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第64話【地下水路の異変】



ゴリガンとフォルトからの依頼で地下水路の異変を探索しているが、エレーナとも話し合っているが特に敵意を感じる事もなかった。だが、リザーナだけは何かを感じ取っているのは間違えないだろう。内部は複雑な構造になってる地下水路でリザーナだけはその変化を感じ取って導かれているかのように迷うことなく進んでいくからだ。


「エレーナ、何か感じ取れたか?」


「んや? 特に変わった感じはしねぇけどな~ リザーナのヤツだけが感じ取れる魔力的な何かじゃね?」


ポートフォリオンは港街の大都市である為地下水路も複雑な構造になっていた。


普段のリザーナならば、間違えなく迷う筈だろう。 だが、リザーナはこちらを気にしながらも複雑な構造な地下水路を進んでいく。


リザーナにしか感じない何かがこの地下水路にあるのか?


そう考えていると、リザーナは行き止まりの壁をじっと見つめ始めたのだ。


「何だよ?行き止まりじゃねぇかよ?」


「ううん。ミックス、ここの壁を壊して!」


「この壁をか?流石に街に被害がでるだろ?」


「あ、ちょっと待ってね? あ、魔力流せばいいの?わかった! ミックス。ここの壁に手を触れて魔力を流し込んでくれる? 」


リザーナを導いている者が声を掛けて指示を出しているのだろう。少なくとも俺もエレーナも声が聞こえている訳でない。


正直にいってしまえば半信半疑だ。リザーナを利用している可能性はないだろうか。


魔王レッドクリムゾンと巨人族と魔族が攻め込んで来ようとしているこのタイミングは余りにも都合が良すぎないだろうか?


「本当に大丈夫なのか? リザーナ騙されてないか?」


「確かにタイミング的に考えると怪しいかも知れねぇよなぁ 」


「むぅ、2人とも信じてないでしょ!?ねぇ、聞いてよ! この2人は私の使い魔で私が主人何だよ? なのに酷いと思わない? ・・・やっぱり? ほら、2人とも酷いって言われてるよ? 」


「まず、誰と話してるんだよ?あー、ったく、わかった。魔力を流し込めばいいんだな?」


リザーナは明らかにこの壁の向こう側にいる誰とか会話をしている。少なくとも俺もエレーナも視線を感じ取る事はできない何かがいるのは間違えないだろう。


取りあえずは壁の向こう側にいる何かがリザーナに話し掛けてきて導かれているのは確定だろう。


少なくとも敵意は感じないが状況とタイミングを考えると怪しくも感じる。 エレーナと目を会わせるとお互いに武器を構えた。

壁に魔力を流し込むと魔法陣が浮かび始めた。


そして、壁が音を立てながら下がっていくと広い部屋が姿を表したのだ。部屋の真ん中には魔法陣が書かれていた。


「・・・おい、リザーナ。これ大丈夫なのか?」


「ちょっと待ってね?・・・えっ?ミックスが異世界の人間の魂と混ざってる? ミックスどういう事!? 」


「異世界の人間だと?いや、人間だったのは覚えてるが異世界と言われてもなぁ~」


「あ、また聞こえた。ミックス、記憶が曖昧になってるからそれについても教えるから早く来いってさ!」


俺が元は人間である事を知っている? いや、人間だった事は覚えているが異世界の人間だったのか? 良くわからんが会えば何か手掛かりが掴めるかもしれない。


エレーナを説得し、3人は魔法陣の中央に移動するとどうにも転移魔法の魔法陣であったようだ。


転移された場所の目の前には巨大な扉があり、そこに近づくと扉が勝手に開いたのだ。


リザーナは何も警戒するとこなく入っていく為に武器を構える暇もなかった。 扉の中には高い本棚が壁際に設置されており、壁には研究資料として積まれた本や瓶等が所狭しと並んでいた。


奥に進むと既にリザーナはこの部屋の主である人物と仲良く話していた。


その人物は人間ではなく、 水の身体を持ちながら人の姿をした女性がいたのだ。


大きなソファーで本を読みながら膝に寝転ぶリザーナの頭を優しく撫でていた。


「ようやくきたようやねぇ~ まっとたで? リザーナはんの使い魔なのに主人より遅くてどないするねん? 主守らんと使い魔とは呼べへんで?」


「いや、リザーナが先にいっちまうからだろ!?ワタシら悪くねぇよな!?」


「え~!!絶対に私は悪くないよね?ね?メルディア? 」


「せやねぇ~♪リザーナはんは悪くないでぇ~使い魔なら使い魔らしくなきゃなぁ~ 」


ん? リザーナ、今なんていったんだ? 少なくともメルディアって聞こえたぞ? ゴリガンやフォルトが言ってた大魔導師・メルディアなのか!?


「口に出さんでも 水妖魔(ウンディーネ)になったウチに隠し事は出来んで? 水の精霊の加護があるからな~」


水妖魔(ウンディーネ)? いや、ゴリガンらはメルディアは人間で歳を取らない魔法を研究していたって聞いたぞ?」


「う~ん。色々と話すことはあるんやけどな? リザーナはんに声掛けたんはここから出る為やねん・・・」


「ここから出るだと? まさかポートフォリオンに戻れないって事か・・・?」


メルディアは頷くとここは『現実世界』と『裏世界』との境界線にある空間であると言うのだ。 そして、俺はそこから魂だけが通り抜けて大迷宮・ラビュリンティスのダンジョンボスであるミノタウロスに憑依した別世界から来た魂であると教えられたのであった。



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