第93話【旅立ちの前の一仕事(4)】
ドラッグらが帰ってきた事によりポートフォリオンの農耕を手伝って貰った事で本格的な器具造りに集中出来るようになった。ポートフォリオンにも調理器具は販売されているがミノタウロスの身体で使うには特大サイズでも小さいに使い勝手が悪いと感じたからだ。元々、鍛冶スキルのお陰で製造自体に何の問題はないし、道中の料理は全て俺の仕事になるのは確定している。ならば、少しでも作りやすい器具を自分で作る必要があったからだ。調理台・魔道コンロ特大(オーブン付き)・ミノタウロスサイズの調理器具一式・ミンサー・土鍋と必要な物を作りまくった。
冒険者ギルドとドラッグ、孤児院にも調理台と魔道コンロ特大を設置したがそれとは別にパン作りに必要な石窯を作ったのだ。 流石に石窯を魔核収納に入れるのは無理だろう。
すると、アステリオスが声を掛けてきたのだ。
『石窯を持っていきたいならお主の世界のなんだキャンピングカーとかトレーラーハウスとかいう移動する根城に作ってしまえば良いだろう?』
『んな、バカデカい物まで収納できるのかよ?中どうなってんだよ?』
『魔核収納はあくまでも魔力が生み出す空間だ。魔核の魔力量によって収納は変わるが問題はない。大国の領地を全部いれても半分も行かんぞ?』
『出鱈目過ぎるだろう。でも、持ち運べる家があれば色々と便利か?まぁ、作って持ち運べるなら作っちまうか』
確かに長旅になるなら持ち運べる家があれば色々と便利だ。迷宮内でも使える丈夫な物を作れば便利だろう。
問題はメルディアやリザーナの要望なども聞きたいがエレーナはまだ迷宮から戻って来ていない。
取りあえずは二人に理由を話すとこちらに任せるというのだ。
そもそもの話だが、寝泊まりする為に宿を取ったり夜営をする必要が無くなるだけでも助かるというのだ。二人から了承を得た所で本格的なトレーラーハウス作りに挑戦すると同時に保存食として料理にも挑戦する予定だ。 試運転も兼ねてパンとデミグラスハンバーグとフライドポテト作りをする為に準備をしているとリザーナら孤児院の子どもらがやってきたのだ。
取りあえずはすぐに食べられるフライドポテトから大量に揚げていく。
先ずはメルディアに清潔な水を作って貰い、ジャガイモを水洗いする。皮付きと皮向きの2種を作る為に大量のジャガイモを洗って水気を拭き、細長く切ったり、薄く切ったりと変化を付けても食感を楽しめるように大量に用意する。
特大フライパンに切ったジャガイモを特大フライパンに入れてひたひたになるくらいまでオリーブオイルを入れる。
そしたら、魔道コンロの火を着けて、中火に掛けてゆっくり火を通していく。
ブクブク泡が出て、ジャガイモが浮いてきたら、火を強火にして表面がカリッと香ばしい感じの色が付くまで揚げる。
香ばしい感じに揚がったら、油をよくきって取り塩を振って完成だ。
「取りあえずはリザーナらはこれ食ってろ。ちょっとまだ色々とやらなきゃならんからな・・・」
「何これ!?カリカリでホクホクでしょっぱい!?」
「この調子で食われたすぐ無くなるな。作り置き作ってやるから食ったらヤギと牛の乳搾りしてこい。その間に美味いもん作ってやるから」
「ホント!?わかった!熱っ!けど美味しい~!!」
まぁ、フライドポテトなら手軽に作れるし、これなら冒険者ギルドで酒のツマミとして提供してもいいだろう。その辺はフォルトや冒険者ギルドの厨房担当に相談すればいいだろう。
取りあえずは子どもらに飯を食わせるのが先だ。食べて貰っている間にクラッシュ・ボアの豚肉とカウモーウの牛肉をミンサーに入れてひき肉にする。
次にタマネギをみじん切りにしてフライドポテトで飼養しているフライパンとは別のフライパンで炒める。
冒険者ギルドで貰ったパン粉と牛乳、コッケ鶏の卵を準備する。
パン粉を牛乳に浸して、牛肉6・豚肉4の割合で入れる。そこに卵数個を割り、みじん切りにして炒めたタマネギと塩胡椒を入れて混ぜ合わせる。
それを成型し、ハンバーグの形にする。取りあえずは作った大型のトレーに並べて魔核収納に収納しておく。
どうせ食うならフライドポテトやパンと一緒が良いだろう。
その間にデミグラスソースやカレーなど準備をしておくか。
「ミックスは~ん、フライドポテトとエール追加で~♪」
「結構な量あったけど足りなかったか? まだジャガイモもあるし、追加で揚げるぞ?」
「ええなぁ~これ、酒に合うわ~♪」
「これなら簡単だし、エレーナやリザーナも好きだろうしな。香辛料あるからカレーも何とか出来るが米がないからなぁ・・・」
「んじゃ、米のある国にある迷宮から攻めるか?内陸部にあるクロニアス王国に米はあるで?ただポートフォリオンの市場までは売りにこれへん。30階層以上ある迷宮から魔物が溢れとるからその影響でなぁ・・・」
メルディアがいうクロニアス王国は旧・フェンナト王国から近い王国らしいが魔物や魔獣が棲み着く岩石地帯を抜けなければならない為に腕の立つ冒険者を雇ったとしても複雑な通路をしている為に魔物や魔獣に襲われやすい為に貿易は安全ルートが多いというのだ。
そして、クロニアス王国周辺に溢れている魔物や魔獣は間違いなく30階層以上あるというのだ。
大昔にクロニアス王国の冒険者ギルドが管轄に置こうとA階級冒険者パーティーを派遣したが誰一人として帰ってこず、王国の騎士団を派遣した所ほぼ全滅したが最終階層に化け物がいたという話を聞いた事があるそうだ。
取りあえずは第一目標の迷宮の場所は決まり米の確保の為にクロニアス王国に向かうことをメルディアとともに決めたが、保存食の在庫が不安である事とトレーラーハウスの製作に時間が掛かる事を考慮し完成してから旅立つ方がいいのではないかと相談するとメルディアは了承してくれたのであった。




