表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

2話 隠された力


「着いた、此処の集会所で私達は依頼を受けているの、でも国家公認の冒険者は此処とは違う国立集会所で依頼を受けているわ」

「国家公認の冒険者ってのは何だ?遊びじゃねぇのか?」

「はぁ…呆れたこれは遊びじゃないって言ってるでしょ!お父さんと同じ事言うのね、国家公認冒険者って言うのは一定のモンスター討伐の実績や未開の土地の記録をした冒険者が国家から認められて、国から色々援助を受けられたり冒険者の中でも名誉のある資格なのよ」

「へぇ…一定の成績か、例えばどんな事をすればなれんだ?」

「それは…分からないわ、でも兎に角たくさん依頼を受けてどんどん成果を上げていたらある日突然集会所から国家公認の話がくるみたい」


じゃあ結局今は唯のガキの遊びか…

「はぁ…」

「アンタ、今呆れたでしょ?言っておくけどね国家公認じゃなくても依頼を受ければ報酬を貰えるわよ?」

「本当か?」

「えぇ」

「で、お前は稼げてんのか?」

「私の身なりを見てそう思えるのなら、アンタの頭はお花畑でいいわね」

「んだよ…結局小遣い程度かよ」

「…これは私達が弱いだけよ…強いモンスターを倒したり、新しい土地を発見したりすると大金が貰えたりするわ」

「それは良いな」

「アンタぐらい強ければ夢じゃないわね?」ニヤ

コイツ…俺を顎で使う気だな…

「…んで仲間は?」

「多分もう少しすれば来ると思うわ、いつもみんな起きたい時に起きたり、やりたくない時は来ない時もあるの」



数分後


「ポーラおはよう!」

金髪で快活な青年が話しかけてきた

「あ、来たわね」

「貴方がポーラが言ってたヴォースさんですか、初めましてデントです、よろしくお願いします!」

「あぁ」

また、ガキか…うるさくなるな

「いつもは一番乗りなのに珍しいわね」

「あぁ、一昨日の夜に牛が出産したからその手伝いしてたんだ」

「お前も農家なのか?」

「あ、はい家業なので本当は継がないと行けないんですが、俺は国家公認冒険者を目指してるんで断ってます!」


コイツも目指してんのか、公認冒険者ってのは一体何なんだ?


「おはよう!ごめん、待った?」

赤髪で耳が長く尖っている少し暗そうなエルフの少女が話しかけて来た


「お、来た!」

「この子がうちのメンバーの中で一番強い魔法使いのフランよ」

「よ、よろしくお願いします!」

「あぁよろしくな、んで後何人来るんだ?」

「何人ってこれで全員よ?」

デントとフランも頷く

「マジか…」

もっと多いのかと思っていたが、ガキ3人だけなのか…

「さぁ、今日も依頼を頑張るわよ!」


ポーラはそう言うと、受付まで行った

「依頼受けてきたわよ、ツメガニを海まで行って採集しに行く依頼よ」

「は?んなのしかねぇのか?で、報酬は?」

「50ヴィント」

「それってどれくらいの価値なんだ?」

「か、果汁酒一杯程度です…」

はぁ…あんだけ稼げると俺に急ぎ立てたのは何だったんだ


「け、けどこれはまだまだ私達が弱いだけだからこれからたくさんクエストを受けて強くなれば、強いモンスターと戦ったりして報酬が高いクエストを受けれるから」

そう言うとデントも

「ヴォースさん、そんな贅沢言わずにコツコツ行きましょう!」


ガキのくせに…



「着いたわよ!今からこのカゴいっぱいにツメガニを集めて」

そう言うとポーラはツメガニを探し始めた。


乗る気になんねぇな…こんなのただの漁師じゃねぇか、どこが冒険者だよ


「ヴォースさんボーッとしてないでしっかり集めて下さい!」

フランが怒ってきた

「あ、あぁ」

こうして四人で暫くの間集めていると…



「っし、見てみろデント、俺のほうが集まってるぞ…」

「いやいや、俺のほうが集まってるでしょ!」

「……これ美味そうだな」ボリボリボリボリ

「う、うわぁ…ヴォースさんそれ食べれませんよ」

「大丈夫よ、そいつなんでも食べるから」

「…キモ」

「あん?フラン何か言ったか?」

「そんな事してないで集めてください!夜になっても終わらないですよ!」


すると突然

ゴゴゴゴゴゴ

「あ?何だ?おいお前ら何か今鳴らなかったか?」

「そう?何も聴こえなかったわよ?ねぇ?」

「「うん」」

ポーラがそう言うと二人は頷いた、どうやら音に気付いたのは俺だけみてぇだな

「おいデント俺ちょっと行ってくる、すぐに戻るからアイツらに聞かれた小便に行ったって言っといてくれ」

「ちょっ…ヴォースさん!どこ行くんですか急に……ってもういない!?」



「この辺りか?」

俺は音がした方向の海から少し離れた林へ来た林の中へ入って行くと


ドンッドンッ


「やっぱり音がするな」



すると突然

バシンッ!バシンッ!

目の前に大きなゴツゴツとした青いトカゲが鞭のような尻尾で俺を威嚇してきた

「なんだお前?トカゲか?」

ドサドサドサ…

トカゲが俺の方へ向かって来た

「おいおいやんのか?仕方ねぇなぁ」


「デント、ヴォースどこ行ったの?」

「ヴォースさんならトイレ行くとか言ってたよ」

「変なことしてなかったらいいけど…」



ズリッズリッ

「おい!デント、トカゲ取ってきたぞ!」

ズリッズリッ


「どこへ行ってた…ってえぇえ!?」

「それって、中級者でも一人で倒せないアースドラゴンじゃないですか!」

「コレが?」

「ど、ど、どうやって倒したんですか!?」

「あ?普通に蹴飛ばしただけだぞ?」

こんな弱いトカゲがドラゴンか…

「とにかくそこで待っていて下さい!ポーラとフラン呼んできます」



「…遅せぇな」

「おい、おっさん!そいつは俺等が狙ってた獲物だぞ?」

デント達を待っていると小汚い格好をした冒険者が話しかけてきた

「オッサン初級の冒険者だろ?格上の冒険者の獲物を横取りしていいんですかぁ?えぇ?」ニヤニヤ

鬱陶しいな…

「関係なぇな、俺が倒したんだから俺の物だやるわけねぇだろ」

「はぁ…オッサン俺等が弱らせたのに自分が倒したと思ってんの?」ニヤニヤ

「ガル、そんなおっさん早く殺して帰ろうよ」

「おう!そうだな、つーことで俺の女もそう言ってるんでさっさと殺りまーす」


その時デントがポーラ達を連れて戻って来ると

「おい、ポーラ!二人をちょっと離れとけ…分かったな」

ヴォースがそう言うと、ポーラは何かを察して

「分かった…でもあんまり滅茶苦茶しないでよ」

三人が場を離れた

「こんなトカゲなんてすぐに倒せんだろ?倒してみろよ自分で」

「ブハハハ!このおっさんまだ言ってるぞ俺等が弱らせおかげなのに」

「おっさんキモ」

「ガルさん今回は手加減無しでいいんじゃ無いッスカ」

「そうだな、言っても分からない奴は徹底的に殺ろう」


ニチャア…っとヴォースが不気味な笑みを浮かばせた

「キンモダメだと悟ったか?おっさん」

「自然よ、我が身に力をお与えください…我が身に炎の化身を…燃え尽きろフィウダルトォ!」


ガルが放った炎の矢がヴォースの胸に命中したが…


「跳ね返った!?」

「それだけか?」ニチャァ

「お、お前何者だ?」

「ガルさん、ウルラさん落ち着いて下さい!どうせ何かを仕掛けただけッス」


ニチャァ…またヴォースは不気味な笑みを浮かばせた

「いいもの見せてくれた礼に俺もいいものみせてやる」グググッ

ヴォースは左手に力を入れ始めると、みるみる腕が膨らんできた。

「お、お前何始める気だっ!」

「黙って見とけ…」

すると今度は腕がしぼみ始め、手のひらに半透明で微かに赤みのある炎の様な物体が現れた。

「見てろッッッ!」

『熱波砲ォォォォォォ!!!』

ズッドンッッッ!!!

ヴォースから放たれた熱波砲はガル達の間を通り抜け、数十キロ先の大きな山へ激突した。

バッゴォォォンッッ!パラパラパラパラッ

周りは大きな轟音と揺れに見舞われ、暫くすると落ち着き始めた。



「テメェ等後ろ見てみろよ」

少し衝撃が落ち着くとヴォースは後ろを見るように促した

「ッッ!?山がッ!?」

なんとヴォースが放った熱波砲一発で山の大半が吹き飛んでいた

「ヒッイヤァァァァァ!!」

ウルラが声を上げ逃げると他の二人も尻尾を巻いて逃げて行く



「この世界ちょろいな…しかし熱波砲久しぶりに出したら疲れるな…」




その頃ポーラ達は

あの音もしかして…ヴォースが何かやったんじゃ

ポーラがそう思っているとフランが

「ねぇ…二人共あれ見て…山が消えてる」


「ッ!!!!」

「ヴォースさん大丈夫かな?…それともヴォースさんが山を…」

デントがそう言うとポーラは

「そそ、そんなわけ無いでしょ」

絶対アイツだ…



「お前らそこに居たのか」

「ヴォースさんあの人達はどうなったんですか?」

「逃げたぞ、山割ったら全員散り散りにな」

そう言うとフランが反応し

「あの山…割ったんですか?」

「んん!」ギロ

そうフランが言うとポーラがヴォースを睨み咳払いをした

「………いや、違う隕石が山に落ちてあの冒険者達と俺も避難して来ただけだ」

ポーラには力を隠せって言われたんだったな…はぁ面倒くせぇな

「へぇ〜そうだったんですね」

フランは目を細めて言った

「そう言えば、今日隕石落ちるって言ってたわね」

冷や汗をかきながらポーラは苦し紛れの嘘をついた


「さぁ、それよりもそのアースドラゴンを集会所へ持って行くわよ!」

「肉は俺のだぞ」




ヴォースたちは集会所へ行き、アースドラゴンを売りに行くと鑑定士が

「これって…貴方達のレベルでは倒せないですよね…?誰か協力者いたんですか?」

「あ、そうなんですよ中級者の方たちに助けてもらいました」

ポーラはなんとか嘘をついてアースドラゴンを換金した

「このお金で防具と剣を買おう!」

「いやいや、俺が倒したんだから飯の金にするぞ」

「でも、俺達も強くならないとヴォースさんもいつまで経っても稼げないですよ?」

「まぁ…それもそうか…でも安い物にしろよ」

「私も新しい杖を買ってもいいでしょうか?」

フランもいつもより乗り気だった



「ヴォース、アンタこれなんか似合うんじゃない?」


こんなの似合う訳ねぇだろ…ポーラが持って来たのは鹿の頭骨をヘルムにしたものだった。


「俺は防具なんかいらねぇよ」


「合計で90000ヴィントになります」

「高けぇな…」

コイツ等…俺の金で好き放題買い漁りやがって

「ヴォースさんありがとう!こんないい剣俺持った事ないです!」

「私もこんな高価な杖ありがとうございます!」

「あぁ…でポーラお前は?」

「え?あぁ、ありがとありがと」

お前が一番高い防具買ったんだぞ…

「いい防具も買ったし明日はちょっと強めのクエストに行くわよ!」

「あぁ、そうだなまぁ…今日は疲れたしもう帰るぞ」


そうヴォースが言い四人は解散し、家に帰った




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ