表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

手に入らないものたちシリーズ

手に入らない魔法

作者: リィズ・ブランディシュカ



 すごい魔法使いになる。


 そんな夢を見た子供の私は、毎日修行を頑張った。


 たくさんの魔法を覚えたし、色々な魔法の道具を手に入れた。


 けれど、どうしても手に入らない魔法があった。


 それは、時間をさかのぼる魔法だった。


 魔法を覚えるための本……魔導書の全てには、なぜか人間には習得できないと書かれていた。


 すごい魔法使いになるためには、必要なのに。


 それから何十年も月日が経った。


 私は大人に成長し、多くの人に慕われる魔法使いになった。


 しかしそれでも時間をさかのぼる魔法だけは、手に入らなかった。


 完璧な魔法使いではないけれど、夢は叶わなかったけれど、今の私はそれで良いと思っている。


 なぜなら、私が過去にさかのぼることで、人の運命を変えてしまう危険性があるから。


 そうなると、生まれてこない子供達がきっと出てくるだろう。


「先生、今日もたくさん魔法を教えて!」

「僕が先だよ!」

「ずるーい、私が先よ!」


 だから手に入らない魔法は、手に入らないままで良いのだ。


 たくさんの子供達の笑顔を見つめながら、私は心の底からそう思った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ