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5話 国家公認冒険者としての初仕事

誤字があれば報告待っています

ノーザングレカンタの中央広場へ行くと、既にフランとデントが待っていた。

「ポーラ、家出したって本当なの…?」

フランが心配そうに言うと、デントも神妙な顔をして

「ポーラが家でしたって聞いて俺も家出してきた。」

「はぁ?!別にそこまでしなくても大丈夫だったのに…だってアンタ農場の跡継ぎなんでしょ?」

ポーラが説得してもデントは聞き入れず、覚悟を決めていた。

アホだな…俺の若い頃見てるみてぇだ。俺も若い頃に賊に憧れて入ったからな

「だ…大丈夫ですか…?」

昔のことを思い出して笑っているとフランが気味悪そうに見てくる。フランはまだ俺を変質者だと思っているらしい。

「おう大丈夫だ。フランはこのままついてくるのか?」

「そうですねぇ…」

とフランが考え込むとポーラが割ってはいってきた。

「ヴォース!いきなりそんな事言っても難しいでしょ?ねぇ?フラン」

フランは、顔をあげて

「ごめんなさい…やっぱりこれから先はついて行けないです。」

ポーラはフランの意思を尊重しようとするが、ついてきてほしいと言うのが表情に現れていた。

「まぁ…仕方ないこれだけは人の人生かかってるから他人がどうこう言うことじゃない。そんで、フランは今日はついてくるのか?」

「はい、まだ考えたいというか…もうちょっと…そうですね。」

デントは、重たい空気を払うように

「公認冒険者の資格を与えられるんだよな?今日」とポーラに話し始める。

「なんで、そんなことになったんだよ?急に」

ポーラは面倒くさそうにしながら、事情を話すと、デントとフランは顔をひきつらせていた。

「お前たちなんでそんなに変な顔してんだ?」

俺が不思議そうに言うとデントが、

「バーチャって…ロウスタリアでは最恐の悪霊ですよ?しかも…一発で倒したんですね…」

「まぁな…結構苦戦したぞ?」

笑いながら応えてふと、フランの方へ視線を移すと…

「ヒッ…」ビクッ

フランが俺をさらに怖がり始める。

「フラン俺は別に怖くねぇぞ」

フランの方へ近づいていこうとすると、デントが俺を止める。

「ん?」

「あの…フラン本当にそういうの苦手なんでやめて下さい。」

いつもふざけた顔をするデントが真面目な顔になっていたのでやめた。でも、そういうのって…なんだよ。

俺達4人は、組合長ロットのいる組合所へ向かった。

「へぇ〜、ノーザングレカンタの組合所ってデカイんだな。」

俺が入口で立ち止まっていると、ポーラとデント、フランは先々入っていった。

俺も入っていくと、ロットが組合員の女性を連れて出迎えてくれた。

「さっそくですが…あなた方に、公認冒険者のライセンスを交付します。紛失すると…手続きが厄介なので紛失しないように」

代表者のポーラがライセンスを受け取ると、ロットは、

「私はこれから用事があるので、これからはこのスリアさんが説明を代わりにしますので」

と話すといそいそ消えてしまった。

「え〜と。これからあなた方の専属サポートになりますスリアです。改めてよろしくお願いします。これから簡単な公認冒険者としての仕事などを話していきますので…まぁ適当に聞き流していただいて大丈夫です!私がサポートするのでっ!」

と自信ありそうに話す

「サポートってことはずっと冒険についてきてくれるの?」

「あ、いえいえ、私達はこの連絡石と呼ばれる特殊な水晶でサポートを行います。新しい仕事の依頼とかを連絡するのに使いますね。あとは負傷者が出たときの措置とか…まぁ、色々ですね!」

やや適当な気もするが…まぁいっか。

しかし、ポーラはクレーマのように文句を言い出した。

「はぁ?なにがいろいろですなの?もっと教えてよそれでもあんたここの職員なの?ねぇ?」

いろいろごねていると、デントが、恥ずかしそうにポーラをなだめる。

「適当で申し訳ないです。ですが、ここで説明するよりも実際に公認冒険者として活動していくうちに覚えたほうがはやいので」

なるほど。わりとしっかりした考えがあるんだな。

ポーラはやや納得いってなかったようだが、さっそく依頼書を渡された。

ポーラが受け取った依頼書を覗くと…

________________________________

【北方エール地方の鉱脈事前調査】

 北方エール地方で、金鉱山が発見されたので採掘場建設の事前調査として、3組の公認冒険者を派遣してほしいとの依頼です。

報酬は、以下に記載します。

基本依頼料:30000ヴィント

特別報酬:最大1000000ヴィント

________________________________

とあった。


「なんで、事前調査でこんなに報酬が高いんだ?」

俺が不思議そうにしていると、ポーラやデントたちも同様だった。

スリアさんは俺が質問すると少し怪しい感じの受け答えをした。

「そうですね…まぁ、事故とか不測の事態もあるのでこのくらいが妥当かと…ハハハ」

フランは、意外にも前向きだった。

「いいと思います。報酬も高いですし。この変…ヴォースさんもいますし。」

変…?まぁいいか。

デントは、また心配事を言い出した。

「この依頼書にあるエール地方ってここから歩いていくと2週間くらいかかるし…しかもこの金鉱山自体知らないし…スリアさん僕たちじゃ多分かなり時間かかると思いますよ。」

スリアさんは笑っていた。

「ああ!そのことなら大丈夫です!魔力機動馬車を手配してますし、目的地も吹き込んであるので迷う心配ないですよ。2日で着くと思います。」

「「「「魔力機動馬車?」」」」

声を揃えてそう言うと、スリアさんが説明を始めた。

スリアさんによると、魔力機動馬車は名前の通り魔力で動く馬車で、動力源になっているのは古代の魔物の化石だという。

スリアさんは説明を終えると、俺達に待つように言って組合所の事務室の方へ入っていった。

その間に、俺はフランに質問する。

「おい、俺達はこのまま鉱山へ行くが、どうすんだ?一晩二晩で帰ってこれないそうだがついてくるのか?」

そう聞くとフランは黙り込む。

ポーラは気を利かせてフランに話しかける。

「突然、3日以上留守にしたら家族が混乱するよね?…」

「いえ、行きます。みんさんの本気が伝わってきて、おいて行かれたく無いです!」

フランははっきりとそう言った。

「でも、行方不明だのと騒ぎになったら面倒だろ?デントやポーラみたいに家出ではないしな」

「そうですね…」

「わかった。じゃあ、馬車が鉱山へついたら迎えに行ってやる。それで仕事が終わったら俺がまた背中に乗せて送ってやる。空飛べば1、2時間もあれば着く。」


というと、フランは明るい表情になったがデントとポーラは呆れていた。

「なんでそんな顔してるんだ?」

「ヴォース…あんた本当に何者なの?」

「あ?俺はただのノーフ人だ」

そんなふうに話していると、スリアさんが大きな荷物を背中と両手に抱えてやってきた。

「みな…みなさん…これから必要になってくる物資ですぅ…おもい…ロット組合長から頂きました」

ドスッ

「へぇ気が利くな、どれどれ…」

俺がすぐにバッグを物色しだすと3人は冷たい目で見ていた。

「図々しい…」

「あ?なんだ?」

バッグの中には食べ物やなんやら武器になるものが色々入っていた。これらも追々スリアさんが説明してくれるらしい。

そしていよいよ魔力機動馬車へ案内された。

「かっこいいですね!こんな馬車初めて見た!」

デントが目を輝かせて眺めていた。ポーラとフランはあんまり関心なさそうにすぐに馬車へと入っていった。

「デント、俺の星じゃもっとすごいものがあるぞ自動車とか…電車とか…色々」

「へぇ〜一回行ってみたいです!」

「…そうだな。」






そして3日後、エール地方の鉱山へ着いた。

「いやぁ〜長かったな。」

俺は数時間前にフランを迎えに行ったので特に長く感じる。

「フランは平気か?」

「あ、はい。ありがとうございます!なんか、初めて空飛んだんですが夢の中でフワァ〜と飛んでるみたいで楽しかった〜です!」

「…………???」

「あ、なんでもないです」

そう言い照れ笑いをした。


その後、ポーラとフランは依頼人の下へ行って内容を確認しにいった。

「デント、俺達は少し散策でもするか。」

「あ、はい!あっちで採掘作業していたのでもしかしたら俺達もみつけられるかもしれせんよ!」

ウキウキしながら二人で採掘現場へ向かっていると、異様な男二人がこちらへやってきた。

二人のうち片方の腹がまるまる太った中年オヤジが話しかけてきた。

「やぁやぁ!お二人さん。公認冒険者だよねぇ?ワシらもそうなんだ!」

「へぇ?」

「ヴォースさん、あんまりかかわらないほうがいいと思います」

デントが、二人の男の異様さに気づいて、離れようと促すが面白そうなので話してみることにした。

「俺はヴォースで、こいつはデントだ。お前たちと同じく公認冒険者。お前たちの名前は?」

「聞いて驚くなよぉ〜ん!俺はかつてこの世を震撼させた皇帝殺しの男ジェル・グリズリーだ!そして、こいつは俺の相棒で猫と人間のハーフの獣人カイルだ!カイちゃーん!挨拶しないとダ・メ・な・の・よ♡」

よく見てみると、太った親父の相方は人間みたいなぶちねこだった。

「!?猫か?、人か?」

「ヴォースさん…獣人ですよ!これこの世界だと常識なんで、疑われますからやめて下さい。」

「あ、あぁ獣人か知ってる知ってる。」

危ない…デントの言う通り異星の人間だとあまり他の人に知られすぎると厄介なことになるからな…

「ほら!カイちゃん挨拶しなさい」

そう言いながら、ジェル・グリズリーはカイルに挨拶するよう促した。

「ごめぇ~ん」

「こらこら!カイちゃーんしっかり挨拶しなきゃダ・メ・な・の・よ♡」

なんだなんだ?こいつら

「ほらほら!カイちゃん挨拶しなさい!」

「ごめぇ~ん」

「カイちゃーん!挨拶しなきゃダ・メ・な・の・よ♡」

あ、ダメだ。こいつら正気じゃねぇな。

俺は小声でデントにつぶやく。

「やばいぞコイツら…さっさと立ち去るぞ!」

「そ、そうっすね…」

俺とデントは、二人から静かに立ち去ろうとした。

「お二人さーん!勝手に逃げちゃイ・ヤ・な・の・よ♡」

あ、ヤベ…バレたか。

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