表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢のクルーズ珍道中  作者: 股旅の於由巳
12/27

12 聖地巡礼とライムソーダと出港パーティ(1日目)

さてホテルを出た私は炎天下、キャリーバッグを引きずりながら大さん橋へと向かいました。とりあえず水は持ってきていたので休みながら飲みながら歩きました。なにしろ足が痛いのです。水ぶくれに絆創膏を貼っていたんですが。

途中、どこかで見た景色が。円形の歩道橋(新港サークルウォーク)に赤レンガ倉庫。どうやら私は知らないうちに聖地巡礼をしていたようです。ルイス・スミィ―ス!




大さん橋に10時半に到着。旅行会社の案内ではチェックインは正午からと書いていましたが、すでにターミナルの中には大勢の人がいました。

グループごとにチェックインの手続きをするというので、整理券を取りに行きました。グループ5でした。すぐには呼ばれないだろうと自販機で梅ジュースを買って飲みました。梅のエキスが身体に沁みました。やっぱり炎天下の移動は負担がかかっていたようです。タクシーで移動したほうが楽だったかもしれません。でも一人だと勿体なくて乗れません。

チェックインで最初に呼ばれたのは高い料金のお部屋の方々のようでした。その後、順番が来て手続きに。手荷物検査(空港みたいでした)、パスポートの確認、そしてあのメダリオンのついたストラップが渡されました。船室の鍵になるものですが、これ一つで船の中で買った物の会計もできるのです。大きさはエア・タグと同じです。エア・タグ用のリストバンド等が使えます。

重いキャリーバッグを預けて船内に向かったのが11時過ぎでした。なんとお昼前に乗船できました。デッキ6(フィエスタ)からの乗船です。


ここでちょっと説明。船では6階とは言わずデッキ6と言います。さらに数字ではなく名まえがついています。フィエスタデッキと言えばデッキ6のこと。客室の番号の頭にはデッキの頭文字がつくのでデッキ6の客室番号はFで始まります。


船内は音楽が鳴り響いていました。ラ・バンバなんて聞いたの何年ぶりでしょうか。

旅行会社のスタッフの説明があると案内されていたのでその場所に行きました。12時から16時に一時間ごとに乗客への説明会をするということでしたが、12時説明の乗客が多いので後の時間にお願いしますということでした。ここで私は例の郵便料金の件を思い出し、別の手の空いているように見えたスタッフの方に小声で伝えました。このスタッフは聞いていなかったようでした。ありがちな話だなと思いました。そりゃそうでしょう200人以上の客を数人で面倒みるわけですから。結局説明会の後で不足分を頂きました。




というわけでまずは船内をうろうろ。デッキ5からデッキ7までの吹き抜けのきらびやかさを眺めつつ空いたソファに座って船内のWifiに接続しスマホのアプリで避難訓練のビデオを見ました。わかりやすい絵でしたが、船から海に飛び込む際の方法まで説明されていてちょっと怖くなりました。その後避難場所となっている場所で機械にメダリオンをかざし避難訓練は終わりました。乗客は避難訓練を必ずしなければなりません。しない人が一人でもいると出港できないとか。

昼食はデッキ14(リド)の後方にあるホライゾンコートへ。エレベーターには日本人だけでなく海外の方も。緊張します。

ホライゾンコートの入り口に手洗いがあったので手を洗いました。少し重い皿にパンやサラダ、ハム、肉料理、スイカ等を食べ過ぎないようにそれぞれ量少な目で入れていきました。ついでに水もコップに入れ空いている席に座りやっと一息。

窓から今朝まで泊まっていたホテルや赤レンガ倉庫が見えたので写真を撮りました。

この辺の記憶は曖昧です。安心したからでしょうか。

食事の後、旅行会社の説明を聞き、会社独自の新聞をもらいました。寄港地での緊急連絡先の電話番号や船内でのスタッフの連絡先、ツアーデスクの場所の他金庫の使い方などの情報が掲載されていました。

説明会の後、吹き抜けのあたりをうろうろしていると、部屋の用意ができましたとの船内放送。急いで部屋へ向かいました。




部屋はデッキ5(プラザ)の左舷。中央に近い部屋でした。部屋番号はすでにアプリや旅行会社からのお知らせでわかっていました。デッキプラン(船内地図)でも確認していました。でも実際に行ってみると迷ってしまいました。皆同じようなドアですから。

どうにか部屋の前まで来ると自分のスーツケースとキャリーバッグが置いてありました。部屋番号を確認していると鍵が開きました。メダリオンを探知したのです。感動しました。

中に入るとエアコンがよく効いていました。やや乾燥している感じです。

机の上には船内新聞等が置かれていました。注文していた水12本も届いていました。冷蔵庫が空なのでそこに入れました。

次に部屋の水回りを点検。トイレの水、洗面所の水道、それからシャワー。全部異状ありません。

バスローブ・スリッパ等の備品もあります。

それからが大忙しでした。スーツケースから服を出しウォークインクロゼットのハンガーにかけていきます。ハンガーは信じられないほどたくさんありました。20はあったかもしれません。収納もたっぷりあります。小物は机やベッドサイドの抽斗に。雨具やバッグは姿見の裏の棚に。必要なものはすべて収納できました。たぶん夫の荷物があっても全部収納できたでしょう。

マグネットフックを壁に付けてストラップや帽子等を掛けました。

スーツケースとキャリーバッグは鍵をかけてベッドの下に。

それから昨日と一昨日着た物を持参した袋に入れ洗剤とメダリオンを持ってランドリーへ向かいました。

ランドリーは左舷側にあったのですぐ見つかりました。

メダリオンをかざすと洗濯機用のメダルが買えました。3ドルです。後で船内会計に計上されます。

上下二段に機械があり、上段が乾燥機、下段が洗濯機です。ネット動画で見た通りでした。メダルを入れ洗濯開始です。30分ほどかかるのでしばらく休憩しようと同じデッキにある吹き抜けに近い場所に行き空いていたソファに座りました。とても座り心地のいいソファでした。このまま眠ってしまいそうでした。

そこへウェイターらしき紳士が。どうやら飲み物はいかがですかと言っているようです。

ちょっとしたものを飲むくらいならいいかなと思い、片言の英語でアルコールフリーのものを頼みました。有料ですがアルコールよりは安いでしょうから。

来たのはライムソーダでした。疲れた身体に沁み込んでいくようでした。が突然何か硬く苦い物を噛んでしまいました。どうやらライムの種が入っていたようです。ライムを絞って作っているからなのでしょう。種は毒ではないから良しとしましょう。後で確認したら8.26ドル! 7ドルがライムソーダの値段。7ドルの18パーセントにあたる1.26ドルはチップでした。ソフトドリンクとはいえなかなかハードなお値段です。

この後、洗濯物を回収し部屋に干しました。再び部屋を出て戻って来た時には化学繊維のものは乾いていました。




出港祝いの鏡割りを見ることはできませんでしたが、出港は見ることができました。

4時にデッキ14に上がると、出港パーティが始まっていました。

ネットでD・Pを検索してあがってくる動画では航海一日目はお約束のように出港シーンが見られます。それとほぼ同じ光景が目の前で繰り広げられていました。

音楽やダンスで盛り上がる人たち。アルコールの入ったグラスを手にしている人もいます。なんとプールに入っている人もいます。

浴衣を着た船のマスコットが乗客と写真を撮っています。そういうの苦手だなと思ってたらつかまりました。マスコットと並んで写真を撮られる羽目に。たぶん私の顔は引きつっていたと思います。

いつの間にか船はさん橋から離れていました。

一番盛り上がるのは横浜ベイブリッジをくぐる時。ベイブリッジの海面からの高さは55メートル。D・Pの水面上の高さは54メートル。ぎりぎりですがくぐれない高さではありません。わかっていてもくぐれた時は大歓声。私も声をあげていました。

しばらく音楽を聴きながら遠ざかる横浜の街を見ていました。足元が少し揺れているのに気づきましたが、これまで乗ってきたどの船よりも小さな揺れでした。

船酔い大丈夫かも……。




まだまだ一日目は続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ