第75話【フライドチキン】
ミノタウロスになって料理をするとは思っても見なかった。 前の世界での経験を異世界で広める魔物なのどいないだろう。少なくとも【食】については魔物や魔獣にとっても重要な事らしく美味い物が食いたいという欲は強い傾向にあるらしい。今回はジャイアント・トードの鶏肉と香辛料・牛乳に似たボチチカの実を絞った牛乳もどきと小麦粉モドキが使えると出ていた。
油はこの世界ではオリーブオイルが主流のようだ。
『アステリオスさ~ん。これ本当に大丈夫なのか? 弁当屋っていってもマジでバイトだったし、そもそも簡単な作業しかやってないぞ?それに俺も家でもそれなりにアレンジ加えただけで料理人じゃないんだけど?』
『心配するな。その辺は世界中旅して食材探しすればいい。どうせ、ダンジョン踏破が必要なら幾つか国を回らんといけねぇだろうしな・・・』
『・・・簡潔に言うと『どうせ、ダンジョン踏破が幾つになるかわからないから香辛料や調味料とか色々見て美味い組み合わせを探して作れと?』いう感じか?』
『魔物や魔獣の狩りもしてな!どうせ、エルフの小娘にゃ料理教えてもやれっていうのは酷な話だろう?
なら、お前が作った方が楽だろう。それに契約で面倒見る事になってンだからいいだろ?』
『・・・確かにリザーナに美味いもの食わせれば煩くないか? いや、グルメになられても困るけどまぁ、取りあえずは満足そうにしてるからいいのか?』
既に揚げたフライドチキンをリザーナは無心で食べていた。隣ではエレーナが「酒!酒が欲しい」と騒いでいる。
メルディアらにも振る舞ったがオルディカンにはまたジャイアント・トードを解体して貰った。申し訳ないが皆よく食うな。俺も食ったけどもっと美味くなる筈なんだが・・・。
「ミックスはん? どうかしたんか? フライドチキン作ってばっかりで不満か~? 」
「いや、やっぱり元の世界と同じとはいないなと。時間があれば仕込みとか出きるんだな。
取りあえずはこれで大丈夫か?不味くはないか?」
「普段の冒険者が食っとるもんよりも全然ええけど?ミックスはん的には不満なんか? 」
「まぁ、即興で作ったから周りの反応が気になってたからな。みんな、満足そうてよかったが・・・。個人的にはなぁ~ 」
水妖魔のメルディアの食事は体内に入れて味合う感らしいが問題はエレーナとリザーナだ。目茶苦茶食う。しかもこのミノタウロスの身体の食事を考えるとある程度の下準備をしたいがフェンナト王国が陥落すれば魔王レッドクリムゾンが復活するこの状況下で料理をする気にはなれない。
はっきりいえば、調理器具も人間用でミノタウロスの身体には小さすぎて色々と面倒な所もある。全部片付けてから色々と作らなければならないだろう。
取りあえずは何とかなっているがこれはこれで神経を使う。
「ミックス~!!!酒!!!瓶ごと!!」
「だぁかぁらぁ~!!!魔王レッドクリムゾン来るかも知れねぇのに酒は飲まさせられないっつってんだろう!? 終わったら宴会で樽で買ってやるからよ 」
「おぉ!!ミックス太っ腹だな!!!」
「どうせ、ギルドの金やしなぁ~それにフォルトとゴリガンらが暫く運営に頭悩ますだけやで~ 最近ギルドマスターとして鈍っとたんやしエエんやないかな~?」
流石にそれは酷なんじゃないのか?と思ったが、フェンナト王国が滅びれば、次はこのポートフォリオンに来るとメルディアは考えている。
そうなってくると冒険者ギルドやポートフォリオン騎士団の存在が重要になってくるだろう。
ドラックを初めとするB階級冒険者は昇級試験合格者を含めても少ない。
エデンの冒険者ギルドの平均はG~C階級と多いが実力者ははっきりいって皆無だ。
少なくともブロンテスを倒した際に入手した【魔剣・メガグラムス】をあれから持ち上げられた者はいないとゴリガンが言っていた。
すると、アステリオスが声を掛けてきたのだ。
『ほぅ、魔剣か!【付属魔法印】付きとは珍しい物を持っているな!しかもそれは魔王軍のど阿呆が使ってものではないか!』
『えっ?魔王軍の幹部が使ってた文献があったとか聞いたが? 』
『俺に闘いを挑み、負けたら魔王軍の配下として従えというのでな。ムカついて殺してやったぞ? あぁ、そういえば他のダンジョンアイテムを弄れないか遊びで転移させた事があったがその時にそれを使った覚えがあるぞ?どうなったか知らんがな!!ガッハッハッハ!!!』
『これ以上面倒事を増やしてくれるなよ?てか、それなら他の地方にはアステリオスが作った武具があるって事か?』
アステリオス曰くメルディア以外にも自分の元にたどり着いたのは魔族やハイエルフがいたそうだ。
その頃はまだ普通に時分の元に辿り着けるレベルであったがハイエルフらが毎度くるし、特に魔族はアステリオスを配下にしようと鬱陶しく感じた程来たらしい。
その為に大迷宮・ラビュリンティスの魔物や魔物を強くして階層を深くしてから中々自分の元に辿り着く者がいなくなり来た者はそれなりに覚えていたというのだ。
だが、冒険者や騎士団の武器を見て余りにも貧相であると嘆いている。
あれでは強靭な鱗を持つドラゴンには通用しないなまくらであるというのだ。
『う~む。どうにも地上の武器レベルはかなり質が堕ちたみたいだな。アレじゃ若いダンジョンならまだしも何百年と踏破されていないダンジョンの魔物や魔獣。階層ボスにも勝てんぞ?』
『そりゃ、鍛冶職人がいないんじゃねぇのか?少なくともエデンの街であった騎士団の装備見たときにたいして気にならなかったがこうやって見ると普通すぎるな・・・』
『だろうな。少なくとも魔王レッドクリムゾンや巨人相手にゃ戦力不足だろうが問題はダンジョンボスや階層ボスにしたとしてこの辺りの魔物や魔獣も強化されて狂暴化からな。
それに大迷宮・ラビュリンティスの挑戦条件次第ではお前は別のダンジョン踏破しなきゃならンだろ? その辺り対策考えておかねぇと戻ってきた時に魔物や魔獣に滅ぼされてる可能性もあるかな?』
「・・・フォルト!!ゴリガン!!大迷宮・ラビュリンティスに魔王レッドクリムゾンや巨人、魔族をダンジョンボスや階層ボスになったらこの辺りの魔物や魔獣も強化されるけどその辺りの対策必要だとよ!!」
突然のアステリオスから警告に伝えられた事をそのまま伝えるとゴリガンとフォルトは今後の魔物や魔獣の強化され狂暴化する現状に頭を悩ませた。
少なくともミックスを含むリザーナパーティーは今後の大迷宮・ラビュリンティスへの挑戦条件次第で別のダンジョン踏破の為にこの街から離れてしまう為に戦力が落ちてしまう為に防衛力という面でかなりの戦力不足になるのは目に見えていたからだ。
このポートフォリオンに師でもあるメルディアが残ればそれだけでも十分な戦力になるだろうがリザーナの使い魔になってしまった以上行動をともにする必要があるのだ。申し訳ないという気持ちもあったがメルディアは難しそうな顔をして考え込んでいた。 また面倒事を増やされるのはゴメンだと思いながら追加のフライドチキンを揚げ続けた。




