1話 新生活
ガキのあとにつき歩いて2日ようやく村へ着いた。
「此処で俺の新しい生活が始まるのか、此処では悪さをしないで真面目に生きるって事をしてみるか」
こう言うが、いつも数日で諦めてしまう。
ガキが俺を家の前で待っているような事をジェスチャーで伝えてきたから俺は待っていた
「ガキの親共は断るだろうな…」
暫く待っていると、漸くガキが出てきたと思ったら、ガキの親父と弟らしき奴等も一緒に出てきた。
親父らしき奴は俺にすごい形相で何か叫んでいた。
『貴様、俺の娘に手を出したのかッッ!!』
コイツ何怒ってんだ?せっかく娘助けてやったてのに…
『お父さん、コイツちょっと変わってて頭おかしいけど多分悪い人ではないから!馬小屋でもいいから泊まらせてあげてお願い!』
俺を庇っているのか?
『ちょっと変わってて頭がおかしい!?そんな奴を泊めるわけにはいかん!』
『お願いお父さんちゃんと世話するから!』
『………分かった、ただし家に絶対入れるなよ!』
『ありがとうお父さん!』
『ほら、此処で泊まってもいいってでも絶対に家の中に入っちゃダメだよ?』
ガキは馬小屋を指差していたが…まさか俺をこんな家畜と一緒に寝ろって事じゃ無いよな?
ガキの指差す方向を見ると、人一人寝るスペースと寝れるように藁の枕と布が敷かれていた
マジか…助けたってのにこんな扱いか…
「はぁ…まぁ寝れるだけマシか…」
その夜寝ていると、ガキの弟らしき奴が小屋へ来た
「んだ?小僧こんな夜中に」
『おじさんほんとに僕たちの言葉分かんないだね…どこから来たの?』
るっせぇな、チビに構ってたら帰らねぇからな無視するか…
『ねえねえおじさん?』
無視していたら肩を揺すってきやがったこのクソガキしつけぇな
『言葉分かんないと困ると思うから、僕が小さい頃に使っていた本置いとくね!しっかりお勉強するんだよ!じゃあいくねバイバイ!』
小僧が立ち去っていた
何の本置いていったんだ?
本を開くと、子供用の文字の学習書のようなものだった。
『あ』
おお!声がしやがった!
その本は魔法で細工されていて、文字の発音を吹き込んだ物だった、それをヴォースは夢中でその本を読み進めた。
これは多分挨拶だな
それで、これが質問する時の言葉か…絵と音声があるから分かりやすいな
それから次の日の朝。
ガキの親父が現れた
『おい、お前泊めてやってるんだから家畜の世話をしろ!』
俺に掃除用具を渡してきた。これで掃除しろっていうのか
そこから俺は家畜の世話を続ける毎日を送るようになった。
夜
「んん?なんか馬小屋の方で臭うぞあの妙なデカブツがおかしな事をしてないかポーラ見てきなさい」
「えぇ…」
「ルート、お前もだぞお姉ちゃん一人だと危ないからな」
「…あいつ何してるのかな?」
「ヴッ!姉ちゃん…すごいにおいしてきた………………お、おじさんなんか食べてるよ…」
「ギャァァァァァ!!」
ボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリッ
「ん?なんだお前らこんな夜に、飯ならやらんぞ俺が獲ってきたものだからな」ボリボリボリボリ
「アンタ…それ…何…?ってかいるわけないでしょ!?」
「あん?何って…ほんとなんだコレ?まぁ、美味いから何でもいいか」
弟は青褪めた顔で
「お、お姉ちゃん…あれって多分テイオウゴキブリだ」
「テイオウゴキブリ!?ムリムリムリムリ!?」
そういいながら二人は立ち去っていった。
「おかしいなあいつ等うまいに。ゴキブリ?何だそれ美味ぇのになお前」ボリボリボリ
さぁ…明日からも頑張るか面倒くさいけど…
これぐらい出来れば俺もこの星で充分に生きられるなだが、まだ言葉があんまり上手く話せねぇから頑張るか
俺は昼間は家畜の世話を夜は言語の勉強をする生活を続け、段々と言葉が話せるようになり、リスニングは完璧になっていた。
そんなある日いつものように勉強をしていると、ガキが小屋にやって来た。
「勉強頑張ってるのね」
「どうした?こんな夜中に、お前の親父にバレると俺も追い出されるから勘弁してくれよ」
「フフッそうね…そういえば名前、名前聞いてなかったわねなんていう名前なの?」
そういや俺もガキの名前を知らなかったな
「俺はヴォースだなんでも強くなって欲しいからつけたらしい、ガキお前の名前はなんだ?」
「ポーラよ。お母さんがつけたけど弟が生まれてすぐに死んじゃったから由来は分からないわ」
「改めてよろしくなポーラ」
「なんかアンタに名前呼ばれるの気持ち悪いわね」
気持ち悪いって…コイツ言葉覚えて分かったがあんまり俺に対して好感抱いて無いな
「ヴォース、アンタどこの国から来たの?それとも転生者ってやつ?普通の人ってわけじゃ無いわよね」
「ノーフって云う惑星だ、俺はまぁ悪事をしてな星流しにあってここに来た」
「星流し?」
「ああ、俺はノーフでまぁさっきも言ったように悪事を働いてな、んで罰として遠くの星に流される事になって此処に来た。だからここでの常識とか…あとお前等魔法とか使うだろ?そういったやつは俺たちの星ではあり得ない」
ゴキブリ平気で食べてたのも納得ね…
「何考えてんだお前?」
「あ…いやな、なんでもないわよ」
そう言うと、ポーラは蝋燭に手を当てたすると蝋燭に火がついた。
「すげぇな、お前も魔法使えるんだな」
「フフッほんとに何も知らないのねこんなの誰でも使える初級の魔法よ」
「俺も使えるのか?」
「やってみて」
ヴォースも近くにあったわらに火をつけようとした「……つかねぇな」
「ホントね…こんな人っているのね」
「んだよ馬鹿にしてんのか?もういいわ寝る」
「まぁでもアンタ、バカみたいな力あるし魔法も効かない?みたいだし上手くいくと思うわよ」
「何が上手くいくんだ?」
「まぁね、また明日お休みなさい」
次の日の昼、ヴォースが馬小屋で作業をしていると再びポーラがやって来た。
「ヴォース昨日の話の続きだけど、冒険者にならない?アンタ強いから活躍できると思うの」
冒険者、何だそれ?
「それは仕事なのか?」
「ええ、立派な仕事よモンスターを倒したり、未開の地へ行って王国へ報告したりするのが仕事よ」
「ポーラが朝から夜まで行っている仕事ってそれか?」
「一応ね。下っ端の冒険者だからほとんど収入とかないけどね」
面白そうだな、俺はこの為に星流しになったのかもしれねぇな(※ただ悪い事をして流された流刑人です)
「俺にもできんのか?」
「ええ、私のとこへ入ってよ?」
「お前がリーダーをしてるのか?」
「ええ、チーム全員弱いからアンタが入れば嬉しいわ!」
「ああ、いいぞ入ってやる」
って言ってたけど、本当に仕事なのか?ガキの遊びかもしれないな
翌朝、ポーラは俺と出かけられるように頼み、俺はポーラの冒険者仲間と会う事になった
「これから会いに行くけど、モンスターとの戦闘になるときとか、この前みたいな馬鹿力は使わないように!」
「なんでだ?別にすぐに倒せると仲間も喜ぶだろ」
「はぁ…何で分かんないよ…アンタは異常なのよ!分かる?その力を見たら前の私みたいに怖がってしまうから本当にピンチになった時だけにして!」
「お前あの時怖がってたのかよ…」
「とにかく力を抑えつつ戦って!そうでないと加入させてあげないわよ」
「誰も頼んでねぇよ、分かった分かった節制するったく…」
その後、ヴォースとポーラは、集会所へと向かった