序章 異星へ
思い付きでパパッと書いてみました気軽に見ていって下さい
「ヴォース、お前を星流しの刑に処す。罪人を宇宙船に乗せろ!直ちに移送する。」
俺は好き勝手に行き過ぎた。もう永遠に故郷の星へは帰れないだろう。
「着いたぞ!ヴォースの顔を布で覆え」
ドンッッ!!
俺は勢いよく知らない星へ投げ出された。
ドカンッ!頭から地面に叩きつけられた。
「いっ…」ポキポキ
チッ、こんな何もない星に送りやがって
「腹減った…」
周りには街も人も無かった。
そこから三日程歩き続けると城塞が見えた。
「お!おおお〜!街があった!」
街の入り口に向かうと鎧を着た兵士が立っていた。
『通行証を見せろ』
「はぁ?」
何と言ってるか全く分からない。
『無ければ去れ』
剣を向けてきやがった!
「わ、分かったよ!何だよクソが!」
面倒事は嫌なので他に隠れて入れるところはないか探してみることにした。
「入れるところねぇかな…」
ここへ入れねぇと野宿になる…それだけは嫌だな
壁沿いを歩いていると、汚い衣を羽織った少女が蹲っていた。
「お前も入れないのか?俺も入れないんだよな…って分からねぇよなはぁ…」
『誰だお前近寄るな!!』
少女は酷く怖がり、ヴォースから逃げようとしていたが、ヴォースは助けて欲しいのだと勘違いし、
「お前助けて欲しいのか?仕方ねぇなぁ…ほんとはこんなとこで使うと面倒だが…」
少女を抱き上げた
『暴漢っ!離せっ!』
「暴れんなクソガキ!殴るぞ!」
そんなに街に入りてぇのか?
ズダンッッ!!ヴォースはおよそ15メートルはある壁を軽々飛び上がり、壁の上へ立つと
「こんなとこから入ってんのがバレたらまた面倒になんな」
『ギャー!!化け物!この化け物ォオ!!』
「るっせぇなぁバレたら面倒だろうが」ドン!
ヴォースは少女を殴ってから口を塞いで黙らせた
ット!
「オラ、街に入れたぞ」
すると、少女は必死に逃げていった
「あ?逃げやがったか…まぁいいかあのままついてこられても面倒クセェしな…取り敢えず飯だな」
街は俺の故郷であるノーフとは全く異なり、文明もノーフよりもかなり遅れている。ノーフでは古代あたりの街並みでレンガや木で作られた建物が並んでいた。
「なんか、歴史の教科書を見てるみてぇだな………ん?」
ヴォースの眼の前で魔法を使っている男がいた
「オイ、おっさんそれマジックか?」
『何だお前?』
「まさか、本物なのか?…」
ヴォースのいた星では魔法は御伽噺で非現実な存在だった。
「スゲェ星に流れたな」
もしかすると自分も魔法が使えるかもしれないとヴォースは期待を抱いた。
グルル〜「………腹が減ってたんだったな…」
魔法を見て興奮し、すっかり空腹を忘れていた。
ヴォースは適当に近くにあった店に入った
『らっしゃい!』
なんて言っているかさっぱりだったが、メニューが書いてある札を適当に取り店主に渡す。すると、店主が何か言い出す。
『おい!オメェらこのデカブツ田舎者だぞ(笑)オオムカデの姿焼きなんぞよく食べるな(笑)』
すると、客たちも一斉に笑い出した。メニューには実際は貝のスープと書かれているが、言葉を話せないヴォースにゲテモノを出そうと考えていた。
『そいつ、字読めてないだろ(笑)言葉も通じてないみたいだぜ?』
俺はそんな事を言われているとは知らず、周りが笑っているので歓迎されているのかと勘違いをした
「?何だか知らんが歓迎されているのか?よろしくな」
そう言い手を振る
『オイオイ、手振ってるぞ(笑)』
笑い出すのでウケたと勘違いをした。
何だ?人気者にでもなったのか俺は故郷とは偉い違いだなあそこでは犯罪者だったもんな…
『どうぞ此方がオオムカデの姿焼きです!(笑)』
『コイツ絶対驚くぜ?(笑)』
「おお!こんなご馳走いいのか?」
そう言い俺は夢中でオオムカデに貪り付いた。
『こ、こいつ…正気か?…』
店主や、客達が一気に青褪め、笑い声も止み一気に店内が静かになった。
「ん?どうかしたのか?」グチャグチャ
俺には全く分からないが、俺の惑星ではこのエビ(※ムカデです)は高級食材として扱われていて滅多に食べれない。ましてや俺みたいな貧乏人は食べた事が無かった。
「美味ぇなコレがエビか!(※ムカデです)」
バリボリ食べていると、隣の客が
『ヴォェッ!気持ち悪ッ』
と立ち去った
「?どうしたんだアイツ大丈夫か?」
『—————————』
反応がなかった
「ふぅ、腹一杯だな一年振りの飯は美味ぇな」
俺を含め、ノーフ人は、五年飲まず食わずでも生きていられる。
「そういや金無ぇんだったな」
『もう飯は済んだろ?だったらさっさと勘定して帰ってくれ』
俺でも流石に金を払えと言っているのが分かった。
「逃げるか」
故郷でも食い逃げは日常茶飯事だったので躊躇いは全く無かった。
バンッッ!!
勢いよく戸を開けて逃げた。
『オイッ!、食い逃げだぁぁ!!』
店主が追いかけてきた。
本来ならばさっさと飛んだり、走ったりして逃げ切れるが此処で使ってしまうと厄介な事になりそうだと思い、そのまま逃げた。
「撒いたか?」
建物の間になんとか逃げ込み上手く撒けた、そんなこんなしているともう夜になっていた。
「ふぅ〜寒いな、こんなところじゃあ寝れねぇしなぁ」
路頭に迷っていると、
『いたぞコッチだ!!』
街の警官らしきやつらが俺を追ってきた。
「チッ、バレたか…」
そうしてまた逃げていると、後ろから警官共が杖を掲げなにかを唱え、俺に掛けようとしてきやがった!
「これまともに当たって大丈夫なやつなのか…?」不思議とまとも当たっているのに痛くも痒くも何も感じない。
「あん?脅しか?何も感じねぇな…」
急に立ち止まって、何かを唱える警官の前で笑っていると、
『コ、コイツ、効いて無いぞ…上位魔法だと言うのに…に、逃げろぉぉぉ!!』
警官は腰を抜かしながら全員逃げていった
「あ?逃げた?まぁいいかコッチとしても有り難いしな」
そう言いながら通りを歩いていると、急に鐘が大きな音を鳴らし、兵士がそこら中から俺の下へ来た。「まずいな逃げるか………いや待てよ」
ガチャン!
『田舎者が騒ぎ立てるな!』
俺は捕まり牢にぶち込まれた。
「此処でいた方がいいな。外は寒いしな…ふっ」
そう、俺は外でいるより牢へぶち込まれた方が快適に寝れると思い捕まった。
「俺天才かもな」
『グスッグスッ…お願いします開放して下さい!』
ドカッ!
『うるせぇぞ!不法侵入者が!』
警備兵と収監されている女の声で目が覚めた。
「んな夜中からうるせぇな!」
向かいの警備兵と女の方をみると、
「あ?あのガキは、俺と一緒に入った奴じゃねぇかんで捕まってんだ?おいガキ俺の事覚えてるか?」
そう言うとガキが俺に指を指して、何かを警備兵に叫んでいる
『ッ!あ、あいつです!アイツが私を急に抱き上げて壁を飛び越えたんです!』
『そんな嘘を信じると思うか?馬鹿にしているのか!魔法も使えない田舎者がどうやって15メートルはある城壁を飛び超えると言うんだ!もう寝てろ!』
『ホントなんです!』
泣きながら何かを訴えていたらしいが、警備兵は軽くあしらって立ち去った。
「オイ、クソガキ此処から出てぇのか?」
俺と目が合うと
『ヒッごめんなさい!ごめんなさい!』
「仕方ねぇなぁ此処であったのもなんかの縁だまた助けてやるよ」グニュっ
俺は軽々と鉄の檻を押し曲げた、ノーフ人は怪力で他の惑星の人よりも何千倍ものパワーを持っている
『ヒィィィごめ、ごめんなさいごめんなさい殺さないで下さい!』
何やら叫んでいるが、構わず檻から救出して、城壁から軽々逃げ出した。
『なんなの!何が目的なの?』
少し落ち着いたみたいだった。
「オイ、クソガキオメェの家に俺を泊めろ……って言ってもわかんねぇよな」
『じゃあ…すいません!』
またさっきのようにガキは暗い夜道を走って行った
「オイ、待て!」
追いかけていくと
『ギャャーーーッッッッ!!!』
いきなりガキの前に大きな赤いドラゴンが現れた。
腰を抜かすガキに炎を吹き付けようとしていた、俺は咄嗟にドラゴンに向かって殴りにかかりにいったズギャンッッ!!勢い余って周りの森林にも大きなダメージを与え、ドラゴンは跡形もなく消し飛んだ『…ありえない…何者?あのドラゴンは、本来なら勇者が挑んでも勝てないような伝説級のドラゴン…なんで倒せるの?でも貴方…悪い人では…悪い人では…無さそう?』
相変わらず何言ってるかわかんねぇな…
「怪我は無ぇか?」
『何話しているのか分からないけど助けてくれた事はありがとうお礼にこの魔法を…』
やっぱり、まだ敵だと思ってんのか?
「あ?急に何だ?」
『きっ効かないっ!!』
「何でお前まで驚いてんだよ…」
『…あなた…どこから来たの…?』
俺は何を言っているのか分からなかったのでジェスチャーで寝たいと伝えた
『分かった…宿が必要ってことでしょ…夜は危険だしあなたが居ると頼りになるよね…分かった着いてきて』
そう言うと、俺を招くように手を振った
「伝わったみてぇだな」
正直また逃げられると思ったが…
俺はガキに着いて行った。