッキ14のホライゾンコートへ。

え?! 叫びそうになりました。

ホライゾンコートにもケーキがありました。しかも種類が多い……。

これなら最初からここに来たほうがよかったかも。

大ぶりのクッキーやケーキを皿に載せました。コーヒーもカップになみなみと注ぎ窓際の席で太平洋の力強い波を見ながらアフタヌーンティ―の続きをしました。

たぶんダイニングでのアフタヌーンティ―は雰囲気も含めて味わうものなのでしょう。




そしてフォーマルナイトです。

このために買った服を着てレストランへ。今夜も相席です。相席の方も皆おしゃれでした。

有料のソフトドリンクを注文しました。ちょっと甘いなと思いました。

メインに鶏のコルドンブルーというのを注文してみました。鶏肉の間にチーズを挟んだものにパン粉の衣をつけて揚げたものです。

食べている途中で、これはいけないと感じました。甘ったるいドリンクに揚げた鶏、チーズでなんとなく胃が重くなったような。

デザートはチーズケーキを注文しました。それがやけに大きかったのです。でも食べないわけにはいきません。

食事を終え、シアターに行く人々の波から離れ自室に戻りました。

部屋着に着替えベッドに横になりました。吐き気はありませんが、胃が重くてたまりません。独り身の頃、一人チーズフォンデュをした後のように。

そのまま目を閉じうとうと。9時前だったと思います。

目を覚ましたのは11時30分頃。だいぶ胃は楽になりました。

でも、見たかったショーBravoは見られませんでした。この後、夕食で同席した人達が皆Bravoが良かったと言っていました。本当に悔しいです。食い気に負けたばっかりに。

「食べ過ぎない」という誓いを私は改めて噛みしめていました。


この日の歩数 1,846歩(スマホによる計測)



これを書くために覚え書きやメモを見ていたら己の卑しさに自己嫌悪に陥りそうになりました。

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